220話「大決戦篇㉛ 自由ァ!」
「「「うおわあああああああああああああァァ!!!」」」
未だ『カレー・マハル』周辺でダウート側の勢力とインド政府側の勢力が激戦を繰り広げている。
全国大会優勝を連覇しているマジンガやソージ&ウミノなどの強豪創作士の奮闘によって、敵勢力の25万人に及ぶ創作士を相手に互角に戦えていたぞ。
明るくなる空の地平線から、太陽がス────……と不気味に速く昇っていく。
雲の群れは川の激流みたいに空を駆け抜けているぞ。
「ムッ!?」
真昼の太陽を見上げてマジンガさえも顔を曇らす。
敵勢力を余裕と蹴散らすダクライは懐中時計を見やる。秒針が扇風機並の速さでブーン、分針はギャルルルルッと高速回転、時針がグルゥ──ッと回っているぞ。
気づけば太陽は地平線へ下降していて、空が橙に滲んでいく。
「もはや一日が一分以下に……? ダウートめ、一体何が狙いやら……」
さすがの経験豊富なダクライも汗を垂らし、先の行方を不安に思う。
日が沈んで、橙色から紫へ、そして真っ暗な夜空へ……。
星々が北極星を中心に回転している。
それをダウートは頂上で『時計塔』の近くで仁王立ちしながら見上げていた。
「これで争いで血にまみれた世界は変わる。ここまで長かったなァ……」
しみじみと感慨にふけっている。
太陽系を回って星間の旅をしていて、常々争いが尽きない残酷な現実を目の辺りにして苦悩した。
例え力による支配で抑え込もうとも、法律を整備しようとも、人間そのものの欲と悪意は止められぬ。
だからこそ決意したのだ。
「我々『人間』は進化せねばならん、今がその時ァ……!」
再び空が白んでくるのを見やって、ニッと不敵に笑う。
インドのブルーシティでのジョドプール!
メへラーンガル城塞を背景に、街の中心となっているクロックタワーとサダルマーケット!
「そこをどいてくださいッ!!」
コンドリオンの体から周囲へ煙幕の渦が吹き荒れる。威圧混じりにシュボボボボボと噴出音のように鳴り響いている。
ボサボサだったの黒髪がやや逆立ち、表情もキッとしている。
すでに『万覇羅』を発動していて、パワーアップ状態だァ~~!
それに対する黒いパンチパーマで大笑いが絶えない四頭身のチビである自由人ディアルフはニッと笑う。
彼もまた『万覇羅』を発動していて、周囲へ煙幕が立ち込め、ドルルルンとエンジン音のようなのを鳴り響かせている。
「やだね~~~~!!」
コンドリオンの象の鼻がマッハで伸び、ディアルフもグルグル腕を回して銃弾がごとくの高速パンチが激突ァ!!
ドゴガァンッ!!
互い歯を食いしばって睨み合いだァ! 後ろへバッと飛んで離れる!
二人とも似たタイプか、瞬間移動のように素早い動きで駆け抜けて乱戦を繰り返しているぞォ~~!!
あちこち飛沫を上げて破片が散って、町は徐々に崩されていく!
「象ァ~~“超速ェ”前足連拳ッ!!」
「自由ァ~~“ターボ”乱打弾ッ!!」
コンドリオンは両腕による太い象の前足で連続パンチを放ち、ディアルフは身体をターボ化する事で超速瞬発力を可能にした連続パンチを放つァ!!
ドガガガガガガガガガガガガガ!!!
互い負けまいと歯を食いしばって乱打の応酬ァ!!
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!
「おおおおおおおおおおおッ!!!」
「あははははははははははァ!!!」
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!
凄まじい乱打の衝突によって、嵐のように吹き荒れる衝撃波が周囲の町を蹂躙ァ!
地面がほじくり返され、建物が粉々に吹き飛び、木々が傾いて葉っぱを散らし、まるで台風のような烈風が吹き荒れたァ!!
それでも両者は互角ッ!! どっちも引けを取らねェ~~!
「「今度はァ~~~~!!」」
コンドリオンの右手が大きな象の頭に変化させた超重量のパンチを放つァ!!
ディアルフもプクーと腕を膨らませて、戦艦の主砲並にドウンッと放つァ!!
「象ァ、“超速ェ”頭突き拳!!!」
「自由ァ、“ターボ”大砲拳ッ!!」
ドゴゴォォォオンッッ!! 激しく激突ァ!!
爆裂が広がり、噴火のように大飛沫を噴き上げて、周囲の崩れかけた建物を残らず粉々に吹き飛ばしたァ!!
まさに近代兵器級の破壊力ァ!
立ち込める煙幕が流れ、真剣な眼差しで睨み合う二人が拳を突き合わせたまま止まっている!
しかも足元が巨大なクレーターに窪んでいた!!
「へっへへへへ! おめぇと友達になれそうだな~~!!」
「ですが、父上のやり方が間違っているからこそ敵対してるでしょう」
突き合っていた拳を離し、共に仁王立ち。
その上空をママチャリの速度くらいで太陽が横断している。雲の群れは高速道路の車みたいにビュンビュン早く通り過ぎていく。だんだんブレていくほどに加速は止まらない。
「でも楽しいなァ~~! じゃあ全力出すっか!」
「え?」
「万覇羅弐!!!」
ド ン!!
ビリビリ威圧が響いてきてコンドリオンは「くっ!」と気圧されまいと踏ん張る。
ディアルフの体が全体的にカレー色に染まり、髪の毛も焦がしたパンチパーマみたいになり、手足が関節見えなくなるぐらいグニョンとした曲線ラインになり、ニヒッとした陽気な顔が二次キャラみてーになり、雷神風神が背中周りに付けているような曲がりくねった天衣を象るカレー流動液がコポコポ沸騰するァ!
「これがおれの“最強モード”アンプレセデンティドゥ・ディアルフだァ~!!」
「!!!!」
ド ン!!
まさに異形ァ……!
あとがき
尾〇先生ゴメンなさい!!




