154話「開幕篇③ 奇跡ランクァ!?」
薄暗いカレー色の大広場……。
ボウッと二つの松明から火が吹き上げる。更に次々と他の松明にも火が点いていく。
そして中心部で輪状に並べられた幾千ものロウソクが一斉に火を点す。
するとカレー色の透明度の高い宝石が浮かび上がって反射光を煌めかす。
「だはははははっ! 『六道石』も喜んでおるわ!」
ズン、と七メートル強の半裸の男が上機嫌で現れた。
褐色肌。胸毛、腕毛、と毛深い。強面で二つの長く伸びるヒゲが龍髭を彷彿させる。下顎のヒゲもサンタクロース並だ。そして頭には膨らませたようなターバンを巻いている。下半身は簡易なズボン。腰に三日月のナイフを差す。
ドォン!!(登場擬音)
威風堂々と巨漢が威圧感を放っている。
一般人なら気絶しそうなほどに、恐るべきオーラの流れが全身に揺らめいている。
戦意も見せず垂れ流し状態なのに戦慄させられるほどだ。
「インドの四首領ダウートさま! ついにこの日がやってくるのですね」
他の手下であるインド人がワッホーイと歓喜していた。
「だはは……。まァ……地球の世界征服など我が野望の通過点でしかない……」
「今回の世界征服ですら??」
「それはまたスケールがでかいですな……」
アクトが察した計画など、ダウートにとっては単なる通過点。
彼の野望的な目は更にその先を見据えているようだった。
「報告します! 我がインドカレー式魔導飛行機にて『鍵祈手』が乗っている事を感知しました!」
「おお! かの大魔王をも倒した一因となった少年か!?」
「これならヤツを捕らえさえすれば、願いを────!!」
するとダウートは「黙れ」と言わんばかりに四股を踏み、ズン、と床を激震!!
「あァ……? 話聞いてなかったか? それとも地球暮らしで平和ボケしたかァ?」ドンッ!!
「い、いえ! 滅相もございません!」ビクゥ!
「お怒りだァ!」
「地面も震えるほどの怒号だァ!」
「ですが……! 『運命の鍵』が……!」
しかしダウートは特に気にせず鼻で笑う。
「だははは……、『鍵祈手』など、無限に等しく広がる宇宙に数多散らばる奇跡Aランクの一つでしかない」
最上級のAランクの奇跡が他にも存在していた!?
アリエルの組み込んだ『魔界オンライン』や『通気口ダンジョン』や、ナッセの師匠クッキーの『異世界渡来』『因果組み換え』『全界網羅創造陣』も同様。
ハイファンタジー編での異世界に存在する『星塔システム』や『タイムマジック秘術』もこれに該当するぞ。メタァ!
航行中で暇を持て余しているアクトが同じような話をナッセたちにもしていた。
「『星獣』『大邪神ダークン』はBランクの奇跡。『スーパー聖剣』『三大奥義』『古代決闘』はCランク。『聖剣』『偶像化』『血脈の覚醒者』はDランク。亜空間でアバター化して戦う『仮想対戦』はEランク。基本となる『創作士』は最低のFランク、といった感じだァ……」
「そんな……! まだ世界は広がっているのかぞ……?」
師匠のやってる事や『鍵祈手』が数多ある中の奇跡でしかないと知って、ビックリするしかないぞ。
宇宙ってそんな壮大なのかー。
あとなにげに大邪神ダークンがすげぇランクにいて二度ビックリ。
「壮大な設定に広げちゃっていいの? 収拾つくワケ?」メタァ!
リョーコも呆れてジト目でため息をついていた。
それだけ『空想』は加速しまくってるようだぞ……。
「世界征服が最終目的ってんならマシだがなァ……」
「ええっ!? まだ他にあんのかよ??」
「相手は四首領……。ヤミザキがそうだったように、もっとヤバい事を企んでるかもなァ……?」
アクトがそんな事を推測してて、ビックリするしかない。
割と頭いいんだよな。
あと乗り合わせている人たちも聞き耳を立てていて、驚きの波状が広がっている。
「それから、なんで茶色の宝石を手でクリクリしてんだぞ??」
「ブラウンダイヤモンド?」
「ただの石だ。気にすんなァ……」
ニッと笑うアクトはその宝石を懐にしまう。
リョーコは「なによ! もったいぶってさ!」と頬を膨らます。
四首領ダウートは広場中心で浮いている『六道石』の天辺を撫でる。
するとシュイ────ンと急激に収縮していって、ピンポン玉ぐらいになってしまったぞ。それはダウートの手に収まる。
それはアクトが持っていたものと大きさが一致する。
「奇跡Aランクの六道石を集め、如来王に俺はなる!」ド ン!
ダウートはそれを握り締めて高らかに宣言した。
あとがき
ちなみに六道石(りくドォせき)であって、(りくどうせき)ではないのですw
りくドォ……せき、と発音するみたいw
なんでこんな呼び方になってるのかは分からんw(おい)




