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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
最終決戦

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無限界牢

年末年始はお休みとさせていただきました。また再開するのでよろしくお願いします。


圧倒的物量。グレースアの戦い方をひと言で言い表すとそれに尽きる。


魔法少女の中でも屈指の魔法精製スピード、氷属性の魔法という工夫次第で様々なことが出来る汎用性の高さ、本人の雪女という特別な種族。


それらが噛み合った結果、その飽和攻撃性能は私達の中ではトップクラスだ。

同じような飽和攻撃が得意なアリウムが変幻自在の搦め手。アズールが水という質量を使った制圧だとするなら、グレースアの攻撃は圧倒的物量による手数。


同じ魔法をまるでガトリング砲のように連射出来て、攻撃性能で見れば、さっき言った同系統の飽和攻撃を得意にする魔法少女の中では最も高い。


アリウムやアズールはカウンターを搦め手やカウンター主体の中で、攻めの手を止めないというスタイルも超攻撃的、って言っていいわね。


「凄味がまた増したわね」


「あぁ、どうにも雪女の能力で氷属性魔法の精製速度と操作範囲、更には魔力消費量まで抑えられたらしい」


至れり尽くせりじゃない。持っている才能と手に入れた環境がこうも噛み合うとここまで凄まじくなるのね。

その結果が今目の前に広がっている。


「がっ……」


「なによ、これ……っ!!」


全方位からの氷属性魔法の一斉掃射。逃げ場の一切ない、単純な暴力。氷の槍とそれに伴った冷気によって、身体中を貫かれ、地面に縫い付けられている分身体2人の姿を見て、圧倒的以外に言う事は無いわよね。


私やフェイツェイだって、相性次第ではこの2人にここまで一方的に攻撃出来ないわ。逃げ足の速さがこいつらのの最大の特徴みたいなもんだしね。


「どう? わかった?」


一方的な蹂躙。1本尾と2本尾という尾の数が少ない分身体とは言え、ここまでやられて黙っていられるタチでもないでしょうけど、ここから逆転する手立ても無いだろう。


まるで狩人のように真っ白な吹雪の中で怪しく光る眼が揺れる。今、この場所において狩る側は間違いなくグレースア。

狩る側しか経験してないだろう分身体のエネとジィオにとって、屈辱だし恐怖でしかないでしょうね。


妖精でもない、人間でもない。妖精界の他種族でもない。


「化け物……!!」


苦々し気にジィオが絞り出した言葉があの2人が持ったグレースアへの評価。単純明快な理解不能なモノに対する恐怖の言葉だ。


「酷いなぁ。君達の方がよっぽど化け物だと思うんだけど?」


「いけしゃあしゃあとよく言うものだわ。自分でも分かってる顔だし」


「うふふふ……」


お互い化け物同士。そういうことなわけだけど、今現状でどっちが化け物としてより格が上かは明白。

その証拠にグレースアは口元を袖で隠して、くすくすと笑いながら吹雪の中に消えていく。


その光景はもう完全に誰もがイメージする雪女そのものよね。ここから、しかも味方って立場から見ても恐ろしいわ。


「私の炎も凍らされそう」


「わかる。風すら凍てつかせられそうだ。もし、本気のグレースアと戦うことがあるとしたらこの吹雪の状況になる前に決着を付けなきゃ私達ですら勝ち目がないかもな」


「翼が凍って飛ぶのが無理になった時点でヤバいわよね」


魔法はイメージ。実際の物理現象みたいに炎が氷を解かすから有利なんて単純な話にはならないけど、それでも火属性はその名前通りに単純な火力なら他の属性より頭一つ抜けているって言われている。


風は実体が無い魔法が基本だし、どっちの属性も不定形の属性だ。通説として、不定形の魔法は攻撃的で物体として質量を持つ魔法は防御的、なんて言われているけど、それでこの攻撃性能と制圧能力。


特に制圧能力は明らかに私とフェイツェイより上だと来たもんだからね。本当なら、私達の中では上から3~4番目くらいの強さなのよ。

世間では私達の中で一番弱い、なんて言われているけどね。


「『固有魔法(インヘアレントマギカ)』」


「くそ、クソぉっ!!」


まだ意識のあるジィオが悪態をつきながら自分の敗北を悟っている。エネの方はもう意識がない。

ジィオも身体中を氷の槍で貫かれまくってて、地面に縫い付けられているから避けようも無い。これでチェックメイト、ね。


周囲の雪を全てエネとジィオの周辺にどんどんと集まって、地面から浮き上がって行く。

それによって吹雪は止み、エネとジィオを取り巻く雪は球状に、まるで寒空の中に浮かぶ真っ白に澄んだ月のようにも見える。


「『窮霜万遠(きゅうそうばんえん)・雪月夜』」


そうやって、雪の塊の中で氷漬けにされたあと2人を閉じ込めた真っ白な雪の球体は地面に落ちて砕け散った。


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