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232話「如来王篇⑥ 反発ァ!!」

 向こうでドゴンドゴン爆煙が連鎖している!

 その度に大地を振動が駆け抜けているぞ!


 オレとアクトは焦れるままに、呼び止めた維持神(ヴィシュヌ)に苦い顔を見せていた。


「用事ならさっさとしてくれぞ!」

《……この世界では新たな技法がある。それを教えよう》

「自称土星人が言ってたけど、創造術なの?」

《いや》


 ゆらゆら無数の腕を踊らす維持神(ヴィシュヌ)


《ここに来れたお主らも『如来王(ごときおう)』とも呼べる。故に前の世界では不可能だった技法も使えるはずだ》

「技法……?」

《主らの前の世界では『魔法』や『時空間』などがあるだろう? ここでは更に新たな要素が加わる》


 息を呑む……。


《『次元法(アーカーシャ)』だァ!》

 ド  ン!

「!!!」


 いつの間にか、こちらを囲むように複数の維持神(ヴィシュヌ)がいた!?

 更に何十人にも分裂を繰り返し大勢で包囲されたぞ!?




 コンドリオンは息を切らすが決死の形相で、煙幕を巻いて依然と立つダウートを見据える!


「だはははは……! そうかそうかァ! 悪鬼として俺を倒すかァ!?」

「違ェよ!!」


 なんとサマァツが気張って否定ァ!


「サマァツさん……!?」

「呼び捨てでいいっての! ってかディアルフと一緒にオメェと同じ時間を過ごしたかったぞ! それを、このバカ親父がやらかしたんだろ!」

「!! バカ親父だとァ……!!」


 憤るダウートはサマァツを睨む! しかしサマァツもキッと睨み返す!


「もう謝って済む問題じゃねーぞ!! コラァ!」

「同感だな。私も今回ばかりはサマァツと同じ気持ちだ」

「ウェールザァ!!」


 サマァツと肩を並べてウェールザは毅然とした厳しい顔で言い放つ。

 ブラァーザも「やれやれだねェ……」と首を振る。


「俺……コンドリオンの存在知らずにワイワイやって暮らしてた事を後悔してんだぞ!! おまえは俺たちとコンドリオンを繋げる時間を奪ったんだァ!!」

「ああ! しかも今から亡き者にしようとする! 見過ごすワケにはいかん!」

「俺はダウートさんを信じて進んできたんだがねェ……。今失意のドン底なんですよねェ」


 サマァツ、ウェールザ、ブラァーザの突き刺すような視線に、ダウートも微かな戸惑いを覚える。

 チラッとフシュールへ見やる。


「フシュール! おまえは、どっちの味方だァ……?」

「僕は……」

「どっちの味方だァ!」


 ダウートの怒声にフシュールは怯む。震える。


「僕だって……ダウートを信じたい。味方したい」

「あァ!?」

「……ディアルフ亡き今も、なお息子コンドリオンが不要な理由を教えてくれないか?」


 凄むダウートに必死にフシュールは勇気を振り絞る。


「俺の愛する妻を奪った事だと聞き逃したのかァ!?」

「出産には危険を伴う。それが原因ですか?」

「……あァ! それでコンドリオンは命を吸って生まれた悪鬼。むしろ殺さずに生かして置いてやった事に感謝して欲しいわァ!」


 するとフシュールはドン、と顔面に黒十字の紋様を走らせ、オールバックがギザギザに逆立ち、漆黒のコート状の周囲煙幕を纏う!

 それに伴って図鑑『推しの収集(ヨメコレクション)』も大盾レベルに巨大化ァ!

 怒りを漲らせたフシュールも『万覇羅弐(マハーラドゥイッテ)』を発動したァ!!


「何やってんだァ!!」

 ド  ン!

「!!?」


 ダウートも、その豹変に戸惑う。

 フシュールは突然飛び上がって、図鑑『推しの収集(ヨメコレクション)』を振るってダウートの横っ面を張っ叩いたァ!!


 ドゴォン!!

「ぶフォ!!」


 更に図鑑を振り回して激しい乱打をガガガガガッと浴びせて、ダウートも怯む!!


「だったらコンドリオンは、母の形見じゃないかァ~~!!!」


 珍しく激高したフシュールは大きく口を開けて怒号を吠えたァ!

 みぞおちに図鑑をドゴンとめり込ませて、ダウートも「ぐぬ……!」と呻く!


「僕には母がどんな顔してたかも覚えてない! 捨てられていた! 愛情も受けられず、野垂れ死にしそうな所をお前に拾われた!! それなのに!!」

「恩を仇で返すかァ……?」

「母が命を賭して産んでくれた形見を、お前が殺すのかァ~~!!」

 ド  ンッ!!

「!!!」


 ダウートの心へ鋭く突き刺さる言葉!

 出産で死にそうになっている妻はコンドリオンを恨むどころか、むしろ笑ってて「この子を頼むね」と託してくれた。

 それなのに妻が死んだ現実に向き合えないあまり、それが抜け落ちてしまった。

 無邪気に笑う赤子のコンドリオンが、悪鬼のように錯覚(さっかく)すらした。


「天国にいる母が見たらどう思うんだァ~~~~!!」

「!!!!!!!」


 フシュールはポロポロ涙を流し、心の想いを叫ぶ!!

 図鑑を振り下ろしてダウートの頭上をドゴォンと叩く!! 強烈な一撃ァ!!

 サマァツも「やるじゃねーか!!」とガッツポーズ!



「あァ?」


 しかし無情にもダウートは頭上を撫でて平然としてる。

 如意棒を振り上げ、凄まじい威圧で大地が徐々に震え上がっていく。冷徹で傲慢なダウートにその叫びすら届かない。


「愛する妻が奪われた結果は変わらない! だから『天網恢恢(てんもぉかいかい)』で歴史改変を行う!!」

 ド  ォ  ンッ!!

「!!!!」


 変わらずの非道! そんなブレない態度にサマァツたちも絶句!


「『天網恢恢(てんもぉかいかい)』でお前たちのその想いは無くなる! 最初っから俺の妻は生きていて、唯一の息子がディアルフ! コンドリオンなど捨てられて病を抱え死を待つのみ! それが正史!! お前らは何もしなくてもいい!!」


 ウェールザも「外道が……」と怒りを滲ませた。


 周囲に黒い稲妻がバリバリ迸っていく!!

 最大最強の技を繰り出さんとダウートの眼光から稲光が走る!


「大嵐に吹き荒れるほどに舞え!! 如意金箍棒(にょいきんこぼう)!!」


 ダウートは如意棒を振るい、巨体で回転しながら豪快に踊っていく!

 すると旋風が轟音と共に吹き荒れていって、足元の大地を砕いて破片を巻き込んで、天と地を繋ぐ巨大な竜巻が黒い稲妻と共に荒れ狂ったァ!!


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴァ!!!

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