Episode.7
朝食を食べたり、ぎこちない会話をして過ごすこと三時間。
突然景色が森から、夜の湖へと変化した。
巨大な満月。
周囲には大量の蛍が飛んでおり、とても幻想的だ。
「うわぁ~……メモを読んで知ってはいましたけど、本当にいきなり変わるんですね」
「相変わらず非現実的な話だよなぁ」
「はい」
「ま、焦ることはないだろ。のんびりしようぜ」
「…………はい」
そう返答しつつ、月はメモ帳を取り出した。
そしてゆっくりと何かを記入していく。
「…………」
「何を書いているんだ?」
太ももの上に置かれたメモ帳を覗き込もうとする瑠璃。
月は見られないように身体の角度を変えながら、
「なんでもありませんよ」
「そうか……」
「…………」
「やっぱり気になるから見せてくれ」
「嫌です。恥ずかしいのでやめてください」
「…………お前さては、官能小説でも書いているんだろ? 暇だからって、いやらしいやつだな」
「ち、違いますっ」
「じゃあ確認させろ」
「絶対に無理です!」
「……はぁ、仕方ないなぁ。なら諦めないでおくか」
「そうしてください…………今なんて?」
月が瑠璃のほうを向くと、彼は手をわきわきさせながらにじり寄ってきていた。
「みぃ~せ~ろぉ~」
「い~や~で~すぅ~!」
「……」
「見ないでくださいっ!」
「……」
「怒りますよっ!」
「わかったわかった。そこまで言うなら諦めるよ」
「むぅ……」
「だからそんなに警戒しないでくれ」
「むぅ……」
「…………」
「むぅ……」
「…………むぅ」
「むぅ!」
「むぅぅぅぅぅっ!!」
「私を超えてこないでください!」
「…………」
「はぁ……」
月はため息を吐いたあとで、メモ帳をアイテムボックス内にしまった。
「…………で、結局内容は教えてくれないのか?」
「ゴホッ、ゴホッ……しつこいですよ?」
「やっぱりいやらしい妄想とか?」
「ゲホッ、違いますっ!」
「恥ずかしい願望だったり?」
「違いますって!」
「…………それとも、俺について?」
「っ……」
「あれ? 当たり?」
「……の、喉に血が詰まって反応できなかったんですよ! ゲホッ、ゲホッ。とにかく違いますから!」
「…………ふ~ん」




