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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
最終決戦

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ただし、このくらいで倒れるような相手じゃないわね。


あらゆる物が焼け焦げて煙が立ち込める中から飛び出して来た魔法を避けて、リオに飛び乗るとその魔法の出所に飛び込んでいく。


「ドラゴンの力を手に入れているとはね。肉でも喰らったのかい?」


「アンタ達みたいなのと一緒にされちゃ、困るわね」


今の私は前と比べても随分とドラゴンの要素が濃くなって来た。侵食、というよりは馴染んで来たんでしょうね。

少し前の私なら、出来るだけ人間に近いように、ドラゴンの力を抑えてこれ以上竜化が進まないようにしていた。


その方が都合が良かったからね。


「私は私が選んでこうなったのよ。アンタみたいに奪ったわけでも、誰かに呪われたわけでもない」


「その結果が同じようなバケモノになっているんじゃ意味無いと思うけどね。獣の僕でもよぉく知っているよ。ヒトってヤツはバケモノが大っ嫌いだってことくらいはね!!」


尾と剣、魔法と炎の応酬で周りの地形がどんどんと変わっていく。主にお構いなしに魔法をぶっ放しているアルツのせいだけど。


魔法を放ち、尾を鞭のようにしならせながら興奮した様子のアルツは饒舌だ。6本尾になったことがそんなに嬉しいらしいわね。


「ヒトはどんなに近しい相手でもそれが理解の範疇から外れていれば、それを排除しようとする生き物だ。それはこの前のことでもよく分かったことだろう?」


「だから何よ」


「ドラゴンの力を手に入れた君にはもう居場所なんて無いってことさ。今は都合が良いから役割が与えられているけど、それが無くなればただの力の強いバケモノ。連中にとっては恐怖の対象、排除すべき敵になる」


それは私達魔法少女の中で時々話に上がることと同じような内容だった。


ヒトは自分達の理解の範疇を超えているモノを恐れる生き物だ。というか、生き物の殆どがそうよね。

知らないものには必ず警戒心を抱く。犬や猫は突然与えられた知らないオモチャには一旦ビビるし、人間だってよく分からないものには近づかない。


何なら、新しい技術や知識にすら人は時々嫌悪感を覚えたりする。時々いるでしょ? 昔は良かったって言う人。

私はアレ、どんどんと新しい物や知識に対して警戒心が先に出ちゃって保守的になってしまった結果だと思っている。真白がなんかそんなこと言ってたのよ。大人になると誰でもああなるんだってね。


魔法少女のそれは更にその拡大解釈。アルツの言う通り、強い力は怖がられる。私だけじゃなくて魔法少女だって、一般人からしたら魔法を操るバケモノでしかない。


一般人から見れば魔法少女は魔獣被害から自分達を守ってくれる。魔法少女は魔獣駆除っていう仕事が社会的な地位を確保してる。


それがもし、無くなったら? 魔獣がいなくなったら? 魔法少女じゃなくても魔獣が駆除出来るようになったら?


私達魔法少女は、魔獣と同じ駆除の対象になり兼ねないんじゃないか。


そんな言説が時々、魔法少女達の中で話題になることがある。それは大きな不安になって、特に中堅より下の新人達の中で広がって行きやすい。

新人達はどうしたって立場が弱いし、まだまだ訓練や教育が出来てないのが原因の一つ。


実際は魔獣被害が無くなるのなんて、一体いつになることやらだし、魔法少女以外が魔獣を駆除出来るようになっても、魔法少女の社会的価値が下がることはほぼ無い。


何故なら、どんなに魔獣対策を講じても直接魔獣と殴り合いが出来るのは魔法少女だからだ。

私達が最終の防衛ライン。最後の砦になる以上、その社会的な価値や役割が足元から揺らぐことなんて早々無い。


それに、時間が経てば経つほど、魔法は社会の中に溶け込んでいく。魔法少女という戦う職以外の仕事がどんどんと生まれて行く。

だから、魔法少女が人間社会において、排除されることはほぼ無い。何より、そのための『魔法少女協会』だ。


「君は僕ら側の存在だ。化け物同士、手を取り合った方が互いの利になると思わないか?」


では、私はどうか? 魔法少女以上の力を持ち、人外になった私が魔法少女からその魔法の照準を合わせられない保証が無いと言い切れるのか。


答えはきっと否、でしょうね。


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― 新着の感想 ―
「じゃあ、アルツは『花園』の力を受け入れる気があるのかな?」って聞いてみたらどうなんだろうね?
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