184話「六界篇⑳ 地獄道ァ!」
六道輪廻の六界いずれでもない、常にプラーナが流動している狭間空間……。
木星の表面のような大循環気流しかない光景。
その最中で巨大な泡がプヨンプヨン漂っていたぞ。
「さすが竜宮乙姫ねー!」
「うむ! 妙なのに押し流されてどうなるかと思ったが……」
どうやら竜宮乙女に変身したウミノが泡の遮断壁を張り巡らせて、マジンガとソージと一緒に狭間空間に留まる事ができたようだ。でなければ、他の人と同じように六界のいずれかへ転移させられていただろう。
それにウミノの創り出した『泡』はただの泡ではない。
「……咄嗟とはいえ、時空間魔法に部類される『泡舟』を生み出せるとは思ってませんでした」
「さすがウミノですねー! ボクの将来の嫁ですねー!」
「五劫の擦り切れの果てを越えて、永久に愛し続けるわよ……」
頬を赤らめた二人は唇を重ね合って、濃厚に舌を絡ませ続けていったぞ。
桃色ハートの嵐がブワ~ッと吹き荒れていく。
「フハハッ! 時と場所を選んで欲しいがなッ!」
見せつけられながらも、マジンガはおおらかに笑う。
そんな時、カレー色の妙なゾウが虚空を歩いてくるのが見えた。トントンッ!
──それは置いといて六道輪廻の六界の内、かなりの規模で構成される最大最強の地獄。
八つの階層に連なっていて、ここに落ちた極悪人は逃れられないと言われているぞ。
●等活地獄! ネズミとムカデによって骨になるまで食われる責め苦ァ!
●黒縄地獄! 熱い鉄縄に緊縛され、大釜で煮られる責め苦ァ!
●衆合地獄! 硬く重いものでミンチに擦り潰される責め苦ァ!
●叫喚地獄! 溶けた銅を飲み食らわせられ体内を焼かれる責め苦ァ!
●大叫喚地獄! 熱いトゲが体を刺し貫き、あらゆるものをもいでいく責め苦ァ!
●焦熱地獄! 五千億度の超高熱で火だるまにされ続ける責め苦ァ!!
●大焦熱地獄! 二垓度の核融合の海に浸され続ける責め苦ァ!!
●無間地獄!! 一溝種類もの苦痛を一溝倍の感度で無限に味わう責め苦ァ!!
ど んっ!!
その恐るべき地獄へ落ちていくアクトは万覇羅弐になっていて、真っ逆さまで刀を鞘に収めたまま抜刀術の構えのままカッと眼光を煌めかせた。
「黒刀・心剣流居合・地獄門!!!!」
目に見えぬ程の神速で抜刀し、黒刀を振るって等活地獄の大地に超巨大な亀裂を入れたァ!!
バゴォン!!
「!!!!」
な、な、なんとォ~~~~!!? まさに扉を開くが如く、等活地獄ごと断ち割って崩壊させちまったァ~~~~!!!?
そのまま更に下の黒縄地獄へ、破片と共にアクトは落ちていく!!
下方の地獄から必死の抵抗とも呼べる黒い鉄縄が飛んでくるも、アクトの体はそれを跳ね除けてしまう!?
「効かァ~~~~ん!! 黒刀・心剣流居合・地獄門ァ~~!!」
バガゴォォォン!!
「!!!!!」
二発目を放って、黒縄地獄の大地をも崩壊させたァ!!
更に増した物量の破片と共に、衆合地獄へ落ちていくァ!!
その度にアクトは黒刀・心剣流居合・地獄門を連発したァ~~!!!
数々の地獄による責め苦がアクトに次々と炸裂するも、平然とアクトは打ち破り「効か~~ん!!!」と夜叉のような形相で突っ込んでくる!!
これにはさすがの獄卒鬼も恐怖に怯えながら巻き込まれァ!!
バガゴゴゴゴゴゴゴゴォン!!!
「!!!!!」
なんとアクトは一気に破竹の勢いで七つの地獄を木っ端微塵に粉砕ァ!! その際に岩盤の破片が土煙と共にガラガラと最下層にまで崩れ落ちてきたァ!
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!
土石流のように無間地獄のほとんどを覆い尽くし、その上にアクトとコンドリオンが着地したァ!
そんな様に、獄卒鬼は目を飛び出させてビックリ仰天だァ!!
「最下層まで一気に来やがったァ~~~~!!?」
「何なんだァ~~? コイツらはァ~~~~!!!?」
「アイツ、全然効いてねぇのかよっ!!?」
「ウソだろ~~~~!!!?」
「なんで平然としてんだァ~~~~??」
おにあああああああああああああああっ!!!? (絶叫擬音)
アクトは「効かねェ! インド人だから!」とドン!!
獄卒鬼はそろって「そんなのありえるかァ~~!」とツッコミ大合唱!
その背後から巨大な影がのそりと動き出した!
後頭部に扇みたいな大仰の装備、頭上に宝冠、天衣を纏い、左肩には蓮の花が咲いている、黄金の巨人が威圧を漲らせてアクトを見下ろす!
《この征観王アリヤーシャ様が統治する地獄道と知っての狼藉かァ!!》
ド ンッ!!
その征観王の背後にある地獄道の巨大な漆黒凱旋門こと『木星大境門』が聳えているのを、アクトは見据え!
地球を木星に支配されない為に! そして親友の夢を無事に叶えさせる為に!
「あァ……、この地獄道をブッ壊しに来たァ……!」
威風堂々とドン!!
「!!!!」
ちなみにコンドリオンも一緒に降りていたぞ。(ほぼ空気w)




