表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
151/410

151話「城路本家の家系伝承技! 下巻・天罰!」

 本家家族の晩飯の(つど)いで、キャッキャッと無垢(むく)に笑う赤ん坊がいた。

 細身の女性が抱っこして「うふふ」と愛でている。タッちゃんはデレーッとしながら赤ん坊を()でたりする。

 タツロウ様もにこやかな微笑みで孫に(いや)されていた。


「後継者は安泰であるな」

「はい」


 なんとタッちゃんは結婚してて、生まれたばかりの息子を持っていたぞ。


「また辰昇武心流たつのぼりぶしんりゅうを伝授させる楽しみができたわい」

「幼い僕と弟に授けた時と同じですね……」

「うむ」


 そう、城路(ジョウジ)本家は幼い頃より『辰昇武心流たつのぼりぶしんりゅう』の伝授が行われる。

 日々の研鑽(けんさん)によって研ぎ澄まされていく家系伝承技は有象無象(うぞうむぞう)の技とは比べもんにならないほどの精度と威力を誇る。

 これは先祖に当たる『城路(ジョウジ)辰衛門(タツエモン)』が過酷な戦国時代で編み出し、長い歴史の間で代々継承し続けなから研鑽(けんさん)されて進化してきた賜物(たまもの)。故に、簡単に真似されるようなものではない。

 故に幼い頃より仕込まなければ、真価を発揮できない。


「仮に分家のナッセが天才としても『辰昇武心流たつのぼりぶしんりゅう』だけは見様見真似すら適わぬ。数十年かければ真似事ぐらいはできようが、威力は高が知れる」

「それは分かります」

「あったりまえだろ! そんなカンタンに取得されてたまるか!」


 オーラと魔法力で練り上げたエーテルを更にすり潰すように練り上げて、鋭く軋むような密度のある質に仕上げて放つ。

 しかも溜める速度、得物に伝える伝導率、極限に研ぎ澄まされた精神力、(タツ)をイメージする造形付加、威力を伝える絶妙なタイミングのコツ、それらが上手く連動してこそのもの。

 それが自然に行われるようになって初めて心髄(しんずい)に達する。


 長い歴史と時間をかけて徹底的に鍛え上げられたので、ホイホイ軽く真似(まね)れるような技じゃないのだ。


「奥義である宝龍天上天下疾駆ほうりゅうてんじょうてんげしっくを始め、龍鳳(りゅうほう)系や宝龍爆砕(ほうりゅうばくさい)系など、我が数々の技はいずれも取得困難な技。だからこそ一子相伝という意味に繋がるのだ」

「心します!」

「はい! 心します!」


 タツロウ様へタッちゃんとアッキーは惜しみない感謝を胸に深々とお辞儀(じぎ)


「とは言え、分家の者が独自で会得(えとく)したが、ニセモノと判決が下されて罰された事があったな……」

「罰ですか?」

「うむ、ご先祖様はいつでも目を光らせておるぞ!」

「……罰って? 何が起こるんだよ?」


 タツロウ様は「うむ。実際に起きた」と頷き、語り始めた────!


「あれは四十年前の事だ」




 とある石川(イシカワ)県の分家である城路(ジョウジ)マリサ(男)がいたと言う。

 本家を(うと)んで、いつかは成り上がろうと不貞(ふてい)に『辰昇武心流たつのぼりぶしんりゅう』の巻物を盗んだ。

 それを読んで会得(えとく)したと彼は豪語した。

 事もあろうか、なんと本家にケンカを売りに来たぞ。


「こんなもの簡単だぜ──っ! 宝龍天上天下疾駆ほうりゅうてんじょうてんげしっくーッ!!」


 大地を爆発させて全力疾走しながら剣の横薙ぎで、タツロウ様の親父に当たるタツゲン様を斬り付けた! ガキィ!!

 しかしタツゲン様は「見切ったり!」と剣で受け止めていた!

 マリサは「何!?」と驚いて見開く。


「形だけでも再現できたのは見事! しかしそのような(まが)い物で、本家の『辰昇武心流たつのぼりぶしんりゅう』を(かた)るとは不届き千万!」


 憤慨したタツゲン様は全身から研磨(けんま)されたエーテルを噴き上げ始めた。

 ギギギギギと(きし)むような響音が広がっていく。

 そしてタツゲン様は左右に腕を伸ばして剣と脇差しを突き出したまま自身でギュルルルッと回転を繰り返し、獰猛に燃え盛る火炎の大渦を広範囲へ広げていく。ゴゴゴゴゴゴゴゴォ!!


辰昇武心流たつのぼりぶしんりゅう火龍巻天翔陣かりゅうまきてんしょうじんッ!!」


 その火炎の渦にマリサは「うわああああああー!!」と巻き込まれていった。

 タツゲン様が剣を振り上げると、火炎の大渦は竜巻となって上空へと噴き上げ、マリサを上空へ押し飛ばしてきりきり舞わせる。

 その時、上空で先祖の城路(ジョウジ)辰衛門(タツエモン)が浮かび上がってきたぞ。


《お(ぬし)はアウト!》


 どこからか飛んできた流れ星がマリサへドゴーンと直撃! 「ぎえー!」



 アッキーはジト目で「それまんまキン〇マンじゃん……」と突っ込む。

「これ! 話は終わっておらんっ!! あと突っ込まないでくれいっ!」

 タツロウ様は(たしな)めた。




 更に黒焦げになった所を、タツゲン様は火炎竜巻を纏いながら飛び上がっていて剣と脇差しを振り下ろし、二刀を交差させてマリサの首元に()めた。ガッキィン!

 そのまま燃え盛る火炎竜巻を纏いながらキリモミ回転で急降下────!


辰昇武心流たつのぼりぶしんりゅう火龍巻地墜陣かりゅうまきちついじん──ッ!!」


 そのままマリサを脳天から地面に叩きつけ、ガガァァァアンッ!!

 強烈に炸裂した影響で大地をも穿ち、波紋状に土砂を巻き上げて衝撃波が荒れ狂った!


 真っ逆さまのマリサは白目で「ゲホ……!」と吐血。




「────と、このように安易(あんい)辰昇武心流たつのぼりぶしんりゅうを繰り出せばニセモノとして断定されて天罰が下る」


 家族のみんなは「ああ……」と驚きに満ちた。

 ()めた時の二刀に意味は? 斬首しちゃわない? と疑問に思った人もいたが黙ったぞ。

 やはり突っ込むのは野暮(やぼ)であるぞ。


「戦いで破られて敗けた結果だったが、そうでなくてもニセモノと判断されれば本家だろうがなんだろうが、繰り出した後に判定されて天罰が下る。しかと心せよ! 我が城路(ジョウジ)本家代々伝わる家系伝承技を真に理解して繰り出す事を!」

「「はい! 心します!!」」


 厳粛(げんしゅく)なタツロウ様に、タッちゃんもアッキーも真剣に応えた。


 そう辰昇武心流たつのぼりぶしんりゅう安易(あんい)に繰り出してはいけないのだぞ……!

あとがき雑談w


 完全に皮肉な回w


 ジャオウになって繰り出してたナッセには天罰はこなかったようですw

 別に技名を変えてたからではないようですw

 もしナッセも幼い頃から伝授されていたら、先祖様と同等かそれ以上に進化していただろうぞw


辰衛門(タツエモン)「くくう~っ! せめてナッセが本家出身だったら……!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ