230話「如来王篇④ 創造術ァ!?」
本物のフールニィと対峙したままのクリシュナ。
「それと、この極楽浄土の秘密に気付いた」
「ほう?」
「……オレたちがいた宇宙は、今までそれ単体と思っていた。しかしそうではなかった。実は宇宙そのものが何段階と生まれ変わりながら進化していくようだ」
ド ン!
フールニィはパチパチと拍手し、ニィィと気味悪く笑う。
「ご名答。そうさ。前の宇宙の更に前の旧世界もあった。そして植物は実は前宇宙での生物の成れの果てだとも」
ド ン!
「!!!」
クリシュナは見渡して、その辺の『ウゴゴ木』などの植物化した生物に汗を垂らす。
「最初は単調で小さな宇宙から始まって、少しずつ何段階か生まれ変わり続けながら拡充し進化し続けてきた。前の宇宙が何段階だったか誰も分からんだろうな」
「……観測できようもないからな」
「そうだ。宇宙にいる生物は『新旧の宇宙』を観測できないのは当たり前だろう」
普通、オレたち人間はその宇宙でのみ生きられる。
だから宇宙が始まる前と、宇宙が終わった後の世界は、どうやったって行けもしないし観測もできない。
「例外が修行の果ての『解脱』と、奇跡Aランクの『六道石』だ! だからオレはここでとある創造力を手に入れる為に、ダウート勢力に取り入ったのだ」
「それが真の目的……か!」
フールニィはニィィと不気味に笑みを釣り上げていく。
「ここで創造術『天網恢恢』を得る!」
ド ォ ン!!
「!!!?」
四首領ダウートは、目の前の如来王と対峙していた。
蓮の上であぐらをかく金髪のインド人顔の金ピカ巨人。阿修羅のように顔が三つ巴に向いているが時々増えたり減ったり。腕も四本に揺れている。
頭の背後から神々しい丸い円の輝き。
《創造術『天網恢恢』、それが汝の望みかァ……》
「あァ……。与えてくれぬなら力ずくで奪うまでだァ……」
ダウートは殺気立っていて目が濁っている。
《我が息子であるコンドリオンと向き合うべきですァ……》
「違ァう!! 我が息子はディアルフただ一人ァ!!」
怒気を孕んで叫ぶ。
それでも如来王は動じず、沈黙する。
「お前は『創造神』だろう! 『天網恢恢』を知らぬとは言わせなァいぞ!!」
だが創造神は静かに目を瞑る。そして──……!
《断るァ!!!》
ド ンッ!
「!!!!」
さっきまで静かな物腰だったのに、急に大きく口を開けて叫んだァ~~!!
《『天網恢恢』とは、あまねく全てを網羅し意のままに改変できる究極のチート!! 歴史さえ歪ませてしまう!! 一片たりとも渡すかァ~~~~!!!》
「貴様ァ……!!!」
《さっさと前の宇宙へ帰れァ!!!》
ダウートは如意棒を構え、いきり立って襲いかかろうと屈み込む!
「クソ親父ァ~~~~!! クソ待てェい!!!」
呼び止める声にダウートは振り向くと、なんとコンドリオンがドン!!
意思強い目でダウートを射抜くァ!
ダウートは不機嫌にビキビキ額にシワが寄せられ、血眼でギロッ!
「……今更ァ何しに来たァ!!」
「弟の為に、おまえを止めに来ました!!」
ド ン!!
な、な、なんとォ~~~~!!?
コンドリオンの背後で、サマァツ、ウェールザ、フシュール、ブラァーザが勢揃いしていたのだァ~~!!
「おまえらァ……!?」
サマァツは胸元で拳と掌で合わせてパン!
「マスター待てよ!!」
「話は聞いた。悪いがマスターと言えども人の道を外れるのはいただけない!」
「僕は勢いで……」
「私もディアルフに情はあるんだがねェ……改変してまでやる事はないでしょ」
造反されるとは思わず、ダウートは一瞬言葉を失う。
弱気なコンドリオンに懐柔されるなんて夢にも思わなかった。今まで見下げ果てたヘボ息子と見ていただけに信じられない。
「ディアルフを健康な本当の息子として改変して幸せにする。そして、このバカに病気を移し替えて、更に血の繋がりのない孤児にする。それのどこが悪い?」
「!!!?」
なんと非道な事を言い出すダウートに誰もが耳を疑った。
するとサマァツは一歩右足を踏み出し、怒りの形相を見せた!
「悪いに決まってんだろ!! やっていい事と悪い事、マスターだって分からねェとは言わせねェ!!」
「これには同意だ。考え直して欲しい」
ウェールザも真剣な顔で見据える。
ブラァーザは「後輩の為にお願いしますんで」とクールに訴える。
そんな空気に合わせてフシュールはとりあえず真剣な顔でそれっぽく取り繕う。
「小僧ォ~~~~!!!」
大地が徐々に振動していく。
激怒に漲ったダウートはコンドリオンらを叩き潰そうと凄まじい威圧を開放しているのだ。
対峙する人はビビっちまいたい恐怖だが、それを堪えて気を張り詰める。
「『天網恢恢』さえ得れば、前の宇宙を掌握し、ディアルフの運命さえ変えれる!! 邪魔するなら叩きのめすまでだァァァァ!!!」
ド ンッ!!
「!!!!!!」
天をも衝くほどの怒りの叫び! 嵐のようにゴウッと吹き荒れる!!
それでもコンドリオンたちは怯まないァ!!
「みなさん! 初めての付き合いですが、僕の弟の為に一緒に闘ってください!!」
「おうよ!!」
「うむ!」
「…………!!」(後に退けなくなった)
「そういうワケなんでスミマセンねェ」
コンドリオンに賛同して、サマァツ、ウェールザ、フシュール、ブラァーザも快く協力態勢ァ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴァ!!!
極楽浄土さえ震え上がるほどの互いの威圧のぶつかり合いァ!!
蚊帳の外の創造神は《あの、そーゆーのここでは止めてもらえません?》と汗を垂らしながら訴えるが、誰も聞いてくれなかった……。
《話聞けよァ!!》
「「「うるせェ黙れァ!!」」」
ド ン!!
「!!!」
創造神はキレてみたが、逆ギレで返されたァ!!




