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290話「復讐王子⑯ 心機一転だぞ!」

 夜、森林に隠れるように建つ工場っぽいの。

 実は兵庫県の六甲山って所のどこかにあるぞ。


 これこそがオカマサとドラゴリラの秘密基地なのだ。


 元々この工場は人造人間を製造するラボの一つ。

 何度でも説明してすまないが、オカマサとドラゴリラはアニマンガー学院の生徒を乗っ取る計画を立てていた。

 大量行方不明事件やエンカウント現象に乗じて、保護という名目で生徒たちをさらって入れ替えていくって外道な事をするつもりだったんだよな。

 その生徒のクローン製造のための場所だった。(過去形)


 最初に犠牲になったのが『達矢(タツヤ)イワシロー』と『健多呂(ケンタロ)タカハツ』の二人。

 本物(オリジナル)はとっくに跡形もなく処理されている。


 その後、ローファンタジー編の『16話「バーサーカーの猛襲!」(https://book1.adouzi.eu.org/n7638fr/17/)』でナッセとリョーコも入れ替えようと誘拐を目論むが、フクダリウスの襲撃で流れた。

 そのまま凋落(ちょうらく)していって魔界オンラインへ堕ちた。

 ……後の結末は知っての通りである。


 そんで本物(オリジナル)の遺伝子を元に造られたオガッサ、ドラゴーラ、コマク、マイガ、エレン、リューコ、ナーセ、モリオン、ノーウェン、フクーダルはそのまま放置される結果となった。

 それをキュリアが開放したのだ。




「みんなお疲れだったな。だが俺の勝手な復讐に巻き込んで済まない」


 晩飯であるカレーを食べる前に、キュリアは殊勝に頭を下げる。

 ナーセ、モリオン、オガッサ、ドラゴーラ、フクーダルは和やかな顔を見せた。


「いや、貴重な経験になったぞ」

「そうですよ。学院二年生強かったし、良い人だったし」

「気にしないでくれ」

「せや」

「はっはっは! 気にするな。ワシは(とが)めはせん。もう(わだかま)りは消えているだろう?」


 暖かい彼らにキュリアは胸が熱くなってくる。

 涙腺が緩んでゴシゴシ目をこすった。


「……冷める前に食べよう。せっかくみんなで作ったカレーだ」

「だなぞ」

「はい」

「そうしよう」

「せやな」

「うむ」


「「「いただきます!」」」


 みんなで合掌して、一緒にカレーをたいらげていく。

 人間味があって家族らしい時間。

 キュリアも心が(ほだ)されて、穏やかな表情に慣れていった。



 皿を空っぽにして、腹満腹っ!


「さて、今日の課題として話し合おうか」


 真面目なキュリアにナーセ、モリオン、オガッサ、ドラゴーラ、フクダールは頷く。

 二年生との対戦で辛うじて勝ったものの、至らない点は多い。


「ナーセ、モリオン、フクダールは戦型が固まってきているからいいが、問題は俺、オガッサ、ドラゴーラだな」

「え? マスターは刀剣波で戦ってたんじゃ?」

「……その刀剣波に頼ってるからだ」


 キュリアはバカ一つ覚えのように刀剣波ぶっぱするだけの戦型。

 これまで父ヤミザキの『刻印(エンチャント)』の力に頼ってパワー任せで我が物振る舞いしてきた。

 だからこそ自分の力だけで戦った今回の団体戦で痛感したようだ。


「今の時点でフクダールを一番強いとすると、二番に強いのがナーセだな」

「え? オレが??」


 ナーセは自分を指さして驚くが、キュリアは頷く。


「もしナーセと戦えば負けるだろうな」

「そんな……」

「二年生との戦いを見てて分かる。不屈の精神で戦況を覆すナッセとソックリだった」

「ナッセと……!?」

「ああ。それに魔眼が相手じゃさすがに敵わんよ」


 ナーセは見開く。

 今は通常の目に戻っているが、いざとなれば魔眼『魔繰眼(マクリメ)』に切り替えれる。

 妖精王に変身はできないが、魔眼はかなりの戦力だ。


「お前は必ずフクダールに並ぶ最強格に育つ」

「最強格…………!」

「ああ。それだけの素質があると確信している」


 これからもっと強くなる予感さえ感じさせる。

 もっとも当のナーセは自覚していないようだが、心配はいらないだろう。経験を積めば勝手に強くなる。



「それからオガッサは暗殺者(アサシン)。ドラゴーラは蛮族(バーバリアン)。オリジナルと同じ遺伝子だから、クラスも同じだ」

「そのようだね……」

「せやね」


 オガッサとドラゴーラは頷く。


「特にドラゴーラはどんな動物に変身するか、まだ決まってないからな」

「どないすればいいんや?」

「ドラゴリラと同じ変身するなら、ゴリラの一部を食って遺伝子を取り込まねばならん」


 モリオンは「ええっ!? 一部!?」と驚いた。


蛮族(バーバリアン)は動物の一部、例えば毛一本などを摂取して以降変身できるようになる」

「え? 前から食べてるんやけど?」

「ただし一番最初に食べた動物ではなく、自分で「この動物に変身したい」と強く意識した時に適用される。そして一生に一種類のみだ。二つ以上はできない」

「そないな……」


 今思いついた設定だからな。メタァ!

 前々から蛮族(バーバリアン)は動物の力を利用するクラスって決めてたけど、細かい設定は決めてなかったぞ。メタァ!


「……やけど、ゴリラは勘弁してえな」

「ドラゴリラに(なら)う必要はない。お前が好きな動物を選べ」

「ほな分かったでー!」


 ドラゴーラはドラゴンに変身したかったのだが、見つからず『コモドドラゴン』とかいうトカゲで代用してしまった。

 なんか恐竜みたいなリザードマンになったっぽいぞ。怖い。



 キュリアはモリオンへ振り向く。


「団体戦で突飛な発想の魔法を使ってたが、某漫画とは別のを頼む。お前ならすごい魔法を開発できるだろう」

「え? メド○ーアとかダメなんですか?」

「作者が訴えられるから止めてくれ」

「あ、うん……。分かりました…………」


 モリオンは実は他に構想を描いていた。

 それは俺自身がキラッキラッな魔法少女になる事だ────。

 そして伝説は始まるぞ……!



「オガッサ!」

「はい!」

「すごく努力すればイケる!」←雑w

「そうかっ! ならばバーニン努力あるのみッ!!!」←単純w


 オガッサは熱血で燃え上がって腕立て伏せを始めた。ヌンッヌンッ!

 彼はストイックで努力家だ。なんとか強くなるだろう。



「さておき、フクダールは充分強すぎるので何も言う事はなさそうだ」

「がっはっはっは!」


 遺伝子同じだし、第二のフクダリウスみたいなもんだからな。




 キュリアは立ち上がり、食器を片付けていく。


「……まぁ、とりあえず今日は休め。後日から修行だ。覚悟しておけ」

「「「はい! よろしくお願いします!!」」」


 ナーセ、モリオン、オガッサ、ドラゴーラは頭を下げた。

 フクダールは年長者っぽくフフッと笑んでいく。


「幸い、近くには『洞窟(ダンジョン)』があるし修行には困らんだろう」(唐突な設定w)

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