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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
最終決戦

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決意と覚悟


「そういうこと、らしいよ。だから君が何かを背負う必要は無いんだ。これは必要なことで、俺が望んだ形の終わり方。だから、良いんだ」


そう言う本人にその自覚があるのかどうかは俺からは分からない。この発言が諦めから来るものなのか、決まりきった覚悟なのかすら、判断する材料が足りない。


俺が勝手に決めて、勝手に同情して良いことじゃない。そこまで俺は高嶺 悠という男のことを理解していない。

この場でそれを理解しているのは、間 郁斗だけだろう。その間 郁斗がこの結末に何も言わない以上は当人間で既に色々決まった話であって、やはりそこに俺の意思が介在する余地は無い。


それでも、何かをしなければならないと思うのは俺の自己満足なんだろうな。


「はははは、優しいね。君は、君が思っている以上に優しくて臆病だ」


考えた末で出来たことと言えば、『医師』のメモリーを使ってせめて痛みを緩めてやることくらいだ。

俺がそうしたのを理解したのか、高嶺 悠は俺のことを優しくて臆病だと評価した。


だが、これが優しさなのかは疑問だし、臆病というよりは自分への心理的ダメージを少しでも減らすためのズルいやり口だろう。そんな、評価されるようなことじゃない。


「情けない限りだ。……これくらいしか、してやれることがない」


「そんなことないさ。臆病っていうのも悪い意味じゃない。それだけ、大事なモノをたくさん抱えているって意味だ。そういう人は、強いよ」


自己嫌悪をしていると高嶺 悠はそれすらも察して、俺のことを肯定してくれた。ここまで根っからの善人が、場合によっては世界を滅ぼす魔王と化すなんて、とても思えないが、この2人の発言が嘘だとは感じない。


いたって本気だ。じゃなきゃ、こんなことはしないしな。


「郁斗、ありがとう。俺の為に裏で色々無茶をしてくれたんだろう?」


「どの世界線でも、お前に嘘は通じないよな」


「ははは、どんだけ察しが悪くたって、目の前で死んだハズの親友が鬼になって帰って来るのは変じゃないか。俺がおかしくならないようにしてくれたんだろ?」


「……スマン、こんなやり方しか出来なくて」


続けて間 郁斗にも感謝を伝えている高嶺 悠に、言葉を向けられた本人は何とも言えない顔をした後に手のひらで顔を隠していた。


こんな結末は誰だって本当は嫌だろう。


話を聞いて予想するに、高嶺 悠と間 郁斗は非常に親しい間柄であることは間違いなく、何らかの理由で高嶺 悠が特異点的存在だと言うのを知った間 郁斗がこの世界の高嶺 悠の魔王化を止めるための機会をうかがっていた、っていうことか。


間 郁斗が何処から来た存在かもわからないし、高嶺 悠の特異性の理由も俺は知りようが無いし、知らなくて良いこと。


そして、『人滅獣忌』の復活を察知した間 郁斗がここを高嶺 悠の死に場所として選んだ。


俺が知るのはそれだけで良い。それはこの2人だけの話であるべきだ。


「いや、良いんだ。俺を俺のままで終わらせてくれて、本当にありがとう」


こういうやり方しか用意出来なかった間 郁斗はどんな気持ちで高嶺 悠をここに導いたんだろうか。高嶺 悠はどうやってその話を受け止めたんだろうか。


少なくとも、相当な決意と覚悟を持って臨んでいたことは分かる。その結果、予定通りに高嶺 悠はここで死ぬ。


「千草と要にも伝えておいて。ありがとう、君達2人と出会ったおかげで俺は正しいままで終われた。君たちとの出会いが無ければ、こんな満足の行く結果にはなってないって」


出会ってから、まだ1時間程度しか出会っていない男との別れ。


一般的に考えれば特に気に病む人は少ないんだろう。たまたま少し話した人がその直後に亡くなった。


ショックだろうが、泣くほどでは無いと思う。だが、俺は自然と泣いていた。


また何も出来ない無力さからか、親しくなれそうな人との別れを惜しんでいるのかはきっとこの先も分からない。


それを判断するには時間が足りなさ過ぎる。


「真広も改めてありがとう。君が大事な誰かを失った直後だっていうのは、何となく察していたよ。だから放っておけなくてね。ついちょっかいをかけた」


「そんなもの、わかるモノなのか?」


「分かるさ。何せ俺と同じ表情で戦いに臨んでるんだから。大事な人を失ったからこそ、死ぬ事を覚悟しながら目的を達成しようとしてるってね」


その人に託された事を、自分の命をかけてでもやり遂げようっていう表情だった。と指摘されて驚く。


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― 新着の感想 ―
真広ちゃんも死に場所を選んでいそうな感じだと気づかれちゃいました。 不器用ながらも父親のように優しく接してくれた妖精がいたことを感づかれたというよりも、妖精界で噂程度には聞いていたものね(笑) 高嶺「…
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