276話「復讐王子② 高めろ団結力!」
二〇一〇年一月十二日の始業式に襲撃の予定のはずが!?
「ゴホッゴホッ、済みません……風邪引いてしまって」
「オレも突然、培養カプセルから出たから急に体調が……」
な、な、なんと、モリオンとナーセが風邪を引いて寝込んだのだ!
「貴様ら~~! こんな時に役立たずめ! ゆっくり休んで、さっさと治しておけーっ!!」
苛立ったキュリアは風邪薬を買ってきて、水分補給の為のドリンクも買って、おかゆまで作っておいて怒鳴ったのだ。
バタンとドアが閉まる。
計画が狂った、とキュリアは腹いせと掃除をしまくって研究室を綺麗にした。
「そもそも、誰も掃除しないからな……」
マスターであるオカマサとドラゴリラは不在だし、一人で細々とキュリアは引きこもっていた。
その為、研究所は手つかずでホコリが溜まっていって細菌も増殖していた。
体が弱い人造人間では免疫がなくて風邪引くのも仕方がなかった。とりあえず念入りに掃除して防菌しておいたから大丈夫のはず……。
「大変だ!!」
「コマクが!」
突然、オガッサとドラゴーラが切羽詰った様子でドアを開けてきた。
苛立ったキュリアは「今度はなんだ?」と振り向く。
コマクが仰向けで安らかに寝入っている。スヤァ……。
「……メタボ過ぎた為に心筋梗塞で亡くなりました」
明らかにデブに設定されたが故の宿命であった。
今まで培養カプセルの中で培養液によって、健康体のように保たれていたが、開放した途端に血が詰まって急死してしまったのだ。
余りにも短すぎる生であったぞ……。
「なんて事だ!! 最初っからデブにしなければ、こんな悲劇にならずに済んだものを~~!」
「ってか、オカマサとドラゴリラが設計したんだよな」
「デブの方が面白いゆーて、こうなる事も考えてへんかった」
オガッサとドラゴーラがポロッと暴露。
キュリアは初めてオカマサとドラゴリラを殴りたいと思ったぞ。
「葬式だ────っ!! さっさと済ませるぞ────っ!!」
五日間かけて葬式の行事を終えて事を済ませた。
キュリアを筆頭にオガッサ、ドラゴーラ、マイガ、エレン、リューコ、ナーセ、モリオン、ノーウェン、フクーダルは悲しみに暮れて更に一週間が経った。
生まれたばかりで、これからって時なのに……という悲しみ。
二〇一〇年一月二十四日。
キュリアたちは家族のように晩飯で集合して、カレーを食べていた。
「明日から襲撃する。各々準備をしておけ! あと体調にも気をつけろ!」
「「「はいっ!」」」
彼らはせっせと自分の部屋で本を読んだり、ゲームしたり、漫画読んだり、エッチな画像で抜いたり、時間を過ごしていた……。しかし!
「大変ですっ!! エレンとリューコとマイガが!!」
晩飯の皿洗いをしていたキュリアに、モリオンが慌てて報告。
三人はなんと手紙だけ残して部屋から忽然と姿を消していた……。
唖然とするキュリア。
「手紙はなんて書いてあるんだ!?」
モリオンは頷いて手紙を開けた。
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キュリアさまへ
さきだつふこうを おゆるしください。
おれたちは じんぞうにんげん しかもブサイクなおとこにつくられた。
もとのモデルは うつくしいおんなのこ うらやましすぎて なきました。
このよで おんなとして いきられないなら
せめて いせかいてんせいして ほんとうのおんなのこになりたいです……。
エレン&リューコ&マイガ
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「ドラ〇エⅢ風に身投げして逝きました…………」
手紙を握り締めて、プルプル震えていくキュリア。
これほどオカマサとドラゴリラを強く恨んだ事はなかった。
なぜ不幸な人造人間を作り給うたか、問い詰めたくなってくるが、本人は行方知れず。怒りをどこにぶつければいいかやるせない。
「遺体を探して、葬式だ────っ!!」
「近くの洞窟で大きな地底湖があります。恐らくそこに……」
「なんでそんなものがあるのか疑問ではあるが、捜索するぞ。水の底では天国に行けないだろう……」
五日間かけて葬式の行事を終えて事を済ませた。
キュリアを筆頭にオガッサ、ドラゴーラ、ナーセ、モリオン、ノーウェン、フクーダルは悲しみに暮れて更に一週間が経った。
時々思い悩む事を気にかければ良かった……という悲しみ。
二〇一〇年二月五日。
「大変です!! 今度はノーウェンが頭を打って死にました!!」
「なんだとぉ────!!」
後ろ向きで生活していた為、不注意で転んで痛打してポックリ……。
「葬式だ────────っ!!」
五日間かけて葬式の行事を終えて事を済ませた。
キュリアを筆頭にオガッサ、ドラゴーラ、ナーセ、モリオン、フクーダルは悲しみに暮れて更に一週間が経った。
後ろ向きにこだわっていたばかりに……という悲しみ。
二〇一〇年二月十七日。
「大変です!! フクーダルが!?」
「またか!!」
フクーダルはメガネが体の一部だった。
うっかり外した途端、目玉もろもろ脳ミソまでポロッと出して死んだ。
設計図のミスによるものだった。
オカマサとドラゴリラが考案したアイデアで、絶対に目が見えないメガネとして体の一部にしている。ところが間違って脱着仕様にしてしまった。
メガネと目玉と脳ミソが連結しているから、このような悲劇に……。
「葬式だ────────────っ!!」
五日間かけて葬式の行事を終えて事を済ませた。
キュリアを筆頭にオガッサ、ドラゴーラ、ナーセ、モリオンは悲しみに暮れて更に一週間が経った。
力仕事も相談も引き受けてくれる頼もしい男だった……という悲しみ。
二〇一〇年三月一日。
かな~り先延ばしされてしまったが、いろいろ乗り越えた為、キュリア、オガッサ、ドラゴーラ、ナーセ、モリオンの団結力は日々増していた。
今日まで仲間の死をたくさん悲しんできた者どもだ。面構えが違う。
「アニマンガー学院の生徒どもども地獄に突き落としてやるぞーッ!!」
「「「「おおおおおお────っ」」」」
キュリアと一緒にオガッサ、ドラゴーラ、ナーセ、モリオンは昂ぶったッ!!
アニマンガー学院へ、いざ出陣ッ!!
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!! (臨場感擬音)
二〇一〇年三月二日に襲撃するぞ────────────!




