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146話「闇の交錯⑤ パーセント小出し男!」

 鎧男ヒンケールを即席の技で撃沈させたのは良いが……。


「フハハッ!! 最近のジャオウは面白い!! 是非とも闘りたくなってくるわ!」


 やめて! やめて!

 流石にマジンガと当たったらバレちゃうよ!

 しかし好戦的なマジンガと言えど、この実戦形式の授業は対戦相手を選べない。ランダムで組まれる仕組みだ。

 いっぺんに対戦できるのは十回くらいで、終わるたびに入れ替わっていく形式だ。

 生徒たちは百人とアニマンガー学院のより圧倒的に多く、オレがマジンガと当たる確率はかなり低い。低いだけな。

 生徒全員が対戦を終えれば、二周目として再び対戦が組まれる。


「『刻劉(コクリュウ)ジャオウ』対『金剛(コンゴウ)ウギン』前へ!!」


 虎の皮を腰に巻き、毛皮チョッキを着た半裸の筋肉隆々の男。胸毛や腕毛と毛深い。

 見るからに脳筋……、いや怪力自慢な大男だ。

 しかし、なんで半裸の人多いんだ?


 場所はエアーズロックの上!?


「へっ! 俺様が秋季大会に出ていれば勝ってたんだぜ!!」

「そうかー?? すっげぇな」

「……ん?」


 ついのんきにリアクションしちまった。やべやべ。


「フン……御託はいい!」

「お前、本当にジャオウか?? 朝っぱらから変だぞ?」

「フン!」

「頭でも打ったのか?」

「フン! 知らん」

「オイ! ちゃんと答えろよ!!」

「知るか!」


 脳筋のクセして妙に鋭いな?

 コッソリ具現化した刀を黒いマント(ホント便利)から出す。


「へっ! 今回は俺様にも武器でか? ずいぶん舐められたものだな! そんなもの20%で十分だ!!」


 ウギンは全身からオーラを纏う。ゴゴ……!

「死ね!!」

 尾を引きながら素早くオレへ剛腕を振るってくる! 剣を正眼に──! ハッ!

 咄嗟にバックステップして退いた。


 ズガオツ!!


 ウギンが地面をパンチしただけで、噴火のように破片を吹き上げて穿ったぞ!

 ふぃー! つい流星進撃(メテオラン)なんか撃ったらモロバレだぞ!


「ほう! かわすか! ならば50%だ!!」


 更に全身から倍以上のオーラがギンっと激しく噴き上げていく!

 大気がビリビリと震えるほどの凄まじさ!

 変身前のオレと同じくらいの強さとかマジヤバい! マジで強ぇえ!


 20%で十分はどこいったんだよ? とは言え本気出される前になんとかしないとな!

 ちょいスマンがタツロウ様、技借りっぞ!


「その刀で斬れるものなら斬ってみやがれっ!!」


 血気盛んにウギンは大地を割るほどの疾走で迫る!

 対してオレは「ハア──ッ!!」と見開きながら地を蹴ると大地が爆発。まさに龍が地上スレスレを超速で飛行しているかのような獰猛なエーテルの激流を身に纏いながら疾走している。

 拳を振るうウギンを通り過ぎる際に、音速を超えた一太刀を見舞う!


「50%ビッグバンイn」

「飛翔獄龍閃ッ!!」


 ゴオオオオオオンッッ!!!


 広々と衝撃波が弾け散りまくった。

 さすがのウギンも「ギエ──!!」と木っ端微塵に消し飛んだぞ。


「話にならんな……」


 クールぶって笑んでいるが、内心ドキドキしてるぞ。

 本家のタツロウ様の奥義、丸々再現できて良かった。代々伝わる奥義ってたから難しいかなと思ったがそうでもなかったなぞ。

 まぁ技名違うから、誰も城路(ジョウジ)本家の奥義とは思わないだろう。


「ってか、まさか本家の奥義があんな高火力とは……」




 それを見てマジンガは腕を組みながら「ふむ」と察する。


「ウギンは実力こそ我々と大差ない戦闘力だが、何%と宣言して段階的にパワーを解放する悪い癖でメンバー選考から外れたものだ」

「そーですよねー。最初っから本気出してれば相当強いのにねー」


 ソージはにこやかに同意した。

 側のウミノは目を細める。


「今のは……城路(ジョウジ)本家のみ伝承される家系技……?」←当たり!


 まさかジャオウがその血縁と繋がりがあるのかしら?

 確か城路(ジョウジ)ナッセは家系技は使ってなかったわね。分家だったから?

 そもそも家系技は昔より代々洗練して鍛えこまれた由緒正しき技。一子相伝として本家にのみ伝承されるもの。見様見真似で再現できるものではない。

 ジャオウにこんな稀有(けう)な才能が有るとは思わなかった。


「まさかここまでとはね……」


 家系技を独学で100%再現するなんて、分家ですら不可能のはず。それを関係ない刻劉(コクリュウ)家の者が見事に再現した。

 恐らく他の家系技も再現できるかもしれない……。


「稀代の天才ね」


 ────と半分勘違いしているウミノであった。




「100%まで待てよっ!! こんなんじゃ気が済まねぇっ!!」

「落ち着け! もう終わったんだぞ!」

「ふざけるなっ!!」


 対戦が終わった後、通常空間へ戻った時にウギンがいちゃもんつけ始めてきたぞ。

 猛獣のようにオレに睨みを利かせて「ヴー!」と唸っている。

 全身から激しいオーラを噴き上げ、床を揺るがしていく。他の生徒たちが戸惑っていく。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!


「80%でぶっ殺す!!!」

「止めんかいっ! ってか80%からかよ!? そして誰も止めねーのかぞっ!!」


 マジンガもソージもウミノも平然と高い観戦席から見下ろしている。


「今度こそ思い知らせてやるぜっ!!」


 荒ぶるオーラが激流となって噴き上げるウギン。まるで火山噴火だ。

 地を蹴ると床が爆発して、一瞬にしてオレへ迫って剛腕が振るわれる!

 しかし、ピタリとウギンが止まった!?


「え?」

「なっ!? て、てめ……っ!」


 なんとウギンの全身を鎖が絡め取っている。

 しかもあれほど激しく噴き上げていたオーラも霧散して、ただの半裸の男になっちまった。

 その絡めた鎖を引っ張っている後方の男……。


 金髪で赤く灯る両目の優男。中性っぽいイケメン。なのに怖い雰囲気だ。


「てめぇ! スピリアっ! 邪魔すんな!! ぶっころ……」

「口ごたえするな!」


 なんと縛っている鎖がギギギと肥大化して、大男をキツく締め付けて意識を奪った。

 泡ブクブク吐いてて顔面蒼白。す、すげー!

 あの筋肉隆々の男すら何もできずに気絶させられたのだ。


「あ、ありがとう……」


 スピリアって呼ばれた男はこちらをジロッと見る。


「ルール違反を取り締まっただけだ。助けたワケではない。それにこの男にはウンザリさせられていたからな」


 絡ませたまま大男をフワフワ浮かせながら運んでいったぞ。

 ってか、どこぞの某漫画の鎖野郎みたいだなぞ。

 この学院の生徒たち、どっかで見たキャラが多いな。コスプレいけんじゃねってくらい酷似してる。まぁ、オレの今の体も某漫画の黒龍出すキャラと酷似してるし今更か。


「フン! くだらん茶番だったな……」


 今更カッコつけて去っていく。

 するとスピリアはウギンをブンと放り出し壁に大の字で叩きつけ、オレの背後に迫ってきていた。肩を捕まれ、凄む顔を覗かせてくる。

 赤く灯る両目が怖い! ゾワッとする!


「言葉に気をつけろ……。誰でもいい気分なんだ。今から対戦してやる」

「待て待て待てっ!! 言ったそばからルール違反してんじゃねぇって!」

「だまれ! 逃さん!」


 こうしてものすげぇ短気なスピリアと強制対戦する事になったぞ。

 あとウギンさん壁に張り付けられてて哀愁が漂う……。なんか既視感あるぞ。

 今回のキャラ紹介!


金剛(コンゴウ)ウギン(狂戦士(バーサーカー))』

 虎の皮を腰に巻き、毛皮チョッキを着た半裸の筋肉隆々の男。胸毛や腕毛と毛深い。脳筋。

 粗暴な性格のクセしてオーラは出し惜しみする。そのせいか本気出す前にやられる事が多い。本気出せば相当強いらしい。

特性:

パーセントアップ(キリよく%単位でオーラを出力する)

技スキル:

ビッグバンインパンチ(炸裂(バースト)を付加したパンチ)

ビッグバンアタック(炸裂(バースト)を付加した体当たり)

ビッグバンアッパー(炸裂(バースト)を付加したアッパー)

ビッグバンミサイル(炸裂(バースト)を付加したドロップキック)

 威力値:200000(20%:40000、50%:100000、80%:160000)



 タツロウ様の本家奥義が思った以上に高火力だった。

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