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199話「大決戦篇⑩ 奇剣ァ!」

 アクトにとって真の友はナッセとリョーコたちであり、目の前にいる馴染みのラジュタなどではない。

 それが笑みに表れている。

 ラジュタにとってはこの上になく不快……。


「また、オーウデーンの時と同じように他へ依存するのか!」

「ダウートに依存してるオメェに言われたかねェわ!」


 昔からの馴染みであり友だと思ってきたアクトに拒否と拒絶されて、もう我慢がならない。

 落胆し、失意に陥ったラジュタは憤怒に心を染めていく。


「殺す……!」

「あァ? 今更ァ」

「友だと思ってきたのに、貴様ァ!」

「そりゃこっちのセリフだァ……。オーウデーン裏切っといて友とかねェだろ」


 もうラジュタはアクトしか見えていない。激情に駆られて憤怒が増していく。


「貴様だけは体と心で通じ合える親友だと信じていたのに……!」

「ホモかよ? キモいわァ」


 ドクンドクン、胎動がラジュタの筋肉隆々の体を走っていく。

 憤怒と殺意を糧に更なる力を捻出して、驚異的なエネルギーを無尽蔵なくらいまで生み出していく。


「もう殺す!! 万覇羅弐(マハーラドゥイッテ)!!!!」

 ド ン!!


 爆ぜて周囲に烈風が吹き荒れ、轟音と共に岩盤が粉々に捲れ上がって流されていく。

 インド人には珍しい金髪が逆立ち、歌舞伎(かぶき)で言う隈取(くまどり)のように目の周りから鼻に及ぶ。

 全身の筋肉が膨れ、筋肉のラインが装甲に見えるように浮き上がり、そのラインに沿って剣と黄色に煌めき、黒く染まった刀の輪郭(りんかく)が更に黄色に輝く。

 腕や胸の中央には雷を模したかのようなヒビ割れの紋様が浮かぶ。

 全身を纏うような湯気も透明な黄色に変わり、激流が凄まじい熱気を放ち噴火のように噴き上げ続けていた。

 ド  ンッ!!

「!!!!」


 これこそがラジュタの万覇羅弐(マハーラドゥイッテ)の全貌!


「そしてお前と同じくして極めた剣の流派を教えてやろう!」

「オーウデーンを騙し討ちした卑怯な剣技をかァ!?」

「黙れ!! 我が『黄雷奇剣流(きらいきけんりゅう)』で貴様の首を貰い受ける!!」


 凄まじい威圧を放ち、なおも衝撃波を周囲に撒き散らすラジュタを相手にアクトは落ち着いて刀で構えたままだ。

 万覇羅弐(マハーラドゥイッテ)を出そうとさえしない。


「そんなに死にたいのか!? なら……」

「そんなんじゃねェよ! テメェに万覇羅弐(マハーラドゥイッテ)なぞもったいねぇってんだァ!」

「なに!?」


 あくまで格落ちの万覇羅(マハーラ)状態で迎え撃つ構えだ。

 見下された、ラジュタはもう激昂の限界の域に達した!


「ならば死ねいッ!! 奇剣流・猛疾飯綱(もうはやいづな)ッ!!」


 稲光を纏いながら大地を爆発させて、ラジュタはアクトへ突進!

 アクトは夜叉(やしゃ)が如き形相で剣を振るい、互いの刀身が交差!


 ガギォォォォオンッ!!


 力負けしたアクトが弾かれ、それでも後ろへ滑りながら着地! その瞬間、後ろに殺意が忍び寄る!

 後ろへ回り込んできた電撃状の飛ぶ斬撃がアクトの後頭部へ!


「奇剣流・不飯綱(ふいづな)!!」

「らしい技だなァ」


 ニッと笑うアクトは首を傾けて、後ろからの斬撃をかわす。

 しかし間合いを詰めていたラジュタがアクトの横へ迫ったァ! そして渾身のひと振りが縦一直線に軌跡を描く!


「奇剣流・正々飯綱(せいせいづな)!!!」


 ラジュタの一太刀は大地を穿ち、一直線の亀裂を走らせて向こうの建物を真っ二つに裂き続けていく!

 ズババババババァン!!

「!!!!」


 既に避けていたアクトへ剣を左右と振るう!


「奇剣流・狭飯綱(せまいづな)!!」


 アクトの左右へ電撃の斬撃が迫る! それすらアクトは(かが)んでかわす!

 かかさず後ろからの不飯綱(ふいづな)による斬撃が襲う! と、同時に真正面の正々飯綱(せいせいづな)による前後挟撃!!

 するとアクトはフッと消えた!?

 そのまま不飯綱(ふいづな)がラジュタのみぞおちを穿(うが)ったァ!!


 バリバリィッ!

「!!?」


 自分の技で吹っ飛ぶラジュタは地面を滑って転がってバゴーンと砂煙を立てた。


「……やっぱなァ」


 呆れるアクトは剣を肩に乗せた。

 ラジュタは震えながら立ち上がる。みぞおちから鮮血が流れて地面に滴り落ちている。冷や汗いっぱいで「そんなはずはない!」と顔に満ちていた。


「ふざけるなァ!! 奇剣流・猛襲囲飯綱(もうしゅうかこいづな)ッ!!」


 なんとキンキンキンキンと大気を斬り裂く素振りを繰り返して、電撃の斬撃を四方八方に飛ばす!

 それらは軌道を変えてアクトを取り囲むように襲いかかるァ!

 しかしアクトは飛び上がって、猛襲飯綱(もうしゅういづな)同士が激突してバリリィン!


「逃すか!! 奇剣流・飛来飯綱(ひらいづな)ァ!!」


 剣を振り上げると、上昇するような電撃の斬撃をアクトに撃つ!


「心剣流・黒蛇道(こくじゃのみち)ァ!!」


 空中のアクトは剣を突き出して、黒い光線を超高速で撃つ!

 それは手前の斬撃を霧散させ、カクカクカクッと幾度なく屈折してラジュタの目をかく乱ァ!


「ぬううん!! 奇剣流・猛襲舞飯綱(もうしゅうまいづな)ァァァァッ!!」


 負けじと複数の斬撃をキンキンキン連発するが、黒い光線は意志を持ったかのように、屈折しながらそれらをことごとく弾いていく!

 まさに飛びかかる蛇のように標的へ迫る! 見開くラジュタ!


 ガギォン!!

「!!!」


 ラジュタの頬を殴り、吹っ飛ばすァ!!

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