140話「闘札回廊編 ~邪悪の終末!」
漆黒のピラミッドがミコトの天竜神のせいで内部倒壊を引き起こして、徐々に平べったくなっていく最中────!
「ここが最上階KA!」
ミコトたちは一番上のフロアへたどり着いていたぞ。
地響きしながら床が傾いている最中、豪勢な部屋の割に誰もいない事に呆然するしかない。
「チッ! 仕方ないNA! とりあえず天竜神に乗って脱出するZE!」
このままでは危ないと思い、天竜神の頭の上へミコトは飛び乗る。ノーヴェンもコマエモンも急いで飛び乗った。
上へ雷玉を放ち天井を破壊して、そこから飛び去る。
ズズズズン、と倒壊し潰れていく漆黒のピラミッドを尻目に空へ昇った。
「もう終わったのかぞ?」
オレは天竜神へ飛んでいって、乗っているミコトたちに聞いてみた。
するとズズッと凄まじい闇の威圧が押し潰してくるのを感じた。
なんとミカちゃんが不敵な笑みで、こちらまで浮いていたぞ。ただならぬ気配にオレは太陽の剣で構える。
滲み出てくる邪悪な波動は小学生の女子が放てるものではない。ズズズ……!
「貴様は一体何者なんDA!?」
「クク……! 今となっては下っ端と偽る必要はない。我こそ暗黒大神官ミカゴレオであるぞ!」
小学生女子に似合わぬ不気味に歪んだ笑み、そして野太い声。
するとミカゴレオは周囲の【豆腐】を10個生け贄に捧げ、自身の身体を震わせていく。
「えじぷああああああ……!!」(気合入れてる)
力むようにミカゴレオは踏ん張り、ドンと胴体が伸びて男の筋肉質に膨れた!
そんな異質な変貌にオレもミコトたちも驚いてしまう。
更にドンと両腕が伸びて筋肉隆々に膨れ、次はドンと両足が伸びて筋肉隆々に膨れ、呻いている顔がドンと縦長に伸びてゴツいオッサン形状に変化した!
なんと筋肉隆々の長身大男となったのだ! シュウウ……!
「はああ……、美しいロリが好きで自身の体を変えておったのだがな……」
オレはジト目で「おい! 夢をぶち壊しやがったな!」と文句言う。
ミカゴレオは邪悪な笑みで「知るかバカめ!」と開き直りやがったぞ。ぐぬぬ、許さん!
「もはやこれまで! だいぶ時間稼ぎしたおかげで大邪神の封印は解かれたようだ! フハハハハハッ!!」
ドドドドドドドド!!
なんと潰れたはずの漆黒のピラミッドの残骸から邪悪なドス黒い旋風が吹き荒れている。
とてつもない威圧感が膨れていく……。
オレは息を飲んで、懐から一枚のカードをゴソゴソ取り出す。
「出でよ!! 【大邪神ダークン】!!」
暗黒大神官ミカゴレオが両腕を振り上げて高らかに召喚宣言!
それに応じて漆黒のピラミッドの残骸を吹き飛ばして、天空へ届くかと思うほどの漆黒の巨体が膨れ上がっていく!!
赤く輝く両目がキラーンと煌き、白い牙を剥き出しにした口!
そして股からニューッとコブラ蛇が「ガアアアア!」と吠える!(卑猥)
「こっ、これは……っ!!」
「三〇万年前に封印されし大邪神KA! 一度召喚された時、地球をも揺るがして天地ひっくり返るほどの破壊が行われたと聞くZE!」
「むうっ……! こ、これほどとはっ…………!」
【大邪神ダークン】
闇属性・邪神族・レベル100・決闘力:1000000
能力:このカードは破壊されない。このカードの攻撃でどんなモンスターも破壊する。
解説:三〇万年前で世界をも恐怖させた破壊の大邪神。召喚したが最後。世界を終末へ導きし最凶最悪の破壊神。天を裂いて星をも砕き、地を裂いて地球をも砕く。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!
エジプトのみならず、周辺の国も巻き込んで震撼が席巻したぞ!
誰もが恐怖に引き攣り、体が竦み、絶望で心が沈む!
逃げ惑っていって混乱が巻き起こっていく!
「この瞬間、このカードを発動する!!」
オレはすかさずカードをかざして宣言! カードが輝く!
ミカゴレオは「クク……、何を今更! どう足掻いても無駄だァ!!」と勝ち誇る。
すると、大邪神が大穴へズボッと吸い込まれていった…………。
「…………は?」
ノーヴェン、ミコト、コマエモンのみならず、ミカゴレオすらも呆然……。
さっきまでの戦慄を覚えるほどの邪悪な事象がウソのように静かになってしまって、一瞬何が起きたのか誰も理解できないでいた。
逆にオレはふうと息をつく。
「良かったぞ。本当に闘札王のカードもリアルで発動できるんだな」
「きっ……貴様……! な、何をしたっ!!」
ミカゴレオは歯軋りして、オレを睨んできたぞ。
「ジャジャーン!」
【奈落の嘆き穴】
対抗カード
能力:攻撃力15000以上のモンスターがフィールドに召喚・特殊召喚された場合に発動できる。そのモンスターを除外する。
解説:奈落からの嘆き声が聞こえる……。
ミカゴレオはドクンと動揺をあらわにして鼻水を垂らして「じょっ……除外……!」と声を震わせていく。
「ああ。破壊に耐性あるみてーだが、除外には無防備だったなぞ」
オレはへへん、とカードを見せびらかし。それに呆気に取られるミコトとコマエモン。
黒マントたちはヘナヘナと戦意喪失してへたりこんでいった。
浮いていたミカゴレオは呆然自失のまま砂漠へゆっくり降り立って、両膝をついて絶望した。要となる大邪神が除外された以上、何もできないからだ。
ノーヴェンはジト目で呆れる。
「ミもフタもない決着で、なんか納得できまセーン……」
──────こうして三〇万年前から続いてきた邪悪な因縁は終わりを告げた。
この件に関わっていた黒マントたちは全員捕縛されて、牢獄へ幽閉されてトホホとションボリしたのだった。
ミカゴレオに至っては呆然自失したままで「嘘だ……嘘だ……」と上の空で呟き続けているようだった。よっぽどショックだったんだろうな。
せっかくの大邪神が消滅しちまったからなぁ。無理もねぇ……。
オレたちはエジプト王国のリゥテム王に呼ばれて、労ってもらった。
「なんか納得いかないが、エジプトの平和が守られたのは変わりがないZE! ありがとうだZE!」
その後、宴会とか色々やってワイワイガヤガヤ楽しんだぞ。
黒髪オカッパの可愛らしい褐色娘たちが踊っているのも目の保養になったし、花冠をかぶせてもらったぞ。そして頬にチュッとしてもらえたー。
「見た目は中学生みたいなもんですからネ……。モテモテデース」
「おねショタは至高でござるな」
「どんどん酔うZE! どんどん盛るZE! どんどん決闘するZE!」
その深夜、ノーヴェンとミコトは褐色美女とベッド上で何回戦も情熱的な決闘を堪能してたらしい。(絶倫すぎんだろ……)
オレは疲れて寝落ちしたから、翌日コマエモンから聞いたぞ。
しかもノーヴェンは四人目の婚約者として持ち帰りだぞ。裏山けしからん。
こっちはほっぺにキスだけだったのに……。
その二日後に魔導飛行機で日本へ帰っていった。
アバターであるオレはヤマミに解除されて、記憶や経験がオリジナルへ還ったぞ。しかしアバターを通してヤマミに記憶を見られてたぞ……。
「ロリが好きだったんですってね……? そして……宴会で何してたの?」
「う……、いや……待って待って!」
不敵な笑みで迫ってくるヤマミに、冷や汗タラタラ……。
「うぎゃー!」
~闘札回廊編・完~
あとがき
豆腐は決闘する以外に、味噌汁とかイケますw




