302話「学院生活! 二年目開始だぞ!!」②
音楽が流れる入学式。
初々しい入学生も目新しい。
まさかのコンドリオンが大阪アニマンガー学院へ入学!?
インドで色々あったってのに、まさか入学してくるとは思わなかった……。
ちなみに入学生にマイシの妹ナガレもいたぞ。
あとカグイヤーンだっけ? ひっそり静かにしてたけど、コイツ実は強くね?
入学式が終わって、コンドリオンと会ったぞ。
「ナッセさんまた会いましたね……。よろしくお願いします」
「ああ。よろしくな」
なぜか割り込んできたカグイヤーンも丁重なお辞儀してきたぞ。
ヤマミは少しムッとしてた。
「ナッセ先輩。わら……私はカグイヤーンです。よろしくお願いします」
「あ、ああ……」
彼女は長身の女性。着物を連想させるデザインのワンピース。白い肌。額からはウザギの耳のような角を生やす。無表情。額に縦筋があって第三の目でも開眼しそうな感じだぞ。
どう見ても地球人とは思えない雰囲気。
あと威力値が潜在的に30万以上あるんじゃないか?
「元々は東京で暮らしてたのじゃ」
「どうして大阪に?」
「……年末の東京コミケで大損してな、なにか足りないかと思って入学したのじゃ」
心底悔しそうな顔してたから、東京はトラウマなんかな?
だからわざわざ大阪に……。
そしてヨネ校長に連れられて、やってきたもう一人の入学生にも驚かされた。
「初めまして。私は藻乃柿エガラです」
「「「ええぇえっ!!?」」」
小動物系の大人しめの少女。なんと藻乃柿ブンショウの娘だというからビックリ!
そしてヨネ校長にも亡き父の最期が伝えられた。
「ヨネ校長さん。お父さんを救ってくれてありがとうです」
「ふむ」
かつて学院裏の施設を無断で星獣召喚を目論んでいた彼は、ヨネ校長に追放された。
最初は追放された恨みに駆られていたが、頭を下げて謝ってきた事が忘れられず、頭を冷やす為に故郷で休養した。
献身的な妻に奉仕されながら、病状が悪化していく彼は驚くほど心情が落ち着いていった。
寝床で、娘であるエガラに側にいてもらった……。
「……なんと愚かな事をしたか……。君や妻を蔑ろに身勝手な研究を繰り返してきた、こんな私を許してくれ…………」
エガラは物心付く頃、父である彼は傲慢不遜で愛想が悪かった。
勝手に大阪へ出張して、帰ってこなくなった時は悲しかった。なにか大事な理由があると信じて、父からの愛を求めつつも我慢を続けていた。
「私は父失格だ。もう少しヨネ校長の忠告を聞いていれば、もっと違った結末になってたのかな……。エガラ……、私の……最期の頼みを聞いてくれないか?」
「うん」
「ありがとう……」
やせ細った父の手に頭を撫でられて、心が温かく湧き出した。
「……大阪アニマンガー学院入学を申し込んである。エガラ、英雄ナッセたちと触れ合ってくれ」
「うん。勇気出せず言えなかったけど、本当は行きたかったの……」
「きっと貴重な経験を与えてくれよう……。この私などよりもな」
エガラは首を振る。
「最後……分かってくれた……。頭撫でてくれた……。嬉しい」
勇気を出して微笑むエガラ。
ブンショウはそれを見て安心し、じんと涙腺が緩む。自分にはもったいない我慢強い娘だ。これからも強くなっていく事だろう……。
優しい顔の妻が入ってきて「私がちゃんと見送るから安心なさい」と微笑みかけてくれ、心は安堵に満ちた。
────既に一緒に見送れるだけの時間が自分になかったからだ。
「何から何まで済まない……。そして今までありがとう…………」
「いいえ。結婚した時から、愛しいあなたについてゆこうと覚悟してましたもの」
「うん! 私もお父さんとお母さんみたいに強くなる!」
妻子に温かく看取ってくれる幸せを噛み締めながら、ブンショウは安らかに息を引き取った。
ヨネ校長は「それは良かった……」と涙ぐんで安堵して、後悔の念は消え去った。
追放して良かったのか自責の念に苦しまされていたが、最期救われたのを知って心穏やかになれた。
それはそうとして、この後が驚かされた!
「さぁ行くわよ!!」「うん! 行く!!」
なんとマイシの妹ナガレとエガラが拳をガツンと交わし、周囲に衝撃波を広げた。
互いエーテルを纏ってアクロバティックに動き回りながら、仮想フィールド内でガンガン激しい格闘の応酬を繰り返し続けたのが衝撃だった。
ドガガガガガガガガガガガガガガッ!!
大地を揺るがし、砂煙が流され、二人はなおも熾烈な激戦を繰り返す。
「うひゃあ~~!! あんな強いのかぞ……!」
「妹はあたしが鍛えたし! しかしエガラとかいう小娘、侮れんなし」
マイシですら汗を垂らしていた。
二人とも威力値が五万超えてるとは思わなかったぞ……。




