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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
最終決戦

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無限界牢


「完全にしてやられたな」


異常に気が付いた私達は一旦その場で足を止めると、諸々のことを確認して状況把握をした。

その結果がフェイツェイの一言に詰まっている。


「ここまで大規模なことをやられるとは、流石に予想外だった」


「幻術、のレベルじゃないわよねコレ。どうなってるのかしら」


簡単に言うと、私達は閉じ込められた。檻とかそういう物理的なモノでも、幻術とかの魔法的なモノでもない。

何か、巨大な空間のようなものに気が付いたら閉じ込められていた、と今のところは考えている。


何か、というのは単純に何に閉じ込められているのかがサッパリわかっていないから。物理てきに壁や床を破壊してもダメ。

幻術対策として、一般的な体内の魔力の循環をリセットするやり方もてんでダメ。


つまり、私達は何らかの方法で謎の空間に閉じ込められたということになる。


「どうする?」


「どうするも何も、これを破るしかないだろ」


「問題は方法よね。とりあえずなんでもぶっ壊してみる?」


「最終手段だな。ショルシエとの戦いを前に無駄な消耗は避けたい」


そうよね、そうなるわよね。この魔法だか空間だかわからないけど、閉じ込めているこれの中を手当たり次第に破壊しまくれば何か起こる可能性は0じゃない。


ただし、何も起こらない可能性も0じゃない。私的には何も起こらない方が正解だろうな、と何となく思ってる。


何せ、ここにいるメンバーは揃いも揃って武闘派。

私もフェイツェイも中途半端な結界なら問答無用で破壊するし、グレースアだって物量での突破が行ける。


つまり、そういうのが通用しないやり方をしているハズ。

かなり手の込んだやり口だというのは確定ね。


「入り口があるなら出口があるハズだ。これだけ大規模な方法が完璧なワケも無いしな」


「そういうのはアメティアとアリウムの仕事なんだけどね」


「文句言っても仕方ない。とりあえず私たちは頭を動かすより足を動かすぞ。グレースア、悪いが魔力探知に全力を注いでくれ」


「オッケー。代わりに背負ってね」


入り口があるなら出口もある。フェイツェイの言うことは道理で、仮に出口が無いにしても、入り口は必ずある。


そこを閉じたとしたって、入り口は入り口。外と繋がっている場所で、他よりも脆い場所になる。

だったら、そこから出てしまえばいい。


力技でしかないけど、ここにいるメンツ的にそうするしか無いのよ。

頭脳派や感知力の高い面々は皆無。ここにいるのは揃いも揃って近接戦闘が主体のパワーファイターばかりだ。


辛うじてグレースアが比較的丸い能力を持っているとは言え、それでも探知能力は並程度。

頭を使って戦えるかと言えばNO。彼女もバリバリの感覚派で勝負勘で戦う側。


こういう状況に陥った時に対応出来るのは誰1人としていない状況だった。


「どうだ。何かあるか?」


「うーん、私レベルの探知能力じゃなぁ……。わかるのと言えば、不自然なくらい何にも無いってことくらいだよ」


その不自然なくらい何も無いのに化かされたのが私達だけどね。

まぁその辺も幻術を使われたんでしょうね。この謎の空間に入るほんの一瞬だけ幻術をかけられたら、対応出来る人はごく僅かだと言っていい。


少なくともここにいる脳筋3人では無理だ。


「リオ、アンタなんか分かる?」


「バウ」


「なんて?」


「分かってたらなんか言ってるだって。ついでに匂いも特に変化無し」


私が乗っているリオにも聞いては見るけど、まぁ何か感知していたらリオなら止まるなり何かしてるハズ。


動物的な感覚ですらすり抜けたって言うんだから、相当高度な技術を使ってるのは間違いない。


維持をするのもそう簡単じゃないだろうけど、ショルシエのような膨大な魔力タンクそのとのみたいな存在がある以上、解けるまで待つなんて悠長なことも出来ないしね。


「ママ、どうかしたの?」


「ちょっと面倒なことがあって、ね……?」


無い頭を何とか捏ねくり回している中、腰に付けているポーチの中からメルの声が聞こえて何気なく答えたあと、ギョッとする。


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