244話「最終決戦篇⑦ 次元降臨ァ!?」
《生き返っていないぞ》
頭に声が響いてくる。聞いた事ある声だぞ……?
「どちらさまで……?」
《維持神だ。極楽浄土から、お主の頭に『次元法』で直接話しかけておる》
「そ、そんな事ができるんだ……」
キョロキョロ見渡しても維持神の姿は見えない。
本当に向こうから頭に話しかけているって事か。
ってか『次元法』何でもありだなぞ。
《さすがに完全な『六道石』でも、死者を生き返らす事などできはしない。時空間を飛び越えるか、巻き戻すか、それだけだ》
「そういや生き返らせる効果あるんだったら、ダウートは極楽浄土など行かず、最初っからディアルフに使えば済む事だもんな」
《そうだ。できないからこそ極楽浄土へ『天網恢恢』を求めた》
でも、その『天網恢恢』は致命的な欠陥あるんでダメだったっけな。
《そしてディアルフが現れているのも同じ『次元法』じゃ。確か『次元降臨』ってヤツか》
「次元降臨? なんぞ?」
話を聞くに、死んだはずの人間が現世へ降臨できる禁じ手。
これができれば、過去の人間が現世に現れるにも等しいぞ。ナマで歴史上の人物と触れ合う事も可能だ。生死観を覆しかねない術っぽい。
現世がメチャメチャになるので、本来はダメーって事だぞ。
《極楽浄土にいる如来王の力を借りてのみ、そっちの世で次元降臨が可能じゃ》
「って事は維持神さまがやったんか?」
《いや……別の如来王じゃ。ワケあって秘密にしてくれと言っとったがな。だがディアルフと縁が深い人じゃよ》
「そんな如来王がいるのか……?」
《もし聞いたらお主もビックリするじゃろうな。ふっふっふ……》
ともかく維持神って、そんな口調の人だっけ?
まるでド〇ゴンボールの界〇様みてーだぞ。
「誰かと話してた?」
ヤマミが目を細めて見てきているのに気づいた。
「うん。維持神さまが『次元法』で……」
「急にひとりごと始めてて、気になったから」
「わ、わりぃ……」
まぁ傍から見ればブツブツ言いながらリアクションする怪しい人だもんな。
でもヤマミは頭がいいから察してくれたようだ。
ともかくディアルフは生き返ったのではなく、別の如来王から力を借りて現世へ現れたってだけみたいだぞ。ヤマミにも説明しといた。
「我が息子ディアルフ……!」
ディアルフの体が全体的にカレー色に染まり、髪の毛も焦がしたパンチパーマみたいになり、手足が関節見えなくなるぐらいグニョンとした曲線ラインになり、ニヒッとした陽気な顔が二次キャラみてーになり、雷神風神が背中周りに付けているような曲がりくねった天衣を象るカレー流動液がコポコポ沸騰するァ!
「万覇羅弐!! “最強モード”アンプレセデンティドゥ・ディアルフだァ!!」
ド ン!!
「!!!」
なんとダウートへ戦意の矛先を向けるディアルフ!
「貴様ァ!! 正気かァ!!」
「弟だと愛情を与えてくれた兄貴が“悪鬼”なんかじゃねェ事を、おれが示してやるァ~!!」
「お前までも“悪鬼”に入れ込むかァ~~!!」
「兄貴は“悪鬼”なんかじゃねェ~~~~~~!!」
それでもと大きく口を開けて言い張るディアルフ!
彼にも裏切られたと失意したダウートはブチンとキレたァ!!
「もォ……いい! 二人まとめて消えろァ……!!」
黒い稲妻を全身に迸らせて、ダウート激怒ァ!!
ディアルフはコンドリオンへ振り返り、ニッと笑う! そしてダウートへ駆け出す!
「さァ! おれが父さんを止めてやるぞォ~~!!」
「稽古でも、できた試しがあったかァ!?」
ディアルフは両拳を分裂するかのように振るってから、超高速で繰り出す!!
「自由ァ~~“トゥーン”拳嵐ッ!!」
ゴムのように伸びた腕による超高速乱打がダウートへ襲いかかるァ!
すると強靭な巨体をものともせず、打ち込むたびに反対側から起伏がボコンッと突き出る! 防御力無視の攻撃がダウートの全身を穿つァァァァ!!
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッ!!
「!!!!」
威力伝導率一〇〇%の乱打をモロに浴びてさえ、ダウートは憤怒の顔で耐える!
そして反撃と黒い稲光を迸らせた如意棒を振るう!
「我が神の鉄槌で金輪際吹き飛べ!! 如意金箍棒!!」
横薙ぎ一閃と振るわれるが、ディアルフは「おっとォ!」と胴体を三日月に逸らしてかわす!
空振りされた如意棒は、その余波だけで向こうがドガァァンと噴火した!
「自由ァ“トゥーン”拡大拳ッ!!」
ディアルフは右腕をグワーンと巨大化させて黒く巨大な塊でダウートを殴る!
ドゴォンッ!!
「!!!」
さっきと同じく伝導率一〇〇%で大ダメージを与えたはずが、ダウートは涙を流して憤怒の顔!
「お前までもが……この父さんを裏切るとはァ……!」
「いーや! おめぇが本当の息子を裏切ったからだァ~~!!」
なんとディアルフの右腕が燃えだした!? ゴオオッ!!
必死な顔でダウートの腹へストレートパンチを放つ!
「自由ァ“トゥーン”火拳ッ!!」
ドゴォン!!
「!!!」
ダウートの腹を貫通したかのように、火炎拳が深々と突き刺さり、逆方向の背中からボコンと火炎を吹いたァ!
そして火炎がダウートの全身に燃え上がってしまう!
しかし、ダウートはものともせず、ディアルフの腕を掴む!
「殺すにはァ……心が痛むがなァ……!」
「そんな気持ちを兄貴にも向けてやれよァ~~!!」
ダウートはディアルフの腕を掴んだまま、怒りに任せて如意棒で突き出す!
「天竺まで伸びて打ち貫け!! 如意金箍棒!!」
「なんの自由ァ“トゥーン”回h……!」
「無駄ァ!!」
ドボァ!!
「!!!」
超高速で伸びた如意棒がディアルフの腹を追尾して穿つ! 自由な回避すら許させず、命中ァ!!
たまらず白目で「ガフッ」と吐血!!
しかし、不屈の形相でディアルフは如意棒を掴み、ダウートへギロッと睨む!
「ぬ!?」
「……それでも兄貴を認めてもらう……んだ……! だから戦うァ~~ッ!!」
握り締めた黒光り拳でダウートの頬をドゴォンと殴る!
ついによろめくダウートだが、ディアルフはダメージが大きく「ゴホッ!」と屈み込む!
それでも震える足で雄々しく立つ!
「おれは兄貴が……コンドリオンが好きだァ~~~~~~!!」
うおおおおおおおおおおおおおァ!!
涙を流してディアルフは心底訴えるかのような叫びを上げる!
コンドリオンは「ディアルフ……」と感傷。
「もう……何もかも壊れちまったなァ……、こんな時は全てブッ壊すに限るァ!!」
ド ン!!
「!!!」
それでも頑なな認めようとしないダウートは激怒の形相を崩さない!
涙は相変わらず流し続けているが、殺意は少しも衰えず!




