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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
魔法少女を捕獲せよ

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奇妙な噂

男がゆっくりとこちらへと歩みを向け、手を伸ばしてくる

蹲る俺に対して、完全にマウントを取る体勢から近づいて来るその陰に俺は言い様の無い恐怖感に襲われる


「嫌ッ!!」


「大人しくしたまえ、あまり手荒な真似はしたくない」


伸びて来た手を叩き落し、必死に男が俺に触れられないように抵抗を試みる

座り込んでしまっている姿勢から立ち上がり逃げようともするが、こちらは足腰がガクガクと震えるだけで、全然いう事を聞いてくれやしなかった


「アリウムから離れろっ!!――あぐっ?!」


「パッシオ!!?」


勇敢にも、パッシオがその小さな体で男に飛び掛かってくれるが、精々15㎝少々の大きさしかない身体では男の腕の一振りであっさりと吹き飛ばされてしまった


地面を数回バウンドして路地の先に倒れ込んでしまったパッシオに今すぐにでも駆け寄りたいが、足腰には力は立たないし、目の前の男はもう覆いかぶさるような姿勢で俺に迫っている


「小さなナイトにも大人しくしてもらった。さぁ、もうどうしようも出来まい。改めてご同行願おう」


「やだっ!!来ないで!!」


再び伸びて来る手を何度も叩いて身体に触られないように必死の抵抗を続ける

分かってる、状況は絶望的だ。頼みの魔力はほぼゼロ、身体はボロボロで、恐怖でなおさら言う事を聞いてくれない


それでも、抵抗する。何をされるか分からない恐ろしさ。ここで諦めたら何もかもが暗礁に乗り上げてしまう不安感。なにより、女性の身体で大の男に迫られるという事がこれほどまでに絶望的な感情を抱くとは思わなかった


元々の男の姿でも抵抗で来ていたかは怪しい。それは確かにその通りだ

だが、それを鑑みても魔力を行使出来ない状態でただの女性程度の腕力しか振るえない環境下で、大の男に乱暴されるという状況下が身がすくむほど恐ろしい


「暴れると少々手痛い目に合ってもらうと言ったはずだ。そら、捕まえたぞ」


腕を振り回して抵抗する俺の腕を、その内パシリと捕まえた。そのままグイッと持ち上げられると脱力しきってしまっている足腰のせいで、殆どちゅうぶらりんの状態で持ち上げられてしまう


「いたいっ、離して!!やだっ、やだっっ!!!!」


「取って食う訳ではないと言っている。少なくとも俺はな。どっちにしろ、弱った状態で一人で行動した自分を恨むと良い」


もっと高く、グイッと男の視線の高さ持ち上げられ、腕と肩が悲鳴をあげる

痛みで滲み出てきた涙が視界を埋め始め、男が口にする言葉で更に涙が出て来る


痛い、悔しい、怖い、色んな感情がごちゃ混ぜになって身体はその内暴れるのを止めて、完全に萎縮してしまった


「ふっ、そうして大人しくしていると良い。そうしていれば、そこまで痛い思いはしなくて済む。何度も言っているがな。……まぁ、あのマッドサイエンティストに渡った後は、知らん。その時は覚悟しておいた方がいい」


すっかり大人しくなった俺に満足したのか、笑みを深める男はゴソゴソと、内ポケットを漁ると小さな注射器を取り出す


中には無色透明な液体が入っているのが見える


「ひっ……!!やだ!!やだっ!!何するのっ?!助け、あうっ!?!?」


「何度も言わせるな。少しばかり眠ってもらうだけだ。暴れると余計なところまで傷を付けるかも知れんぞ?」


注射器を見て、再び暴れ出した俺を男は近くのビルの壁に叩きつけて黙らせる


痛い怖いやだ助けて、誰か、誰でも良いから……


「そこで何をしているっ!!!!」


あと少し、注射器の針がもう俺の肌に刺さろうかと言う時に響いた声と共に、男の持っていた注射器が、何かによって弾き飛ばされた

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