105話「全国大会 ~超激戦だぞ!①」
二〇〇九年十一月一五日────!!
朝飯を済ませて、さぁアニマンガー学院初の全国大会一回戦の試合だ、と言いたい所が!
なんと! リョーコ、コハク、モリッカ、フクダリウス、ノーヴェン、スミレ、ミコト、コマエモン、更にヨネ監督までもが食中毒でピクピク横わたっているではないか!?
「腹いったぁー! これ無理レベルでいったぁー!」
「腹痛です……」キリッ!
「あいたたたー! 腹痛です腹痛でーす!」
「ぐわあああああああああ!!」
「腹痛いデース! アウチデース!」
「誰が毒盛ったんだよっ!?」
「罠カード発動されたZE! 腹痛:自分はこの一日、動けない」
「無念でござる……! 腹切るレベルで痛いでござる……」
「もう歳かのう……。監督の資料を出しておきましょう……。ほいエレナちゃん」
オレ、ヤマミ、マイシ、エレナはなぜか平気だ?
「オレも一緒に食べてたのに、なぜっ??」
「私もよ!?」
「はぁ? どういうことだし?」
「あたし金属化するから毒平気なのは分かるけどッ!」
……これヤバくねぇ? このまま試合できんのか??
────食堂!
困惑しているコックたちを尻目に、ウオマサとトラクジラが悪辣に笑いフフフ!
「アニマンガー学院にエゾボラモドキの毒を“魔法で取り除けない呪い”を喰らえっ戦略だぜっ!」
「さずいが冷血漢ウオマサなー! こんで我が校は不戦勝っけ!」
「ああ! 退学にしてくれた恨み晴らさで置くべきか!」
「ぐひひっ! いい気味だけー!」
「「うおーっうおっうおっうおっうおっうお!!!」」(高笑い)
なんと雑魚二人組が卑劣にも呪い&毒を仕込んでいたのだ!
すると背後からヌウッと黒いシルエットが現れ、紫香楽マジンガがクワッと怒りの形相を見せて二人の頭を鷲掴み!
「げえっ! マ、マジンガ!? こ、これは我が校の為に────!」
「ばべぇっ! こ、ここば、なしで来てんなが?」
「卑怯な行為は、己が鍛え上げた力量を誇れぬ信じきれぬ等の劣等感によるもの!! 我が校に恥をかかせおって!! もはや許さんぞッ!」
憤怒と二人の頭をぶつけあった!! 頭蓋骨がベキベキと粉砕ッ!!
血塗れの二人をポイ捨てし、不機嫌そうにマジンガは「まぁ、この程度で落ちるようじゃ戦うまでもないか……」と去っていく。
取り残されたコックたちはそんな剣幕にブルッと震えていた。
ついに来たる! 全国大会一回戦!
全国大会を連覇し続ける『ジャキガン学院』と初っ端から激突必至────!
オオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!
闘技場で活気沸く歓声が大音響。
オレたちは気まずいながら三人並んで、向こうの五人と互い対峙し合う。
アニマンガー学院側!!
『龍史マイシ』
『夕夏ヤマミ』
『城路ナッセ』
ジャキガン学院側!!
『紫香楽マジンガ』
『塔屋ソージ』
『朝霧ウミノ』
『刻劉ジャオウ』
『光眼カイガン』
『ええっ!? アニマンガー学院は三人!? 一体どういう事でしょうかー!?』
後方でエレナが腕を組んでムスッとベンチにいた。彼女は監督代わりである。
スタッフが三人、オレたちへ駆けつけてきたぞ?
「あ、あの!? 残りの二人はどうしました?」
「大会の規定では五人メンバー揃ってなければダメですよ……?」
「早くしないと不戦敗です!!」
「ええ? オレたち以外は誰かに毒を盛られてダウンしちゃってるんだぞ?」
結局、なんでか状態異常回復魔法が効かねーから治癒カプセルへポイーするしかなかったぞ。
全快するまで時間はかかりそうなので、正直待って欲しいなぁ……。約三時間つーったっけ。
「おいおい!? まさかメンバー欠員か??」
「三人だけでジャキガン学院と? 無謀すぎる!」
「勝てないから、ワザとしてんじゃないの~?」
「ありえる!」
「太刀打ちできるのシュジンコー学院以外ないだろ!」
「あ~あ! 戦わないで終わるとか面白くね~な」
「おい! 真面目にやれよ!!」
ドヨドヨ観戦席から戸惑いやら不満やらザワつき始めてきてる。
マジンガはガッカリするように目を瞑ってため息をつく。ソージはにこやかに「ヤレヤレ不戦勝ですねー」と両手を微かに挙げつつ肩を竦めた。ウミノは淡白な顔で静観。
そして審判がやってきて右手を上げてカウントし始めた!
「10!!」
どうやら、そのゼロまでに五人揃わないと不戦敗のようだぞ!!
しかしヤマミと見合わせても戸惑うしかない! アテもない!! マイシはギッと怒りを滾らせる!
「9!!」
「この三人だけでやってやるしッ! さっさと試合やれし────ッ!!」
「ダメです!」
「グッ! く……くそったれし……!」
「8!!」
オレたちはもどかしいまま、あたふたするしかない!
すると二人の人影がスタッと降り立った!? だ、誰ぞ!?
「俺たちが出ようか?」
「せや!」
なんと自信満々でオカマサとドラゴリラが仁王立ちで現れたぞ!?
頼もしい風にニッと笑ってくる。
しかしスタッフは「当校と関係していない選手はダメです!」と告げられ、二人は「なにぃ!?」と驚く。
オレはなぜかホッとしたぞ。……正直入って欲しくない。
「場違いのアホ二人組はすっこんでてッ!!」
飛び出したエレナに蹴られて、オカマサとドラゴリラは天井をパリーン突き破って遥か空へキラーン!
そしてエレナは「監督でも出るッ!!」と、オレたちに並ぶ。
「7!!」
「監督は参戦できません!」
「そこをなんとかッ!」
「ダメなものはダメです! 監督はベンチへ戻ってください!」
「融通きかせてよーッ!! バカバカーッ!」
「6!!」
オレは「こんな残念な終わり方で終わるのかぞ……」と胸糞いっぱいで愕然!
ヤマミもさすがに「諦めるしかないわね」とガックリ項垂れる。マイシは険悪な顔でギリと歯軋り!
「5!! 4!!」
エレナは必死に「あと一分だけ延ばしてッ! お願いッ!」と合掌して頼み込むが、スタッフは首を振る。
「3!!」
マジンガたちジャキガン学院の選手は悠然と不戦勝の宣言を受けるのを待つだけ。
どこか煮え切らない気分ではあるが、この程度か、と見下げている。
「2!!」
「もう終わったー!! やられ役すら全うできぬモブ校として終わったー!!」
頭を抱えるしかない!
くそー誤算だ!! 誤算ばっかで運命を恨むしかない!!
「1!!!」
するとセル画が急に現れて亜仁目イイダロウ(アニメver)が「私が出よう! ヤツらに借りを返したいのでな」と抜け出てくる。
観戦席にいた四人は「ああ! 抜け駆けしやがった!!」と前のめりに身を乗り出す。
「ちょっと待ったー!!」
観戦席から飛び出した二人がクルクルと宙返りしながら降りてきた!
ドゴンッ!
「ぐえ!」
イイダロウ(アニメver)は二人に踏まれて床にめり込む。ミシメシ……。
なんとなんと!! 現れたのはレキセーンモサ学院のチササとカレンだ!?
毅然と仁王立ちでオレたちの前で「これで五人だーァ!!」と宣言だ!!
……おい、なんか踏んでるぞ。まぁいいか。
戸惑うスタッフは審判を見やる。両腕を挙げている。カウントは止まってる。
サッと左右に腕を広げてセーフの表示をした。
「倒してきた学院の選手をメンバーに加入は大会規定にアリ!! 二人の意志から同意アリとみなして、これよりアニマンガー学院の選手として参戦を認める!! 以上!!」
「「「わああああああああああああああああああああああっ!!!」」」
間一髪! 滑り込みセ────フ!
オレは「ふう……」と力が抜けた……。ヤマミもマイシも安堵。正直言ってギリギリだったぞ……。
「愛しのナッセ、一緒に闘おうなーァ!」
カレンはニッとギザギザの歯を見せて笑い、オレの背中をバンバン叩く。
チササは「こんだけども、よろしくお願ぇだ!」と握手して明るくニッコリ。
なんだか頼もしく思えたぞ!
少年漫画にありがちな、大会編でのあるある展開!
これまで倒してきた他校の選手が味方になって参戦するという胸熱展開!!
「ちょっと待ったぁぁあ!! ナッセとワシで交代をぉぉぉお!!!」
すると観戦席から、オオガがガバッと両腕を振り上げながら血眼で飛び降りてきた!?
ってかオレに襲いかかってきてねぇっ!? なんか怖いっ!?
「ハーレムの座はワシがいただくっ!! 死ね────っ!!!」
「なぜにっ!!?」
しかしチササとカレンのダブルキックでドガガンとコンクリートの壁に大の字でめり込ませた。シュウウウ……。
戸惑うスタッフたちに、チササは首を振って「赤の他人だべ!」としらばっくれたぞ。
い、一体なんだぞ……?
カレンはしれっと「別に気にするなーァ」と言ってくれるが……。
そーいや予選大会準決勝戦の後でもカレンにセクハラしてボコボコにされてたよな、この人。
完全に変態じゃないかぞ。
「ともあれ、これで試合ができるぞっ!!」
改めて、アニマンガー学院側!!
『龍史マイシ』
『夕夏ヤマミ』
『城路ナッセ』
『巌穴チササ』
『照美カレン』
他校の選手を混ぜた勢揃いの五人に、マジンガは「面白い!」と狂喜した!
『では全国大会一回戦、試合開始ですっ!!』
宣言と共に、一斉に仮想世界へ転送する魔法陣が光り出してシュパーン!
壁にめり込んでいるオオガと、床にめり込んでいるイイダロウ(アニメver)に哀愁が漂う……。
ナッセとヤマミ、マイシに毒が効かない理由はハイファンタジー編の魔界編で明らかになってますw




