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135話「闘札回廊編 ~ライバル決闘」

 リゥテムは魔導飛行船の中の王座に腰掛けて一息。ふう……。

 実は彼にも秘密があったのだぞ。ズズ……!


「エト……。ヤツもここに来ているようだNA!」


 目をそっと閉じると、胸元のなんか三角のペンダントがひとりでに輝きだしたぞ。




 ドドドドドドドドドドドドドドドド!!


 此武(シタケ)エト。茶髪のマッシュへアに白いロングコートを羽織る背の高い男。ミコトと因縁がありそうな新キャラだぞ。

 内気なミコトと強気で目線の上っぽく見下ろすエト!

 その間で臨場烈風が渦巻いて吹き荒れた! まるで決闘(デュエル)でもしそうな雰囲気を醸し出しているぞ!


「それならばオレが相手するZE!!」ドン!


 なんとミコトの性格が攻撃的に先鋭化されたぞ。

 まるで別人になったかのような人格変化だぞ。ミコトの家系能力かな?


「フフ……! 来たな! 貴様に何度も負けた煮え湯を、今回は返してやるぞ!!」

「やってみRO!」ドン!

「エジプトに来たついでだ──! 現代の決闘(デュエル)ルールでも構わんが、今回は古代エジプトをリスペクトするべき元祖ルールでやらないか?」

「ああ! 受けて立つZE!」ドン!


 コマエモンが「古代ルール?」とノーヴェンに聞く。


「エエ……。闘札王(トウフダオウ)としてルールが整うまでは古来より続けられた元祖ルールがあったのデス」

「それはどんな?」

「見てれば分かりマス! ミーもユーも古代の偉大さに感銘(かんめい)を受ける事でショウ」


 オレも何なのか分からないけど、見れば分かるみてーだ。

 まさかモンスターが刻まれた石版で戦ったり、召喚コストいらずで即召喚したり、スタ○ドみてーに自分の中の魔物を召喚したりとかかな?


「「古代決闘(コッダディユエ)!!」」


 なんとディスクを使わず、眼前に五枚の石版を具現化した!? やはりか!


「俺のターンから行くぞ!!」


 椎茸(シイタケ)社長のターンか。

 なんの裁定か分からんけど、気付いたら先攻後攻決まってた。


「この場に【ドゥフ】を四個出す!!」


 なんと石版が一枚消えたと思ったら、場に豆腐(とうふ)が四つ具現化された!?

 腕を組んだノーヴェンが「豆腐(とうふ)は古代エジプト語でドゥフと言うのデス」とマジ顔で解説してくれたぞ。そーなの??

 コマエモンも怪訝な顔してる。


「さすがだNA! いきなり【ドゥフ】を四個とはNA!」

「フフフ……! 出し惜しみはせんぞ」


 なんかミコト汗を掻いてるみてーだから、そんな凄い事なのか?


「オレのターン! ドロー!」


 ミコトは右手を振るうと、側にあったなんかデカいデッキから一枚の石版が五枚の石版に加わる。

 いつの間にか石版のデッキが両者の側に置かれている。


「こっちは【祝福されし大豆】で園芸するZE!!」


 なんと一枚のカードを消して、ミコトは大豆をばらまく。するとニューニュー芽が出てきてたちまち緑生い茂ったぞ。


「更に【闇の収穫】を発動するZE!! コンボ!」

「その発動に対してインスタント【深淵なる使者 イナゴの群集】を発動だ!!」

「なんだと!!」ドクン!


 ミコトが二枚目のカードを発動した時に、エトが手札から一枚の石版を発動したぞ。

 イナゴの群集が貪りにかかる。ブーン!


「ワハハハハハハハ!! そう来ると読んでいたぞッ!!」


 勝ち誇るエト。しかしミコトは「フ……、それはどうかNA?」とキメ顔で返す。


「この瞬間──、手札からインスタントで【インド象のバキューム】を発動だZE!」


 なんと象の頭だけが出てきて鼻がブオーとイナゴの群集を吸い込んでしまったぞ。

 エトは「く……!」と悔しがる。

 ほどなく【闇の収穫】の効果は成立して、ミコトの眼前の畑は全て消えたぞ。そして代わりに【ドゥフ】が十個並んだぞ!


「ノーヴェン殿?」

「まさか……【祝福されし大豆】をばらまく事で【闇の収穫】により、【ドゥフ】を大量に生成する速攻手段を使うとは……!」


 状況が分からないコマエモンは再びノーヴェンに聞いていた。オレも分からんけど、ノーヴェンは知ってるみてーだなぞ。


「【ドゥフ】を六枚生け贄に捧げー!」


 六個の豆腐(とうふ)それぞれに渦が包んで、掻き消えてしまう。


「来い!! 【大いなるキングダムターバン】!!」


 なんとミコトの頭を巨大なターバンが具現化された!! ドン!

 エトも「いきなりソレを!?」と大仰に驚いている。


「そう来るとは! こっちも【天使の豆乳】を飲む!!」


 なんか手札一枚を消耗してエトが豆乳を飲み始めたぞ。ゴクゴクゴク一気飲み。


「そうする事で少ない【ドゥフ】を生け贄に捧げて【灼熱の極皇ラーメン】を二杯召喚できたぞ!!」

「なんだTO!! 10kgラーメンを二杯もKA!?」

「フフ……、序盤から大判振る舞い合戦。こちらも容赦せんぞ!!」


 とか言いながら、10kgもある大量ラーメンを(すす)り始めたぞ!

 胃もたれしねぇかな……?


「ちいっ!! 食べきられる前になんとかしないとヤバいZE!!」

「フフフ……」ズルッズルズルズルズゾゾゾゾゾゾゾゾ!

「そのラーメンを食べきる前に【大いなるキングダムターバン】の効果を発動して、この場に【アールズワイド大理石の温泉】を生成するZE!!」


 なんとミコトの前に大理石の立派な銭湯が具現化! ドォ──ン!

 ミコトは全裸になり、湯に浸かる!


「ぐ……! その【アールズワイド大理石の銭湯】に浸かると、(アール)ポイントが六〇〇〇も増加する!」

「ああ、これでアドバンテージは頂いたZE!」


 マジ顔で戦慄していて悪いけど、どういう状況なの?

 なんか専門用語とか出てきてイミフなんだが?

 ノーヴェンは息を飲んで「いきなり高レベルの攻防……、さすがデス」とか言っちゃってる。


「ナッセ殿! お聞き申すが、この状況……」

「いや、オレも分からん」

「そうか。拙者だけ分からぬものと思っていたが、お主もそうであって安心したでござる」


 まんまるに太ったエトがモップを振るい、全裸のミコトがペットボトル二本を手に駆け出す!

 両者とも全身全霊のバトルに臨むぞ!


「「ウオオオオオオオオオ!!!」」


 ガッ!!


 なんか刹那の閃光が弾けた後、エトとミコトが背中を向け合ってしゃがみこんだままだぞ。


「これでお前は一七点もの(ギガ)ポイントを失ったNA!」

「く……! だが、この激突によりオレは【天界の極楽素麺(ごくらくそうめん)】を二年分手に入れたぞ!」

「ただでは起きないとは、エト! 貴様はオレが認めたライバルだZE!」

「貴様もな!」


 外野であるオレは「なるほど分からん」と言わさざるを得ない。

 その後も意味不明な古代バトルが繰り広げられ、ますます謎が増していったのであった……。

 ようやく決着は付いたが引き分けみてーだ。

 ノーヴェンが解説してくれなけりゃ分かんなかったな。いや半分以上分からんが。


 緩やかな旋風が吹き荒れ、ミコトとエトは不敵に含み笑いする。フフ……。


「決着は次に持ち越しか……」

「ああ。オレたちの魂が(クロス)っている限り」

決闘の運命デュエル・ディスティニーは常に渦巻いている!」

 ド  ン!!


 決めゼリフを二人で繋げちゃった。ホント息合うよな。

 カッコつけたままエトは吹き荒れる烈風と共に去っていった……。ゴオオ!

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