第二十六話【呼び方】
月は他にも瑠璃のあだ名を考えていく。
「るりり!」
「〇ケモンじゃねぇか」
「まりる!」
「ポ〇モンじゃねぇか」
「まりるり!」
「ポケ〇ンじゃねぇか」
「まりるりる!」
「ポケモ〇じゃ……ないけど、進化系っぽいからアウトだ」
「るり!!」
「…………それでいくか?」
「いえ、呼び捨てで呼ぶのは私のほうが違和感を感じるので……」
「これ、最終的に【瑠璃さん】に戻ってくるパターンだろ」
「私もそんな気がしてきました……。なんというか、全部ピンとこないんですよね」
「なら、次は俺の番だ」
瑠璃は自分の顎を触りながら、
「う~ん、最初だし軽めのやつでいっとくか」
「いや、軽めのやつでいくってどういうことです? ふざける気満々じゃないですか!」
「そんなことはない。もちろん全部真剣に考えるぞ」
「ならいいですけど……」
「…………るなとーん!」
「ポケ〇ンじゃないですか」
「そるろっく!」
「ポケモ〇じゃないですか。さっそく私の名前と関係ないですし」
「ルナティック」
「私は精神異常者じゃありません!!」
瑠璃は手でリストカットするふりをし、
「切るな!」
「…………」
地面に落ちている枝を拾い、
「取るな!」
「…………」
更にその枝を両手で折り、
「折るな!」
「…………」
瑠璃は布の服を脱ぎ、一度上半身裸になったあとで再び着用していく。
そして、
「「着るな!」」
ハモった。
「ふふんっ、言うと思いました」と月。
「くそ、バレたか」
「というかもっと真面目に考えてくださいよっ!」
彼はそれから30秒ほど考え、
「女神」
「えっ……」
「いやでも、それだと女神と同レベルみたいで嫌だな。月はそれ以上の美しさとかわいさを兼ね備えているから……もう少しまともな名前にしないと」
瑠璃は「あ、こんなのはどうだ?」と前置きし、
「究極アルティメットデフィニティーヴォ=朧月」
「……本当にそれで呼ぶんです? 私は別に構いませんけど」
「…………やめておこう。確実に一日と持たない」
「ですよね」
「というわけで今まで通り月と呼ぶことにしよう。やっぱりこれが一番だな」
「私も瑠璃さんと呼ぶことにします。どんなにかわいい名前よりもしっくりくるので」
そんな感じで、二人の新しい呼び方は決まらないのであった。




