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第百四十話【飛行】

 ちょこは後ろから月に抱きつき、羽根を羽ばたかせ始めた。

 風によって周囲の草が揺れ、徐々に二人の身体が浮いていく。


「ちょっとちょこちゃん! くすぐったいので胸を触らないでください」


「小さいけど柔らかいね~」


「ひゃんっ!」


「何その声かわいいー……って、そんなに暴れないで! 落ちちゃう」


「じゃあ触らないでくださいよ!」


「わかったって」


 そんなやり取りをしながらも湖の上を飛んでいき、一分ほどで向こう岸へ到着した。


「次は瑠璃くんを連れてくるから、ここで待ってて」


「わかりました」


「じゃあね」


「あっ、ちょこちゃん!」


「どうしたの?」


「二人きりだからと言って瑠璃さんに変なことをしたら殺しますから」


「ふふっ、月ちゃんって本当に瑠璃くんのことが好きなんだね」


「それはもちろんです! あんなに魅力的な男性は他にいませんよ」


「すごいわかる! わたしもそう思うもん」


「……褒めてくれるのはありがたいですが、本当に手を出さないでくださいよ?」


「安心してっ。わたし月ちゃんのことも好きだから嫌われたくないもん」


「あ、ありがとうございます」


「じゃあ愛しの瑠璃くんが待ってるから、わたしはもう行くね」


 そう言って向こう岸へと飛んでいくちょこ。


 当然のことながら、月を運んでいる時に比べて飛ぶ速度が段違いだ。


 ただ単に身体が軽くなったからなのだが、直前に『愛しの』と発言していたこともあり、月の目には早く瑠璃と会いたいから急いでいるように見えた。

 そのため、恨めしそうにちょこを見つめる。



 30秒後。

 湖の外側にて。

 地面へと着地しながらちょこが口を開く。


「瑠璃くんお待たせー。さっそく行こっか」


「なぁ、ちょこ。月に何を言ったんだ?」


「ん? どういうこと?」


「向こうからものすごい殺気を感じるんだけど」


 そんな瑠璃の言葉に彼女は振り向き、ギョッとした表情を浮かべる。


「……なんか月ちゃんの身体からオーラが出てる気がする」


「お前絶対何かやっただろ」


「えぇっ、やってないよ!?」


「ということは、何かやると疑われているんだろうな」


「……かも」


「何もするんじゃねぇぞ? 俺は月を傷つけたくない」


「瑠璃くんも本当に月ちゃんが大好きなんだね」


「もちろんだ。というか俺の月に対する思いのほうがあいつよりも強いと思う」


「二人とも思い合ってて羨ましいよぉ」


「さぁ、早く俺も連れて行ってくれ」


「は〜い、任せて」

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― 新着の感想 ―
[一言] ちょこの立場が猫の時と何も変わらない。
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