158話「開幕篇⑦ 木星の星獣ァ!?」
二〇〇九年十一月三十日……。
今朝、オレ、リョーコ、アクトは朝飯のカレーをガツガツ食らってすませたっ!
「腹ァ満腹っ!!」ド ン!
なんかリョーコってカツカレーしか食ってない気がするが、飽きないのかな?
でもアレ美味しいもんね。ちなオレは目玉焼きカレー。
これから四首領ダウートの演説を聞く予定だったが、アクトは道中で足を止めた。
「悪ぃ……、先行ってくれやァ……」
「はぁ!? 悪の親玉が直接出てくるんでしょ? 叩くの今でしょっ!」
するとアクトはカレー色の透き通った宝石を見せて「コレが狙われてる」と言ってきた。オレはそれがなんなのか分からなかったが、重要アイテムってのは分かった。
「なに? この宝石??」
「一欠片だァ……」
「某海賊漫画のタイトル名をかけて、誤魔化すなっての」
アクトは満足そうに笑い、宝石をポケットにしまう。
実はAランク奇跡の『六道石』で、六個集めるとチート級の効力を発揮できるとカンタンに説明を受けた。しかし、どんな効力かは分からない、と言われた。
「オレはリョーコと一緒に行くが、お前はどこに?」
「それは言えねェなァ……。んじゃ」
「え? ち、ちょっと!! 勝手に──」
去ろうとするアクトを呼び止めるリョーコの手を掴んで引き止める。
「今はアクトを信じてくれ」
しかしリョーコは感情的にオレの手を振り払った。バシッ!
「いつもあんたら勝手に事情分かっているんでしょ!? いつも除け者してばかり! いい加減にしてよっ!」
「オレもそこまで詳しくは説明されていないが、気を付けろとは言われた」
「気をつけ……?」
オレは頷き、首元のマフラーで口元を隠す。
「実際、思ったより信頼されている。オレとリョーコで上手くやっていけると踏んだんだろう。詳しい説明は後でされると思うぞ」
「あの親玉が来るんなら、アクトと一緒に挑めば勝てるんじゃないの!?」
「……あのダクライやヤミザキと善戦してるのを見て、か?」
「そうでしょ? 一度は勝ってるんだし!」
オレはため息をついた。
いつになく冷静に物事を考えられる自分がたまらなく不思議だ。
昨夜、諭されたせいかな。
「オレもそう思っていた」
「なら──!」
「アクトに「逆上するな」って言われて、改めて考えた」
「考えたって、何を?」
オレはリョーコと一緒にカレー色の荒野の道を歩きながら話を交わしていく。
こうして集合場所に指定されたインドの宮殿『カレー・マハル』に着いた!
カレー色の大理石で荘厳とした神殿みたいなもので、特徴としては上部に大きなターバンを模す球状の丸屋根。四隅に小さな丸屋根を持つ小楼で囲む建築。
大楼門を挟み広がる庭園にはカレー水路と遊歩道によって宮殿まで連絡されている。
ぞろぞろとフェス参加者が勢揃いで歩いているぞ。
オレとリョーコは息を呑みながら、多くの参加者に紛れている。神殿からただならぬ威圧感を感じる。マイシたちと一緒にヤミザキの屋敷へ襲撃した時を思い出す。
「妙だな……」
「何がよ?」
リョーコは妙に落ち着いたオレを怪訝に見ている。
「『カレー・マハル』……。インドカレー文化の代表的建築で、文化遺産として登録されている。インド観光の目玉的存在とあるが、入場するのには高額。そして本来は要人の住む宮殿などではなく、霊廟。つまり墓。ピラミッドみたいなものだぞ」
「墓っ!!?」
「そんな場所に呼び込むダウートの気が知れんぞ」
オレに言われてか、リョーコは曇った顔を見せた。
周りに本家のタツロウさまとアッキー。ジャキガン学院のマジンガ、ソージ&ウミノ、ジャオウ&スピリア、カイガン。レキセーンモサ学院のオオガ、チササ、カレン。エジプト国王リゥテムと地竜神アース・オブ・カタストロフ。
戦力としては申し分にない。これだけ猛者がいるのだ。いかに四首領ダウートといえど勝機はないんじゃないかと思っちまう。
「全員でかかればボッコボコなんじゃないの!? それでも勝ち目がないって?」
「信じたくはないが……」
オレは伏せ目で首を振る。
確かに、直に戦った事があるからその強さを思い知らされている。
────だが、それでも四首領には……!
するとズンと地震が襲ってきたかのような地響きに、一同は戦慄!
オレもリョーコも身震いする! ぞわっ!
「だはははは!! ようこそ我がインドへ! そしてカレーフェスティバルは大いに楽しめてるかァ!?」
なんと七メートル強の半裸の男が『カレー・マハル』の前に現れたのだ!
褐色肌で毛深い。強面で二つの長く伸びるヒゲ。下顎のヒゲも大きい。そして頭には膨らませたようなターバンを巻いている。下半身は簡易なズボン。腰に三日月のナイフを差す。
ド ン!!(登場擬音)
「あ、あれが!! インドの四首領ダウート!!?」
「うむぞ。インドの“英雄”ダウート。初めて会ったが、これほどとは……!」
威風堂々と巨漢が威圧感を放っている。
大柄なはずのマジンガもオオガも小人に見えるくらい圧倒的威圧と巨体。リゥテムが従えている地竜神アース・オブ・カタストロフはもっとデカいが、それさえ見劣りする錯覚を覚える。
「さっきの話を聞いてて、なんか現実味を帯びてきたわ……」
「ああ! 世界大戦と違って万全の四首領だしな」
しかも肌で感じる威圧には畏怖させられる。
リョーコは真っ青で震えている。
「早速だが、うぬらに大道芸を披露してやらァ! 出でよ!!」
四首領ダウートは両手を左右に広げ、歓迎するポーズを取る。
すると突然背後から、妙な巨人がズゾゾゾと膨らむように召喚されていったぞ!
赤い仮面と青い仮面が半分重なっていて、ギョロリ動く両目と、それぞれに口がある。そして腰に真っ赤な唇の中で目がギョロギョロ動く。腕が二対。奇妙な化け物が高く聳えたぞ!
ド ド ド ン!!(登場擬音)
「紹介しよう! これが木星の星獣『インドラ』だァ!」ド ン!
「!!!!!」
オレは衝撃が走って驚愕してしまったぞ!
ま、まさか! 別の惑星の星獣……、それも木星のっ!?
「つーか唐突すぎるぞっ!!」
あとがき
四首領には二つ名がある。
日本の“総統”ヤミザキ
アメリカの“皇帝”ヘイン
ローマの“教皇”エレサ(未登場)
インドの“英雄”ダウート
懸賞金はなんと40億以上だァ!! ド ン!(存在しない設定w)




