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144話「闇の交錯③ ジャキガン学院!」

 気が進まないが、オレはジャオウのフリしてジャキガン学院行く事にしたぞ。

 ここ東京都だから大阪の学院行くの遠すぎるんだよな。

 一日くらいは我慢するしかないぞ。


 外を出ると眩しい太陽光に驚かされる。

 何故か弟カゲは不機嫌そうに「行くね」と瞬間移動のように一足先に消えた。


 妹ザンコは黒いマントを羽織った上で黒いランドセルを背負う小学生。オレに無愛想な顔を向ける。美人顔なんだが怖い。


「私の後を付いてくるがいい。学院の場所知らんだろう?」

「わざわざすまねぇ」

「気にするな。速くても平気か?」


 なんか言動と裏腹に優しいな。


「ああ。心配ないぞ」

「フン!」


 目の前でブンと残像を残すと、向こうで更に残像を残して、更の更に遠くの屋根の上にいた。

 オレは空中手裏剣によって空を駆け上がって、あっという間に妹ザンコの側へ着く。こちらのスピードに驚いたようで目を丸くした。

「問題ないようだな」

 妹は残像を置いていきながら先へ進み、オレはそれを追いかけていく。


 小学生女子を追いかける成人男性って言うとロリコンに見えるだろうが、実は案外そうでもないらしいぞ。

 逃げる暗殺者を追いかける暗殺者って構図なので、誰も不審な目で見ない。

 速すぎて気付かないってのもあるんだろうけど。


「着いた。兄者が忍んでいる学院だ」

「ああ。分かったぞ。ありがとなー」


 暗雲が渦巻く元で暗黒の城みたいな学院が目立つように建っていたぞ。なんかてっぺん辺りで黒いコウモリがバサバサ飛び交ってる。

 もろ怪しさ満点な学院だぞ。問題ねーんかな?


「……ナッセ。またの邂逅(かいこう)を心待ちにする」

「おう。気を付けろよー」

「フン」


 手を振り合うとザンコは残像を残し、音もなく去っていった。ヒュウウ……!




「よーっす! 非リア童貞クン!」


 陽気な顔でオレの背中を叩いてくる大柄な体躯の坊主……。


「……誰だっけ?」

「ぐおおおお!! こう来るとはぁあぁぁあ!!」


 なんか勝手に悶えてゴロゴロ転がりだしたぞ。

 ……オレ、勝手にジャオウになってるからなぁ。ここの生徒知らんし。


「いつも「殺すぞ!」と殺気立ってたのに、今度は有象無象とスルーする手に出たかぁ!! これは精神ダメージデカい! ぐばばぁ!」

「いや、本当に知らんがな」

「ぐわばっ! 止めのオーバーキルとは!! 残虐極まる返しっ!!」


 血涙流して吐血しまくる坊主……。傍から見て怖い。


「カイガンさん、相変わらずですねー」


 マッシュヘアの優男と無愛想な銀髪のロングのクールな女性がセットで登校してたのを見てハッとした!


「お前はソージとウミノ!! 人の目もはばからずキスしまくる公然ワイセツ魔っ!!」


 突っ込んでいると、瀕死のカイガンに「ジャオウ、お前容赦ないな……」と言われる。

 ソージは「まー、キス見たいなら見せてあげますけどねー」とあっけらかん。ウミノは「もう! 見せちゃう?」とクールながらも赤面。爆発しろ。

 ってか言ってるそばから即キスしてペチョペチョグチグチ朝っぱらからなんてモノを見せやがる!


「ガフォオオオオオ!!」


 カイガンさん、勝手に吹っ飛んで吐血。

 他の知らない生徒たちは「引くわー」と避けて学院へ入っていく。いつものの事らしいな。


「フハハハハハッ!! 朝っぱらから仲がいいな! 諸君おはよう!」


 豪胆に笑う大男。まるで魔王のような出で立ち。

 ボサボサで長めの黒髪、好戦的そうな鋭い眼光、三メートル強の大柄な体格、そして滲み出る圧倒的威圧……。


紫香楽(シガラキ)マジンガ!!」

「おう! ジャオウおはよう!」

「あ、ああ……おはよう」


 なんてデカい人だ……。こんなヤツと秋季大会で戦ってたのが信じられないぞ。


「今日のお前はやけに大人しいな?」

「ふ、フン! 知るか」


 しまった! ナッセだと勘付かれると面倒になる!

 ここは某漫画の邪気眼キャラを演じよう。

 あと、能力でバレるからトイレで『刻印(エンチャント)』を少々いじっておくか。さすがに黒龍は再現できねーから、ちょい城路(ジョウジ)本家の龍技パクろう。許せ。


 さり気なく学院へ入ってトイレにこもって、即席の新『刻印(エンチャント)』を開発。それを右手の甲ではなく、前腕に移動させておいた。



 そして教室へ入ると、いずれも強者と醸し出す雰囲気だぞ。ズズズ……!

 秋季大会では五人で出ていたが、こんなにもいたのか。

 いずれも威力値数万クラスの猛者。さすがは連覇している名門校だぞ。


「フン!」


 オレはクールぶって、適当な席に着いた。


「ほう? まさか堂々とラーシルトの席を奪おうとはな!?」

「え?」


 隣には銀髪で半裸のイケメン。腰にはゴツい(サヤ)を差している。

 そして後から来た緑肌の金髪ツンツンで冷静沈着な男が「おい! そこは俺の席だ!」とゴツい槍を向けてくる。


「す、すま……! いや、相変わらず無愛想なヤツだ」

「なんだと!」

「フッ! 仲良くやれよ」


 とか挑発にも取られかねないギリギリのセリフを吐いて、席を退いた。

 そして仕方なくマジンガの隣に座った。


「おお! 珍しく挑発的だな! かような覇気が見られて嬉しいぞ!」

「知るか」


 ゴメンなさいゴメンなさい!! こんな生意気に言って!

 でもジャオウのキャラ分かんないから適当に言ってるのよ!


「いつもなら後方の隅っこの席に座るのだがな……。そんなにワシと闘りたいかぁ!」


 後方の空いている席をしばし見やって、赤面気味に「し、知るか」と戸惑い気味に言うしかなかった。

 後方隅っこの席に座る習性とか知らんわっ!

 とりあえず残像をブンと残して、後方の隅っこの席へと高速移動した。みんなの視線が痛い。恨むぞジャオウ!

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