27話「ダイジェスト出演と退場ォ!」
夏休みが最後となる明日で、地元から大阪へ帰る事になる。
寂しいと思いつつも充実した日々で感無量だ。特に宿題はとっくに終わらしてるから余裕感満載だー。
オレとヤマミは田舎の道路を淡々と歩いていた。
周りは家が点々と、大半は田んぼでいっぱいで広々していて静かだ。古びたバス停とか寂しい感じがする。
駄菓子店も少なからず残っている。値段も当時のまま。
「へいへーい!! 英雄になって調子に乗っているテメーはテメーかぁ!?」
なんと水を差すように、バリバリバロロロと爆音響かせて改造バイクで走ってくる男がいた。
金髪ロン毛でサングラスをかけた無駄にイキった男。島尾ミフデ。高校の時の先輩だ。後ろの席に見た事のない彼女がいる。取っ替え引っ替えでコロコロ彼女が変わるらしいぞ。
「大魔王を倒した英雄らしいな? だからテメーを倒して俺様が新たな英雄となって真のハーレムを築く!! 英雄にはもったいないテメーは異世界転生でもされて喜びなッ!!」
改造バイクにオーラを纏わせて、爆音パワーアップで音速近い速度でオレたちに轢き逃げアターック!!
「惨たらしく死ねえぇ──ッ!!」
「効か────ん!!」
オレは突っ立ったまま、改造バイクをバイーンと弾き返す。
どんがらっしゃーんばりばりばり、ごりゅりゅりゅりゅるずぞぞぞっぞぞぞっぞぞぞぞ!
どがががーんっ!!!
派手に転がりまくった挙句、田んぼに転がり落ちて大敗大破大爆発ーッ!!
島尾ミフデ、再起不能!
燦々と眩しい太陽が差す最中、蛇行していく道を歩いていく。
ようやく住宅地に入ったか田んぼのターンは終わって、家が並んでいる道路になったぞ。
「大魔王を倒したという英雄! 試してくれよう!!」
どこから落ちてきたのかってくらい、地上に降りたってダンと道路に足跡でめり込ませた。
緑髪のツーブロックで眉毛は全剃り、たらこ唇と強面。身長が二メートル越えで体格に恵まれていて筋肉質。何故かボクサー風に半裸でグローブとパンツとブーツのみの変態。
シュッシュッとシャドーボクシングしている。
「折原ササキさん。コイツはオレの同級生。学校でも学ラン着てた以外はこの格好で目立ってたぞ」
「なにこれ恥ずかしくないの? バカみたい」
「ノーヴェンみたいだなぞ……」
「そういえばアイツも恥ずかしいカッコしてたわね……」ゲンナリ!
ササキはブチギレて「うるせえ!! 恥って思うお前らがおかしいんだ!」と怒鳴る。
「コイツも創作士なんだが、何故かプロボクサーになってないんだよな……」
「どいつもこいつも俺の強さを理解してないからな」
「そうなのか?」
「試合前に選手を闇討ちしたら資格剥奪されたからな! どいつもこいつも戦略を理解してなくて困るぜ」
妙に威張るササキはふふーんと胸を張る。
いや、そこは威張れるもんじゃないだろ。ってか卑怯な事してて恥ずかしくないんかな?
コイツの思考回路どうなってんだ?
「って事で、テメーをぶっ殺して一躍有名人になるぞぉぉぉぉぉ!! まずは弱ぇえ女から死ね────ッ!!」
「あ、それは止めといた方が……」
唐突に無数とも言える拳の弾幕を放つが、ヤマミは「愚かね……」と黒い小人を生み出して放つ。ササキは黒炎に轟々包まれて「ぎゃああああああ」と転がりながら絶叫。
ヤマミはそんな彼の股間を蹴り飛ばし金玉粉砕! 男クラッシュ!!
「ギエ────────ッ!!!」
折原ササキ、再起不能!
オレは青ざめてキュッと縮こまったぞ……。
歩いていくと交差点が見えた。流石にここまで来ると車が多くなってきた。
駅が近いので店とか色々多かった。ゲームショップも昔はあったんだが、今はなくなっていた。相変わらず駅近くのエースプラザは健在だ。
大阪のデパートと比べると人通りは貧相に思えた。田舎でも賑やかな方なんだがな。
近くにはボーリングやゲームセンターもある。
すると何か低姿勢のまま高速でこちらを通り過ぎようとしていた。常人なら見えないだろう速度だ。だがオレは「念力組手」と両手で見えないモノをひっくり返す仕草をすると、ソイツはひとりでにひっくり返って仰向けでビターン!
「あ、コイツ学校の金を盗もうとして停学処分喰らってた鳥羽ジュロウだ。同じ同級生ながら恥ずかしい」
「いてて……。テメー、何すんださ!! ってお前はナッセ!?」
青髪のギザギザ頭で顔が細くて口が尖っているので鳥みたいな顔形だ。目立たないように黒い服で統一している。夏なのに長袖で暑くないんだろうか。
それにしても今のはスリしようとしてたな……。まだ姑息な事してるんだな……。
「彼女作ってるなんて生意気ださ!! ぶっ殺すさ──ッ!!」
「またこれかよ……」
オレの横にお嬢様みたいな美人がいる事が気に食わなかったせいか、細い腕を振り上げてのパンチを繰り出す。
呆れながら突っ立っているだけで、あっちの拳はオレの胸元でポキンとへし折れてしまう。
「ウギャ────!!! くそォ──、コウモリ召喚ださーッ!!」
最初っからすればいいのに、と思いつつ襲いかかってくる無数のコウモリを手で払うだけで煙にかき消した。ボボボボボボボボボン!!
あまりの力の差に、ジュウロウは「あ……あぁ……!」と青ざめて絶句。
「もう懲りたら?」
ヤマミのデコピンで、ジュウロウは吹っ飛びガンガンガンと床をバウンドした後に気絶。
鳥羽ジュロウ、再起不能!
後にスリの常習犯と判明してタイーホ! ろくな同級生しかいねぇ……。
「他にマトモな同級生や先輩や後輩いたんだけど、オレって特にコミュ能力高くないから関わらなかったんだよな。スマン」
「ふふ。いい。これから私が一緒だから。ささ行こ行こ」
オレの腕に抱きついてぷにっと胸の感触を感じさせて、共にゲームセンターへ向かっていった。
下手だろうが不得意だろうが、心ゆくまで二人きりで楽しんでいったとさ……。
ダイジェストで登場した人物紹介。
『島尾ミフデ(騎手)』
金髪ロン毛。尖ったサングラスは絶対外さない。フツメン。無駄にイキってて態度がでかい。彼女取っ替え引っ替え。
今でも愛用のバイク(カロマロン号)でブイブイ言わせて遠出する事がある。飛行可能。
カロマロン・ボンバー(高速回転中のタイヤをぶつける)
ファイナルドリフト(走行中に横滑りして、発生した衝撃波で攻撃)
カロマロン・ヘルクラッシュ(オーラで包んだバイクで体当たり)
威力値:5200
『折原ササキ(格闘僧)』
緑髪のツーブロック。体格に恵まれていて筋肉質。二メートルもの高身長の男。たらこ唇。眉毛は全剃り。
場所を選ばず闇討ちしたりなど、隙あらば暴力を振るって敵をねじ伏せようとする。更に女子供にも容赦なく拳を振るう。本人は戦略のつもり。
常にボクサースタイルで半裸。グローブ、パンツ、ブーツしか装備していない変態。
ボクシングスタイルで様々なパンチを繰り出す。
ブレイクフック(横に薙ぐパンチで炸裂拳)
ヘヴンアッパー(オーラを纏った飛び上がりアッパー)
マシンガンラッシュ(連続ストレートパンチ)
ブレイズギガターボ(炸裂ダッシュで殴りかかる)
威力値:3700
『鳥羽ジュロウ(召喚士)』
青髪のギザギザ頭で細長くて口が尖っている事から鳥みたいな顔形。無駄にナルシストな男。腹黒い。
かつて学校の金を盗もうとして停学処分を食らった事がある。
卒業した後でもスリを続けていた姑息な男。コウモリを無数に召喚する。
威力値:900




