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魔力ゼロの悪役令嬢が、最強の魔女になれたのは、優しい魔王さまの嫁だから  作者: 恋月みりん


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6章〜8章 外伝

6.章 チェス勝負



─翌日。



朝食が済み、カリナとオンファレ伯爵令嬢は談話室で、お茶をいただきながら、くつろいでいる。



たまたま、窓から入った西陽(にしび)が、なにかに当たりキラリと光った。



それは、談話室に飾られた、宝石と金銀の装飾で細工された、豪奢(ごうしゃ)な『チェス盤』だった。



その『チェス盤』が、カリナの目に留まる。




『チェス盤』を触りながら、カリナに少なくない確信が生まれる。





「オンファレ様、あの豪華な『チェス盤』使われていますか?」




「いいえ、あれはただの装飾品よ、誰も使わないわ。」




「………。」




「もし良かったら、わたしとチェス勝負しませんか?」




「チェスゲームで賭けをしましょう。賭けるのは、わたし自身。」




カリナはお嬢様に、(いど)むように見つめる。




「あなたは何を賭けますか?」




それを聞いて、オンファレお嬢様は、ピンと来たようだ。




「いいわ。チェス勝負で、借金をチャラにしたいのね。」




お嬢様は、そう言って納得したようだ。





「私が負けたら、貴女の願いを叶えてあげる。


……どうせ、あの変態奴隷がお望みなんでしょうけど。」




こうして、カリナは人生を賭けた、チェス勝負をする事になるのだった。





7.章 全てを賭けたギャンブル





「決まりです、チェス並べますね。」





『ふん、チェスで私に勝とうなんて。』




『チェスが(かざ)りと聞いて、私がチェスの素人だと思ったようだけど、私が一番得意なのはチェスなのよ。


どれだけ、カリナ様がお強くても、この国一の名人に勝った事がある、私が負けるわけないわ』




そう考えて、カリナに提案する。




「ちょうどいいから、貴女の師匠も呼んであげるわ。」




そうして、魔導士のカシウス•オルデウスが連れてこられた。




「カリナちゃん、良かったー。牢にはネズミは出るし、もう出られないかと心配してましたよー(泣)」




「先生、情けない声出さないでください。」




そう言いいながら、師匠はカリナに尋ねる。




「カリナちゃん、カリナちゃん、ところで、チェス得意なの?」



師匠は不安気にカリナに尋ねる。




「あんまりそんな、イメージないけど…。」 





それに対してカリナは、自信満々に言い放つ。




「大丈夫です先生。わたし、勝ちますから。」








8.章 魔法の契約書






「それでは賭けの前に、『魔法の契約書』を交わします。」





『魔法の契約書』とは、



お互いの魂を魔道具『運命の天秤』に計り(はかり)かけ、


さまざまな物理法則を無視し、自然の(ことわり)超越(ちょうえつ)した、次元でお互いの約束を宣誓(せんせい)絶対履行(ぜったいりこう)を決定づける『魔法契約』である。



もちろん、この契約を守らなければ、天罰としてあらゆる魔法の攻撃が降りそそぐ。




『魔法の契約』とは本来は、一生に一回あるか、ないかの、大変重い契約なのだった。


あとがき


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるの!!」


と思ったら


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