194話「大決戦篇⑤ 解脱ァ!?」
あのナッセとヤマミが全力を出して奥義を放ってすら瞬殺されて、オレもヤマミも絶句するしかなかったぞ。
ん? おや? ダブってないですかい?
実際そうなのだ!
────事は決戦前夜に遡るァ!
開戦前に作戦会議という事でオレたちは話し合っていたぞ。
会議室で数人の軍人や創作士、そしてメインとなるオレたち日本メンバー。
そんな折、アクトが提案を出した。
「……囮として出せねェか? ヤマミ?」
「アバターで?」
「あァ……、四首領ダウートばかり物事が上手くいってるからなァ……、綿密に練られた作戦ァ、容易に破れねェよ」
確かに……。
最初っから我々をインドに集め、木星の星獣で『寿・限・無・印・度』やらかすなど、手際が良すぎるぞ。
「そこで、ヤマミの能力で油断ァ誘えばワンチャンと思ってなァ……」
ヤマミは足元に漆黒の花畑を広げ、漆黒の羽を六つ浮かし、頭上に黒薔薇のツボミを生み出す。放射状の閃光が溢れる。
これが闇の妖精王の能力『ブラックローズ・アバター』。
徐々にツボミが開花されて花弁が広げられていく。中からオレとヤマミそっくりのシルエットが立ち上がってくる。
ド ド ン!
「えぇ~~!? そっくりのナッセとヤマミが出てきたァ!?」
「なんてこったァ~~!?」
「スゲェ能力だァ~~~~!!」
「これが妖精王かァ~!?」
うおおおおおおおおお!!?
インド政府軍は驚きながら口々にしていくァ!
「これで戦力二倍って事か?」
マジンガに言われ、アクトは「いいや」と首を振る。
「倍どころか束になったってダウートには絶対勝てないわァ! あくまで囮。恐らく急襲してくる可能性が高いから逆手を取るだけだァ」
「ああ。この『六道石』を狙ってな!」
オレはカレー色の透き通った宝石を見せた。
持っているのはアクト、カレン、リゥテムで合計四個。ダウートは既に二個持っている。
それらを奪う為にダウートが襲ってくる可能性もあるという事で、提案したのだーっ!
「ここまではアクトの目論見通り……かぞ?」
「ええ、そこまで的中されるとアクトも侮れないわね」
やはりアクトの言う通り、ダウートが襲ってきて『六道石』を奪ってきたぞ。
今度はアクト、カレン、リゥテムを狙うだろうと思った。
さすがに彼らの分のアバターは作ってはいない。オレたちのアバターを倒して油断している隙を、結界を張るのが得意な創作士で動きを確実に封じるァ!!
「よし! 結界班、ヤツが来たら『結界』を発動して動きを止めろァ!」
「「「おおおおおァ!!!」」」
『カナーラ・ズシバルァ(僧侶)』
みんなを纏めていたというインド神父。黒ヒゲが濃いハゲおっさん。
結界を張る技術に長けている。
幼女に手を出した為、破戒僧。しばらく独り身だったが、この戦争で呼ばれた。
威力値:1600(万覇羅:3200)
「おお! 一時間なら確実に動きを止めれる!」
『ズットト・メテヤァル(僧侶)』
三百十路の小太りおっさん。結界を開発するベテラン創作士。多くの人を助けてきた。
バスで大を漏らした為、大きな事件に発展。新聞で『大うんこテロ行為許すずまし』と見出しで収録された。
威力値:2600(万覇羅:5200)
「Aプランで成功させるァ! 失敗なきようになァ!」
『ゼッティ・フゥジメェラ(格闘僧)』
筋肉隆々のおっさん。黒ターバンを巻いている。モミアゲから口を覆う黒ヒゲが濃い。
攻撃的な結界で拘束しつつダメージを与えるのが得意。
夜な夜な動物とセッ○スして、インド獣人を9999人出産させてきた。まだバレていない。
威力値:6700(万覇羅:13400)
「我ら四人でダウートさえ止めれればっ!!」
『ジャゥマ・シティヤー(僧侶)』
小柄な爺さん。800年は生きた。障壁を張って攻撃を防ぐのが得意。
もちろん四方に障壁を張ってフタして結界も可能。
一夫多妻のハーレム築いていたが、たった一つの浮気で家族崩壊した。独身ァ。
威力値:3900(万覇羅:7800)
……と思ったらダウートは如意棒を肩に乗せて、フワリと後ろへ飛んで『カレー・マハル』の丸い屋根の上に退いたぞ?
「えぇ? なんでー??」
「こっちのは奪わないのかーァ??」
リョーコもカレンも結界師も戸惑うばかり。
ちょっと計画がズレて出鼻をくじかれた形に!
コンドリオンは「Aプランが……ダメになりましたね」と苦い顔でアクトに振り向く。
「あァ……Bプランだなァ……」
「分かりました……」
コンドリオンは覚悟を決めた。
アクトはあらかじめ予想していたようで、特に戸惑いはなさそうだぞ。
四人の結界師はなんの活躍もせず、出番が終わったァー!
ケリアム「えー!」
ズットト「えー!」
ゼッティ「えー!」
ジャゥマ「えー!」
どが──────ん! (精神ショック擬音)
敵も味方もダウートの動向を見守るしかない。何がしたいのか意図が掴めない。
ナッセたちの『六道石』を奪っただけで、全部揃えたとは言い難い。
ヤツの手元に三つ揃ってるだけ。
「だははははは!! 先ほどで、うぬらの力量も高が知れたァ……! もはや揃ったも同然ァ!」
勝ち誇ったように笑うダウート。
なんか大きなバッグみたいなものを懐から出してきたぞ?
「これは奇跡Dランクの『盗り寄せバッグ』ァ……! これで!」
なんかバッグへゴソゴソ手を突っ込んだぞ?
すると彼が取り出したのは、残り三つの『六道石』だった────!?
アクトたちは懐の『六道石』を確認するべき探るが、無い! 無い!!?
「あの道具で??」
「一体どうやって!?」
「えええ~~!? まさかっ!!?」
アクトは「っち! やっぱかァ……」と、ここまで予想してた?
「だはははは……、これはな、半径五〇〇メートル内にいる持ち主の顔と名前と奪いたいアイテムをイメージに浮かばせてバッグへ手を突っ込めば、望み通りに盗めるのだァ!!」
や、やられた……! オレたちは絶望に包まれるしかない……!
「これで『六道石』は六つ我が手にァ!!!」
ド ンッ!
「!!!!」
何を思ったのかダウートは『盗り寄せバッグ』を自らグシャッと壊してしまったァ!? 逆に奪われない為と、そして六個揃ったからもう用済みという、理由で破壊したようだぞ。
こっちが奪い返して、取り返す手はもう使えない。
「なんだよ! 最初っから無理ゲーだったんじゃないか!?」
「うそ……!」
「ますますどうしようもないじゃん!!」
ダウートの手元には六つの『六道石』が揃い、それらは上へ浮かび出して輝いていく。
それに呼応して『カレー・マハル』の丸い屋根が六分割に分かれて、巨大な時計塔が伸びてきたァ!?
しかし、その時計には数字はない!? 秒針と分針と時針が揃って12時辺りを指している?
「この『時計塔』により、この世界から『解脱』するァ!!」
ド ン!
「!!!?」




