表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
最終決戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1719/1723

3尾の獣


「アズール・ウンディーネ!!」


下半身が尾びれになった人魚の姿はさっきまでとあんまり変わらない。今までの強化変身に比べて、大きな変化があるわけじゃないが明らかに魔力量が肥大化したことは感じる。


敢えて変化があるのなら、尾びれがだけじゃなくて他にも小さなひれが幾つか増えて、服装が鎧とか戦闘向きだったのが、煌びやかなドレス風になった事か。


五百重(オンダータ・)波の海斧(ヴォルティチェ)』のゴツさがおかげで更に異色さを増している。

これも大きな変化は無いがその重さは更に増しているような気がする。


「また訳の分からんことを……」


「へっ、お前の嫌いな理解不能な現象ってヤツだ。思う存分味わえよ」


新たなウチらの変化にショルシエは顔を歪めて睨みつけて来ている。Slot Absorberを作った当の本人でもあるショルシエ自身が想定していない挙動をしている上に、それを当たり前のようにウチらが使いこなしているのも面白くないだろう。


それじゃあ、さっさとケリを付けるぜ。ちっと時間を掛け過ぎちまってるからな。


尾びれをひと打ちして空中を波立たせる。生まれた波紋は素早く周囲へと広がって行き。


「『固有魔法(インヘアレントマギカ)』。――『海神眠る(イボプリキオン)紺碧の水底(・ディアマーレ)』」


ウチらは水底に沈んだ。


「……っ?!?!」


「わりぃな。こっからは一方的に行かせてもらう」


『獣の王』とは言っても、どこまでいっても陸の上での話だ。水の中、海の中での王はまた別の話。

海には海の王がいる。陸の上で暮らす生き物が水面に堕ちれば、成す術なんてねぇだろ?


尾びれで水を叩いて一気に加速する。今のウチらは陸の上とか空中を移動するより、水中を移動した方が速い。

一気にトップスピードに乗ると『五百重(オンダータ・)波の海斧(ヴォルティチェ)』をまだ距離が開いているうちに振り上げる。


その刃にまとわりつく水量はさっきまでの比じゃない。水の中にいるって言うのに、ボコボコと音を立てながらとんでもない勢いで渦を巻いているのが分かる。


「喰らいやがれ!!」


それを思い切りよく、ショルシエへと叩きつけた。


「がアアアァッ?!?!」


「こんなもんで終わりじゃねぇぞ!!」


水の中で動きが鈍って緩慢な動作で防御のために腕を上げたショルシエの左腕を吹き飛ばし、攻撃の乱打をぶち込んでいく。


何度か身体を吹き飛ばした辺りでボコボコと攻撃が通らない感触に変わった。ルビーが言ってたやたらと硬い障壁のような何か、だな。


ただそれも、ルビーが一回ぶち抜いてるのを聞いてるんだぜ、ショルシエ!!


ショルシエが使う謎の防御壁をぶち抜くために、『五百重(オンダータ・)波の海斧(ヴォルティチェ)』を二振りとも思いっきり振り上げたところで、ショルシエが必死の形相で逃げに入った。


「ちっ」


大技の構えに入ったせいで咄嗟に追えなかったのは油断だな。一瞬でも確実にヤれると思っちまった。戦いで絶対はねぇって言うのによ。ちっと調子に乗り過ぎた。


「有り得ん……、貴様、自分が何をしているのか分かっているのか?!」


「あぁん? そんなビビり散らかすなよ。自分が負けそうだからってよ」


「そんなレベルの低い話ではない!! 『固有魔法』だと?! これが魔法!? 馬鹿を言え、貴様のやったことは空間そのものの書き換えだ!! 魔法の領分など飛び越えている!!」


震える声で叫ぶショルシエを訝しんでいると、唾を吐き散らしながら今のウチの魔法について後生丁寧に解説してくれた。


どうにもショルシエからしてもあり得ない現象、らしい。


「それは、神の領域だ!! 私達が至るべき領域だ!!」


「知るかよ、そんなこと」


神だか何だか知らねぇけど、出来てるんだから出来るんだよ。お前の主張なんざ知ったこっちゃねぇ。

お前が今までそうして来たように、ウチらはテメェの主張に聞く耳なんて持ってやるかよ。


「『三重(トリプル)固有魔法(インヘアレントマギカ)』」


「貴様ら如きが、我らより先にそこに至るなど――」


「『深き紺碧(ディープ・ア)の大海(ズール・モレ)』ッ!!」


周囲にある水の全部をまとめ上げて、ぶち込んだ『固有魔法』はショルシエの身体を跡形も無く消し飛ばした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
MTGでいえば、島渡りデッキみたいなものかな? 第5版当時の“孤島の聖域”(飛行又は島渡りの能力を持たないクリーチャーは攻撃に参加できない。)みたいに特定の回避スキルのような(笑) 遊戯王だと加治木さ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ