表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
275/428

第百五十二話【戦争開始】

 ちょこは両手にパンを持ったまま瑠璃の横へと移動した。

 それから膝を曲げ、


「あははっ、お邪魔するね瑠璃くん」


「……なるほど空気椅子か。お前、なかなかいい発想力を持っているな」


「ありがと~」


「確かにいいアイデアですが、私の予想では長く持たないと思います」と冷静に言う月。


「そんなことないよ。こう見えても、体力には、自信があるもん」


「じゃあ、すでに足がプルプルしているのは、戦争前の緊張によるものですか?」


「そ、そうだよ! やっぱり、負けたら全てを失うわけだし! きん、きんちょーするよね」


「はい、きんきんちょーしますね」


「……このパン、おいしいなぁ」


「緊張しすぎて体全身が震え始めていますけど、味がわかるんですか?」


「わかる、よぉ~」


「おい無理すんなって……。戦争の前に疲労してどうするんだよ」


 呆れ顔で瑠璃が言った。


「……わたしはなんとも、ないけど」


「そうか。じゃあ俺の膝の上に座らせてあげなくても大丈夫だな」


 その瞬間、ちょこは立ち上がって大声を上げる。


「疲れた! すごく疲れた!」


「なら大人しく月の隣に座ったほうがいいと思うぞ」


「そうですよ、ちょこちゃん。疲れているなら私の隣にきてください」


「むぅー。全然疲れてないもん!」


 それから一分後、大人しく月の隣に座るちょこであった。


      ◇


 朝ごはんを食べたあと、瑠璃たちを含めた妖精国の住人は全員二階のリビングで待機していた。


 瑠璃以外は全員緊張しているようで、それぞれ表情や会話がぎこちない。

 

「暇すぎて死にそう」


 筋肉痛なのにもかかわらず、部屋の隅でシャドーボクシングをしながら瑠璃が言った。


「楽しみすぎて落ち着かないんでしょうけど、もう少し落ち着いたらどうですか?」


「どうせ敵がきたら外に出るんだし、森でレベル上げをしててもいいかな?」


「やめたほうがいいと思います。全員、湖の内側で敵を待ち構える作戦なんですから」


「それさ、やっぱり俺の使い方を間違えていると思うぞ。自分から大群に突っ込んでいったほうが俺の力を最大限発揮できると思うし」


「まあでも……森で暴れまくっている最中に妖精たちの範囲魔法が被弾してしまう可能性もありますし、全体的に見て防衛するのが一番効率がいいですよね」


「う~ん……まあ、な」


 とその時、


「おーい!! 敵兵の姿が見えたぞー! あと十分ほどでここに到着するだろうから、全員配置につけぇー!!」


 上の階層から男性の大きな声が聞こえてきた。


「よし、とうとうきたか! それじゃあ月、絶対に死ぬなよ」


「そっちこそ、死んだら私がぶち殺しますからね」


 二人は笑顔で拳を合わせ、別行動を開始した。


 瑠璃は妖精王とちょこを含めた四人の妖精とともに、大木の入り口前へ。


 月はその他全員に混ざり、それ以外の場所に移動。


 兵の配置は全部で四か所となっており、90度ごとに分かれている。


 それぞれ大木を守るようにして外側に攻撃魔法を打ち込む戦法だ。



 少しの間待機していると、徐々にいろんなところで衝撃音が響き始めた。


 森に仕掛けられている丸太のハンマーや落とし穴などの罠が作動しているようだ。

 

 大量の岩によって意図的に造られた壁のおかげで、自然にトラップへと誘導しているのである。



「早くこないかなぁー」


 森を見つめながら瑠璃がつぶやいた。


「瑠璃くんは本当に戦いが好きなんだね……」


「少しでも早く敵をぶっ飛ばしたくてうずうずしてる。正直一人でも勝てると思うぞ」


「ははっ、それは心強いね」と妖精王。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ちょこが「全然疲れてないから!」と言いつつも心の中では『空気椅子すごく疲れる。』て思ってるよね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ