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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
私立郡中女子学院

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帰宅中の車内にて

車体が小さく揺れる。いくら舗装された道でも、いくら高級で乗り心地の優れた車でも、路面を入る以上は多少の揺れは致し方ない。特にこの車はその乗り心地も惜しみなく追求した高級車。エンジンの音も小さいし、周囲の音が入って来ない防音性にも優れている。


おかげで、私の膝の上で眠っている真白が起きる様子は少しも無かった。


「よく眠られていますね。どうでしたか?学校でのご様子は」


「初日だからな、自分が思っている以上に体力を使ったんだろう。学校は、思っているよりは平気だったな。移動は私と一緒じゃないと難しいが、やはり男性がいないと言うのが効いているのだろうな。脅えていると言うよりは、視線にびっくりしている感じだったな」


車を運転している美弥子が、ルームミラー越しにこちらを見ていたようで、熟睡している真白を見て、今日の学校について聞いて来る。


ASD発症が発覚して10日という非常に短い間から、急に学校に通わせると言うお義母様の半ば荒療治に近い強硬策に、最後まで反対していたのは美弥子だった。普段から一際目を掛けているのもあって、心配で仕方がなのだろう。


日頃、お義母様に苦言は有れど、真っ向から意見することは無い美弥子が、お義母様にあそこまで食ってかかるのは、あの時初めて見た。お義母様も目を丸くしていたし、本当に真白が心配なんだろう。


最終的には、真白の身の安全を最も保障できるという事で、渋々納得させられていたが、今だ本心はモヤモヤしているに違いない。


「ウチの学風もあってか、無闇矢鱈に囃し立てるような輩もいないからな。その辺りもお義母様はお見通しだったのかも知れない。早速、クラスメイトにも何人か、真白を気にかけてくれるのが出てくれたしな」


「そうですか……。お身体も小さいですし、髪色や目の色もありますから、いじめられないかがわたくしは心配で心配で……」


「諸星姓を名乗っている相手に、そんなことをしようものなら、それこそどうなるか分からないだろうから、そんな真似をするようなバカはウチの学校にはいないさ。それに私が基本ずっとそばにいるし、目を掛けてくれているクラスメイトも雛菊、片桐、六菱のご令嬢たちだ。半端な金持ちでは会社ごと潰されかねん」


「まぁ……、国内外でもトップクラスのお家のお方達ですね」


美弥子が驚くほどの名前に私も同意する。諸星が流通と総合商社としてのトップシェアを誇るなら、雛菊、片桐、六菱はそれぞれ医療器具、食品、機械工業の国内トップシェアを誇る企業の家柄だ。


この街は規模と発展の具合としては流石に東京や大阪、福岡には負けるものの、内陸にありつつ、Sランク魔法少女が所属する街として、こう言った国内でも有数の家柄の子息や家族が住む別邸が割と多くある。

東京への移動距離が関西方面や九州方面に比べると短くて済むのも、こう言った環境を生み出している理由だ。


街の中心部に行政機関と要人の住居、学校などがあり、それを囲むように一般の住宅街。更にそれを囲むように商業地区と貧困層向けの住居、そして旧市街地と倉庫街、と言う理にかなった街の作りも、こう言った国際社会にも通用するような要人の家族が集まっているのだと聞いている。


同時に貧富の差も露見しているが、その差を少しでも埋めるために、私は魔法少女として魔法庁に所属するという手段を選んでいる。

……真白は、どんな理由で野良の魔法少女をしているのだろうか。


「そんな感じだから、美弥子が思ってるような心配は今のところ無さそうだ」


「それなら良かったです。墨亜様も心配しておられたので」


「そうか。墨亜は今何を?」


「お部屋で宿題をなされているかと」


墨亜にまで心配を掛けてしまっている辺りは真白の耳には直接入れない方が良さそうか、変な風に頑張ってしまいそうで危なっかしいからな。

全く、やたらと手のかかる妹が増えた気分だ。……悪い気はしないがな。


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