191話「大決戦篇② 決戦前夜ァ!」
勇ましく歩みだした一同は、直接『カレー・マハル』へ乗り込む事はなかった!?
────勢揃いした当日の晩ァ!
「お願いです! 四首領ダウートは巨大な戦闘力を持つ八武衆に加えて、25万人もの軍勢を率いる組織です!」
インド政府の宮殿にて、コンドリオンは高台の上で演説をしていた。
大勢の政府軍が視界いっぱいに広がっていて130万人以上!!
迷彩色のターバンにベストとズボン、ゾウを模した機関銃を片手に整列。敵よりも圧倒的に多いのだが、創作士でない人が多い。
それに引き換えダウートの軍勢は創作士がほとんど。
創作士は一騎当千に値する戦闘力を持つ為、兵器を持ってしても勝つのは困難を極める。
だからこそ四首領ダウートはインド政府など意に介さず、猛威を奮っている状態だ。
「今回の決戦で最後となります! 負ければ地球は第二の木星となって、我々地球人はインド人に変えられて手駒と化します!! 今や対抗しうる戦力はここにいる者のみ!」
どよどよと政府軍に動揺が走る。
そう、各世界はインド人化されて加勢をアテにできなくなっている。既に先手を打たれて圧倒的不利な状況。
演説中のコンドリオンの後ろでオレたちは苦い顔をしていたぞ。
ヤマミに半顔で振り向く。彼女も顔を曇らしている。
正直言って、勝てる公算は低すぎる!
「ダウート一人でも誰も勝てねぇってのに……!」
「ええ。コンドリオン王子も主戦力になってるけど、それでも勝てないわ」
以前に挑んで全滅しかけた事があった。
撤退手段を確保する為にオレとヤマミが我慢して控えていたが、加勢したって結果は変わらなかっただろう。それだけ圧倒的すぎる戦闘力。
昨日今日で差は埋められようがない。
こっちにも四首領と同格の“神速の黒執事”ダクライがいるが、いかんせん老体だからなぁ。
「しょうがないでしょー! このまま放っておいても時間の問題だし」
ため息をつくリョーコの言う通りだ。
今はオレたちが『六道石』を手に入れる為に、ワザとインド全土のみ『寿・限・無・印・度』効果範囲外にしてたけど、今はもう維持する理由がなくなってる。
いつ効果範囲に入れてもおかしくない。
窓を見やると、夜空にミニ木星が浮かんでいる。
実は木星の星獣で、木星化する事で『寿・限・無・印・度』を発動させているのだ。
「ミニ木星を破壊できりゃな……」
「あァ……、それについてはアテがある。後で話す」
アクトがニッと笑う。こんな緊迫した場面では頼もしい。
「大変ですッ!!」
演説中、突然インド軍人が駆けつけてきた!
ザワザワとどよめきが走っていく!
「何事だ!? 今はコンドリオン王子様が──!」
「お偉いさんのバカが滅亡兵器を『カレー・マハル』に撃ち込みやがったぞ────ッ!?」
みんな揃ってナンを手に「ナン……だと…………!?」と驚愕していくァ!
どっかのお偉いさんが焦ってか、勝手に兵器ボタンで発射させたようだ。
それはさながら逆立ちするかのような姿勢でボタンをダダダダダダダと連打していたという!
「インドカレー秒間16連打────────ッ!!」
ロケットのように火を吹いて滅亡兵器ミサイルが空へ連射された。それは音速を超えながら弧を描いて『カレー・マハル』へ殺到するァ!
カレド────────ン!!
「!!!!」
濃縮された曼荼羅華霊粒子を核融合させる事で莫大なエネルギーを引き起こして、瞬間超高熱プラズマによる大爆発を巻き起こす滅亡兵器なのだ────っ!!
それは4000度以上の凶悪な超高熱が衝撃波を伴って広範囲を融解させるほどの波動を広げて、天高くキノコ雲を立ち上らせていったァ────────ッ!!
インドカレー恐るべしッ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………ッ!!!
空震と共に地響きが数百キロ以上に広がっていって、こちらインド政府宮殿をも震わせる!
インドカレー恐るべしッッッ!!!
しかしそれは無意味に終わっていたぞ。
そう『カレー・マハル』を半透明のバリアが煌めいていて、完全に防がれていた。
やはり、障壁機能を備えていたようだ……。
同じ曼荼羅華霊粒子で形成されたカレーバリアはいかなる攻撃をも完全に弾いてしまう。
インドカレー恐るべしッッッッッッッッ!!!
「だははははははァ……! ちっと熱いのは嫌だからなァ!」
悠然とダウートは座したまま大笑い。
例え食らっても4000度の高熱など『カレーをこぼしてアッチッチする』程度の火傷を負うぐらいだァ……!
ド ン!!
例の16連打したインド偉いさんは「ナン……だと……!?」と、ナンを手に愕然したのだった……。
滅亡兵器含め、銃火器類はアテにならない事がよぉく分かったぞ。
インドカレー恐るべしッッッッッッッッッッッッッッ!!!




