第六十一話【お宝】
揃って階段の一番上にたどり着いた瑠璃たちは、赤色の宝箱を見つめる。
「これ……大丈夫なやつだろうな?」
「う~ん。怪しいと言えば怪しいですけど……見た感じ何もないです」
「なら月を信じて開けてみるか」
「罠があったとしても私のせいにしないでくださいね?」
「おーん」
「その返事やめてください」
「わかった、しないって」
そう答えて瑠璃が慎重に宝箱を開けると……なかには白く輝いているナイフが入っていた。
「うわぁ……綺麗」
「なんか光っているぞ」とナイフを手に取りながら瑠璃。
「どんな感じの効果なんですか?」
「ちょっと見てみる」
彼は一度アイテムボックスへ収納し、説明文を表示。
【聖なるナイフ
攻撃力を0上昇させる。聖属性の物理ダメージを与えることができる】
「いや……攻撃力の上昇値がゼロってなめてるだろ」
「これだけ大変な思いをさせておいて、なんですかこれ! むぅぅ……ムカつきます」
「にしても聖属性っていつ使うんだ?」
そう尋ねた数秒後、瑠璃は何かに気づいたらしく手を叩いて月に人差し指を向けた。
「どうしたんです?」
少しの間を空けたあと、瑠璃はもう一度手を叩いて彼女を指さした。
「何か気づいたことでも?」
瑠璃は再び手を叩いて月を指さす。
「……気になるので早く言ってもらえます?」
瑠璃は頷いて口を開けるも、手を叩いて月を指さした。
「今、歴代うざいランキングのトップ3に入るくらいうざいです」
「わかった、教えてやるよ」
そう前置きしつつ、結局手を叩いて彼女を指さす瑠璃。
「……」
月は目を細めてじっと瑠璃を見つめる。
「わるいわるい。冗談だからそう怒るなよ」
「……」
変わらずジト目の月。
「一階層にめちゃくちゃ高い塔があっただろ? そこの魔物が二種類とも黒かったから、もしかするとあいつらを倒すための武器かもしれないと思ってな」
「あぁーっ、そう言われたらそうですね! …………けど、あそこまで戻るんですか?」
「戻ったほうがいいような気もするが……」
「無視しましょう! わざわざ戻って魔物を倒せなかったら意味ないですし」
「そうだな」
二人は遺跡から脱出し、分かれ道まで戻ったあとで再び進行方向へと進み始めた。




