115話「新・無頼漢!!① チーム結成~~!」
二〇〇九年十一月十九日、仮想対戦・明治魔導聖域が終わった当日!
オカマサとドラゴリラは日本橋の『アンマールスカフェ』喫茶店でぶてぶてしく待ち合わせをしていた。
今月の十五日にアニマンガー学院の助っ人として参戦しようとしたが、スタッフに門前払いされてすごすごと大阪へ帰ってたのだ。
そういう(都合の悪い)事は忘れ、しばし暇を持て余していた。
「よう。待たせたかね」「ちゅふふふふ!」
ようやく呼んだ中の二人が来た。
寝不足のような陰険な顔、少々ボサボサの黒髪。ニッと笑ってみせた真っ黒な歯は短く欠けている。歯医者が怖くて虫歯を放置したが故にそうなったらしい。
もう一人は太り気味でパイナップルのような顔面と髪型で、眠たそうな目が特徴の男。
……一見すれば、どこにでもいそうなパッとしない二人組の男だ。
「中立男の得露主テンチュ、そしてその親友の倶埒ボホモ……」
「親友も呼んだんやね」
「ああ」
テンチュはドカッと壁際のソファーに腰掛けてタバコを吸い始める。ボホモはカバンから同人誌をテーブルに出して「どうぞ」とニッコリ。
「後はお義兄さんかな」(ドラゴリラと既婚気分)
「せやな! あ、兄貴来たわ~」
やってきたのは二メートルの大柄な男。タレ目で三枚目。服はチェック柄で見た目はオタクっぽい。
なんとこの人は馬淵ドラゴリラの兄貴だ。
実は『45話「劇場版インドラの野望②」』にも出ていたエレーシャも同じ兄貴なのだが、あくまで次男。そして今来た男こそ、長男の馬淵ナウォキなのだ。
「あ、そうそうウェハー信教新聞読む?」
「「「要らんわっ!!」」」
好青年風に笑いながら丸めた新聞を出すが、揃って拒否される。
実はナウォキはカルト信教であるウェハー教の熱心な信者。今やただの規模の大きいトレーニングセンター化しているのを憂いているとか。
新聞で得点を稼ぐシステムも、今や形骸化。なのでその名残り。
「ナウォキさんも相変わらずでなによりです」
「うん! オカマサ、要件はなんですかな……?」
ナウォキもソファーに腰掛けてニッコニコ。
コホンと咳払いし、オカマサは真剣な表情へ切り替えた。歴戦の雰囲気を醸し出す。
「単刀直入で言おう……。俺はもっと強くなりたい。一応プロ漫画家を目指しているが、修練に励みたい為『洞窟』を潜ろうと思っている」
本当は転校した学院からも退学させられていたのは敢えて言わなかった。
それに────……!
「せや! 先月、ワイら家賃払えなくなってたんや……。やから異世界へ移転して新しい暮らしをしたいやねん」
「それが本音だね。あい分かった」
「うっ! 本音と言わないでくれ……」「せやぁ……」
……そう、彼らはそんな理由で『洞窟』を潜って異世界へ行こうと従来メンバーを呼んだのだった。
ナッセたちが異世界へ行けたという話はオカマサたちも周知。
なので彼らに倣って異世界転移しようという事であった。
「とは言え、この冒険には危険が付きまとう。強制はしない」
「せや……。でもワイら二人だけだと心許ないんや」
テンチュは疲れた顔でタバコの煙を吐いた。プパ──……!
「僕かて理解のない両親に色々言われつつも我慢していたがね。あと“こどおじ”言われるの嫌かて自立したいから、ちょうどいいかな」
そしてナウォキも「今の信教がただのトレーニングセンターになってるから愛想つかしてた所だね」とため息。
ボホモは「僕チン暇だから面白そうと思って」とヘラヘラ笑う。
この五人はワケありの漢どもだ。
「フッ! みんなありがとう……!」
博水オカマサ、馬淵ドラゴリラ、馬淵ナウォキ、得露主テンチュ、偈埒ボホモが手を組み合って、ガッシィィン!!
「この話乗った~~!! 今ここで『新・無頼漢』結成決定~~~~っ!!!」
その後、デパートなどで前準備を済ませていった。そしてその翌日!
女など要らぬ!
そう言わんばかりのワケあり漢臭いメンバーは胸を張ってズンズン歩んでいく。
そして気合を漲らせてオカマサたちは燃えるようなオーラを立ち上らせた!
「さぁ燃えていこうぜっ!!!」「せやああっ!!」
とある高架橋の亀裂の闇へと潜っていった……。




