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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
最終決戦

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レッドゾーン


チェッドという新しいショルシエの分身体は簡単にひと言で表すなら戦闘狂っすね。まぁ最初の言動と印象で分かってたことではありますけどね。


そこから更に踏み込んで尚、戦いと言うものを楽しんでいる、っ感じっすね。


「良いねぇ!! 良いねぇ!! 良いねぇ!! 最高だよお前ら!!」


鼻息荒げて大興奮しながら戦うチェッドに僕らは付き合いきれないって顔をしながら戦っていました。


正直、攻めあぐねています。理由は簡単。下手に攻撃しようものなら、何がどうなるかわからないからです。


「なんなのよアレ、殆どインチキじゃない」


「同感っす。あんなの反則モノですよ」


何が僕らを困らせているかと言うと、チェッドの持つ能力っす。何を隠そう、触れると何が起こるのかがわからないんす。

何を言っているのか意味不明だと思うっすけど、これが全てです。攻撃するために触れた時にランダムで何かが起きる。


まるで生きたびっくり箱っすよ。その見た目でそんなふざけた能力なことがありますか? そしてその能力がどうしようもないくらいに厄介だとは見聞きしただけではわからないと思います。


何が起きるかわからないっていうのは、思っている以上に厄介なんっすよ。


「ワリぃな。俺を作ったショルシエのご意向、ってヤツだ。俺はところん、対魔法少女に特化してんだとよ」


「その結論が、それ? ふざけたもんね、アンタ達のトップも」


「ゲハハハ、同感だ。ショルシエもお前達のことをどんな手段を使ってでも止めたいんだろうよ」


ショルシエが考えたと言うチェッドの能力。触れたら何かが起こる、という単純な能力っすけど、だからこそ脅威で、迂闊に触れられないものになっています。


触れた瞬間、爆発するかも知れないし、毒ガスが噴き出すかもしれまない。剣が生えて来たり、芋虫が飛び出て来ることもあり得ます。


何より怖いのが、その規模がバカほどデカいってことです。さっき起きたことで言えば、殴った瞬間に炎が噴き出して、切っ先が少し食い込んだ時に泥水みたいなものが溢れ出て来ました。


僕は丸焼きになりかけて、ニーチェは泥水まみれになりかけてキレてました。他にも爆発はやっぱりしましたし、武器が飛んで来たり、レーザー撃たれたり、趣味の悪いぬいぐるみがいくつも出てきたりとか。


もうめちゃくちゃっすよ。相手にしていたくないっす。しかもそれ以外の戦闘がガチなんですよ。もう意味がわからないっす。


この訳の分からない能力に翻弄されている間に、致死レベルの本気の攻撃っすからね。ふざけているのかガチなのかで言えばガチの戦いなんっすけど、その中でここまで意味わからない能力で戦われているのが何と言うかイライラして来るっす。


「イマの魔法少女は概念系の魔法を使う奴が少ねぇから、こういうのが効くんだとよ。実際どうよ? ご感想のほどってぇのは」


「最悪」


「クソくらえっす」


「ゴ好評で何よりだぜぇ」


そんでもってチェッドの話し方もまぁまぁウザくて嫌なんっすよね。なんかこう、今まではただただ高圧的な感じだから無視出来たんですけど、ウィットに富んだ嫌味と言うか、含みを持たせた言い方とかもして来て、ホントに腹が立ってくるんっすよ。


「ニーチェ、苛立つと相手の思うつぼっすからね」


「わかってるわよ。アンタこそ、雑にやってると足元掬われるわよ。コイツ、そういうヤツだから」


今まで僕らの戦いは基本的に力と力のぶつかり合い。魔法が上手い方が勝つっていう基本的にはシンプルな構造をしていたと思うんっすけど、目の前のこの敵にはその理論は通用し無さそうな気配です。


戦いをあらゆる意味で楽しんでいます。自分の持つランダム性ですら、戦いの中のスパイス。自分をどうやって攻略してくれるのか、そういった雰囲気すら感じますね。


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― 新着の感想 ―
チェッド「目には目からビーム!歯には口からミサイル!…」 … クルボレレ「これでも喰らえっす!…わっ!」 … チェッド「ゲハハハ…!どうした?魔法少女たち。」 ニーチェ「どうにか方法を考えないとジリ貧…
別世で、チェッドみたいなやつを“楽しく”八つ裂きにする魔法少女もいるんですけどね(笑) 『対魔法少女特化』で『概念系が少ない現在』って、それが事実なら弱点も見つけられるのかもね。
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