107話「全国大会 ~超激戦だぞ!③」
しょっぱなから三大奥義を食らわし、先制して逃げ損なったカイガンとウミノを撃破!
しかし何事もなかったかのように現れたカイガンを、ヤマミの放った黒い小人によって黒炎で焼き払った!
だが、何故かヤマミの後ろへカイガンがスッと現れた!
火傷すらなく無傷の姿!?
「残像!? 猛スピードで移動を──……?」
「ヤマミッ!」
「それより厄介ですよ? この三つ目……『転生眼』は例え死しても無事な姿に復活できる能力なのです。突起は全部で十本。さっきので四本消失、今ので一本。あと五本、つまり五回殺さねば勝利は不可能です」
ツープラトン奥義『無限なる回転』、ソーラーデストロイ、爆裂波動砲を立て続けにくらって確実に四回死んでいた。しかし三つ目の眼力によって転生する事で復活を果たしたのだ。
回数制限はあるものの、何度殺しても復活してくる能力は厄介だぞ。
しかしペラペラ説明しすぎっ!
カイガンは両手を向けると、その掌に目がカッと見開いた!?
虹彩は橙色に滲んでいて瞳孔は真っ白!? 奇妙な眼だ!?
「これだけだと思うなかれ! 『煌穿眼』開眼ッ!!」
なんと両手の目から光線が放たれた!?
ヤマミは「盾!!」と丸い盾を具現化して、その一条をカイガンへ跳ね返した!
「なにっ!?」
ビックリするカイガンに被弾してドガンッと爆散! ぎえー!
もう一つの光線が通り過ぎて向こうの高層ビルを爆撃して粉々に砕く!
再び転生したカイガンが離れた位置で出現! あと四回!
「ほう! 跳ね返す盾か! ならば! 『刻縛眼』開眼ッ!!」
なんとカイガンは着物を広げて胸元をあらわにし、みぞおちの大きな眼がクワッと見開く!
輪状レーザーをパワワワと放ち、ヤマミはサッとかわす!
通り過ぎたソレは、さっきの光線で砕かれて破片を散らしているビルを透過していった。するとピタリと静止! 飛び散っていた大小の破片がそのまま空中で止まってる! まるで時が止まったかのようだ!
「はぁはぁはぁっ! くそ! 初見なのに、かわしやがった! 触れれば一〇秒間『時を止める』眼力を! はぁはぁはぁっ! 今ので魔法力を半分以上消耗してしまったか! ならば足裏の────」
「ええ加減にしろだーっ!」
天狗となったナイスバディのチササが竹槍を振るってカイガンの頭を砕く! ボンッ! あと三回!
ヤマミから「それより自分の心配ッ!!」って言われてハッとする!
背後から殺気漲る剣閃、オレは振り向いて見切って太陽の剣でガキィィンと受け止めた! 途端に衝突で大気が爆ぜて地響き!
交差するは灰色の縁をかぶった漆黒の剣! なんと相手はソージだった!
ギリギリ鍔迫り合いしていると、ガキンと互い間合いを離れて飛び退く!
その惰性で着地してなお床をザザザザッと滑りながら次第に止まっていく! 足元を煙幕が漂う! オレはソージと真剣に睨み合う!
「……初めて会った時の印象とはまるで違いますねー。ハナっから殺意満々で殺しにかかるとはねー」
「残念だぞ。最初のヤツで仕留めれれば良かったんだがな」
「へぇー、甘ちゃんと思うのはヤメにしますねー」
ソージの飄々とした口調は相変わらずだが、敵として睨んでくる顔は殺気ビンビンだぞ。
やっぱ結局全滅とはいかず、五人とも揃って無事か……。優勝校だけあって一筋縄で行かないなぞ。
「ヤマミ……! 貴方は邪魔! 永久に出てこれないよう片付けるわ!」
一人から左右へ何人も分裂していくウミノを前に、ヤマミは巨像の『偶像化』で身を包んでいく。ゴゴゴ!
巨大な杖の先っぽから刃を生やして、豪快な横薙ぎでウミノたちを後方の瓦礫もろとも、まとめて斬り裂いた! 地響きと共に飛沫が地面を走る!
しかし包囲するように、あちこち複数に分裂していた!?
「無駄無駄! この『寿限無』は絶対不破のスキルよ……」
数十人ものウミノは一斉に体術による波状攻撃を仕掛けてドドドドドッと『偶像化』を弾き飛ばしていく! 見た目の細身に合わず、繰り出される鋭い拳や蹴りは想像以上に重い!
ヤマミは吹っ飛ばされる『偶像化』と共に後方へすざっていく。
「ぐっ! その分裂能力で、先制の奥義を逃れたってワケね!」
「ソージが集中できるよう、貴方は私が地獄の果てまでに突き落とします! ナッセと共に堕ちるがいい!」
「貴方こそ……、私たちの邪魔! 公然キス魔は失せなさい!!」
ウミノとヤマミはカッと火花を散らし、激情をあらわにした!
それぞれ愛しい彼氏の為に女は戦う!!
包囲する数十人ものウミノと、巨像の『偶像化』を纏うヤマミの激戦が始まり、その余波だけで周囲を衝撃波が荒れ狂っていく! ドッ!
それは背の低くなったビルを瓦礫もろとも巻き込んで粉々に吹き飛ばしていった!
先制の爆撃で崩された瓦礫の上で、ジャオウとマイシが風に吹かれながら対峙。
「やるようだが、貴様はあたしが潰すし」
「フン!」
途端にマイシは全身を燃え盛る火竜のフォースを噴き上げ「かああああああああ!!!」と大地揺るがす気合いを吠えた! 足元の瓦礫が崩れていきながら、周囲に烈風が煙幕を吹き散らす!
血気盛んな息吹に、ジャオウはギッと真剣な顔を見せた!
「邪凶滅殺拳! 獄炎・二十頭黒龍装威!!」
上へ向かって黒龍をな、な、なんと二〇匹も放射────!
それらは上空で「ギャオーン!」と吠えながら群れで翔け回っていると、ジャオウへと下降していく!
ドドドドドドドドドドドドッと一つの身に二十匹もの黒龍が吸収された!!
「コオオオオオオオオッ!!」
爆発的に威圧が膨れ、ジャオウの全身からバチバチ弾けるようなエーテルを噴き上げ、更に黒炎の余波が周囲を舞う!
更の更に! 全身から無数の目がギョロッと見開かれ、額にも第三の目が開眼! カッ!
それをカイガンが「それ全部、私がやろうとしてたんですがっ!」と能力かぶってる事をツッコミ出す!
「久々に全身邪気眼モード&二十頭黒龍装威で試すとするか……!」フッ!
と、カイガンをスルーしてマイシへ好戦的に笑む。
全てを震わすほどの二人の威圧とフォースが最高潮に高まっていき、地を蹴って激突!!
ズガオッ!!
マイシの剣とジャオウの拳が激突!! 周囲の岩盤が捲れ上がってタイルとか瓦礫とか舞い上がって、烈風吹き飛ばされていった!
刹那の間に数百撃もの剣戟の嵐が上空であちこち展開されていった!
ズガガガッガガガガッガガガッガッガガガガガ!!
カイガンは「スルーですかい……」とジト目。
度々振動を繰り返す大地、大男のマジンガと小柄なカレンが対峙!
カレンは大きな超重量級のハンマーを両手で軽々と振り、烈風が吹き荒ぶ! マジンガの髪が煽られる!
「……夏以来だな! だが!」
「ここらで決着つけとこーァ!」
「応ッ!」
マジンガは大剣をスラリと抜き、その刀身がフッと消える!
なんと数千もの三日月がブワッと周囲に舞い上がっていく! それがこのマジンガの攻撃の正体!!
「三日月の幾千刃!! あっさり朽ちるなよ?」
幾千もの三日月が大津波のようにドバ────ンと大地を揺るがしながらカレンへ襲いかかり、周囲の瓦礫や大地ごと吹き飛ばしていく!! そして容赦なく刻んで刻んで刻んで刻みまくる!!
まさに天変地異!! 自然の猛威がごとく、やり過ぎなくらい三日月の刃が猛威を振るう!!
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッ!!!
「はっはーァ!! それこそ至高のプレゼントだーァ!!!」
その声にマジンガは見開く!
その幾千もの三日月の津波すら弾いて、平然と抜け出すカレン!
なんと筋肉質の二メートル近くの大女となって凄まじいエーテルを纏いながらマジンガへ、稲光迸るハンマーを振り下ろす!!
マジンガは「グッ!」と飛び上がる!
ズゴオォォォンッ!!!
打たれた大地は大きなクレーターに陥没し、周囲へ大きな破片が四散し、更に波紋状に衝撃波の嵐が吹き荒れる!!
放射状の亀裂がそこらじゅうに広がって粉塵が舞う!
ズズズズズズズ……!! なおも余震は続く!
その超絶破壊力に観戦客も「うわああああ!!」と悲鳴を上げる!
しかし、このまま終わらない! カレンは追撃と大地を蹴って爆発させ、上空のマジンガへハンマーを振り上げた!!
マジンガは苦い顔で「ぬ!」と幾千もの三日月の刃をかき集めて防ぐ構え!!
ズガガン!!
防いだものの、それでも強烈な一撃を受けて幾千もの三日月刃は弾け飛び、マジンガは上空へ吹っ飛ぶ!
「ギハァッ!!」
全身から血を噴き、白目で吐血!
が、すかさず反撃とばかりにマジンガはギンと怒りの形相を向けた!
周囲に飛び散った幾千もの三日月の刃が牙を剥いて、滞空中のカレンへ弾丸のように殺到!! ズバババババババッと刻み続ける!! そして地面へ怒涛の滝のように流れ落ち、周囲をも巻き込んで、舞い上がった破片すら砂塵に散らしていく!
血塗れのマジンガは「木っ端微塵になれえいッ!!」と渾身込める!
無限に等しく斬り刻まれながらも、カレンは憤怒と歯軋り!
「ぎがあああああああーッ!!」
更に爆発的に噴き上げたエーテルが幾千もの三日月の刃を吹き飛ばす!
カレンは三メートル強の体格、そして筋肉質に膨らんでいた!
大地を爆ぜるほどに蹴って、旋風を引き連れるほどの猛スピードでマジンガへハンマーを振るうカレン!
「潰れるのはてめぇだーァ!!」
「ぬう!! 今回ばかりは徹底的に殺るかッ!!!」
ゴッガァァァァッ!!
そして双方とも鬼神がごとく血みどろの激戦が始まったッ!!
気合い漲らせて「おおおおおあああああああッ!!」と二人はガンガンガンぶつかり合って殴り合いだ!!
荒々しくハンマーが暴れ回り、幾千もの三日月刃の嵐が飛び交う! ドーン!!
「一回戦の戦いじゃなくね?」
観戦客は青ざめて、阿鼻叫喚のような轟音やら咆哮やら劈く地獄の様相を眺めている。




