79章
79.章 早すぎる再会
カリナは再びの爆発音に、驚きと共に焦る。
一刻も早くと、屋敷にむかった。
恐ろしく、鎮まり帰った屋敷は、土煙が舞い、入り口も破壊されていた。
大ホールに向かうとそこに、師匠のカシウスと、司祭インベルの姿が…。
先生は口から血を流し、床に伏している。
司祭は、カリナに気づくと声をかける。
「……やあ。また…会ったね」
大ホールに立つ、司祭は足裏で先生の頭部を踏みつけていた。
「どうして、こんな事……。…司祭様…!」
死にかけの師匠カシウスは、息も絶え絶えに呟く。
「はやく帰ってきちゃダメでしよ。…男子の秘密だって…言ったのに…」
カリナはかまわず、師匠に駆け寄ろうとする。
「うそ…先生…。先生!どうしよう…。」
司祭は踏みつけた足に力を入れる。
「……かはっ…!」
魔導士は、痛みで口から血を吐く。
「あまり…近づかない方がいい…」
司祭のインベルは、複雑な表情を浮かべる。
「再会が…こんな形になるなんて、皮肉だね。」
カリナはまだ信じられない、という表情だ。
「司祭様…あんなに、優しかった……のに、」
「わたしに、シカ肉の煮込みを作ってくれたり…。」
司祭は複雑そうな、物言いをする。
「シカ肉の煮込み……か。美味しかったですか?」
「…くっくっ……。」
司祭は顔を押さえて、笑いを押し殺す。
しかし、辛抱たまらずといったように笑いを爆発させた。
「あーはははははっ…!!!」
「美味しかったですか?シカ肉の煮込み…!!」
激しい躁状態の情緒のあと、司祭は静かに答える。
「きっと、『あの子供』も飢えた者の『糧』になれたと、喜んでいるはずですよ。」
司祭はにやけながら、カリナの様子をうかがう。
「あれって…まさか…。」
司祭は微笑している。
「…ウソっ…」
カリナはショックで、悔し涙が滲んでくる。
そして、その言葉に、吐き気をもよおした。
あとがき
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「今後どうなるの!!」
と思ったら
作品下にある★から、作品の応援お願いいたします。
《お気に入り》をいただけると、大変励みになります。
面白くても、つまらなくても、正直に感じた気持ちを《コメント》していただけると、今後につながってありがたいです。
誤字脱字ありましたら、教えていただけると大変ありがたいです。
《しおり》もいただけると本当にうれしいです。
何卒よろしくお願いいたします。




