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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
最終決戦

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帝王レクス


息を整えて、床を蹴って走り出す。光の弾丸を撃つのも当たり前、私の基本的な戦い方はこうやって常に距離を維持しながら、四方八方から弾幕を張って敵を追い詰めて行くやり方だ。


砂属性はまだ私には扱いが難しくて、出来ることが少ない。

相性自体は悪くないのは真白さんにも言われた通りで、特に粒子に光を反射させて弾道を読み難くするやり方は効果的だと思っている。


「そんな様子見で私が怯むとでも思っているのか?」


「そんなのわかってる、っての!!」


ただこうまで基本的なスペックに差があると、撃ちまくっている光の弾丸はまともにダメージを与えるどころか、腕の一振りで次々と消されて行く。


まるで相手になっていない。大人と子供ケンカ。アリとゾウが戦っているような気分だ。


そもそも同じ土俵に上がれてすらいない。


そんなことは最初からわかっていたことだ。真正面から戦ったところで、私達に勝ち目は無い。

だから、私達がやるのは徹底的な搦手。


粒子に当たり、無規則に拡散していた光が一斉に指向性を持つ。


魔力を一度に放出するには個々に限界がある。100の魔力をいきなり100吐き出せるわけじゃない。

1とか10とか、人によってそれはバラバラ。魔法が強い人はこの出せる量が多い人達。


私は生憎多くない方。でも1をこれだけ積み重ねれば、10出せる人でも1000を出せる。


「収束、圧縮!!」


「ほう、面白いことをする」


撃ち続け、拡散していた光の弾丸がもう一度私の手元に集まって、ギリギリまで圧縮される。


太く、大きなレーザーとして撃つのではなく、あくまで細く、出来るだけ魔力を一点に凝縮した正しい意味でのレーザーを。


「ふむ、こうか」


魔力を一点に集中させて撃とうとしている私のことを真似て、ショルシエも手元で魔力の圧縮させる。

ただでさえ魔力量がこちらと桁違いの中で魔力の圧縮なんてされたら堪ったものじゃない。


あんなの足跡のミサイルみたいなものだ。


「同じモノをくれてやろう」


私より先にさっさと圧縮させた魔力を構えたショルシエの指先が私に向く。

あんなモノ喰らったらひとたまりもないね。骨のカケラも残らないんじゃない?


なんて考えながら。


「さぁ、無様にーー」


「光は波であり粒子であるんだってさ。ちょっと私にはよくわからないんだけど、喰らってみてよ」


ショルシエの脇腹に突き付けた銃口から、圧縮した魔力をぶっ放した。


両手両足をしっかり踏ん張って引き金を引いた瞬間、とんでもない衝撃が全身を襲う。

身体ごと吹き飛びそうになるのを何とか堪えながら、キラキラと光る圧縮されたレーザー光線がショルシエの脇腹でバチバチと火花を散らしているのが見える。


多分、魔力と魔力のぶつかり合いで起こってある火花だ。


こんな攻撃を0距離から撃ってるのに魔力の膜すら突破出来ないとかどうなってんのさ。

でもまぁ、それをやるのは私の仕事じゃない。


「小娘ぇ!! 中々面白いじゃないか!! 私相手に騙し討ちとは!! だがしかし、私には届いておらんぞ!!」


「バカじゃない? 相手はわたしだけじゃないでしょ!!」


ズドンという重低音が響いたと思った時には私の魔法と同じようにキラキラと輝いた魔力の弾丸がショルシエの魔力膜と私の魔法とぶつかり合っているところに寸分の狂いもなく着弾する。


その瞬間、魔力膜を弾丸は撃ち抜かれたショルシエの身体に直接、私のレーザーの魔法が直撃した。


「はぁ、はぁ、はあぁっ……。『ミラージュショット』。通用して良かったよ」


さっきまでショルシエが見ていた私は全く別の場所にいた私の姿をだ。


光の屈折とか反射とかを利用して虚像。まぁ、そこにいないはずの私を写してショルシエを騙した。


こんなの通用するのは一回きり。それを当てきれたことはハッキリ言ってラッキーだ。

次は通用しない。さぁ、もっともっと集中しろ。

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― 新着の感想 ―
「人が足掻き、工夫する様子は見ていて楽しいのぅ。無駄な足掻き…いや、我の糧になる故に全くの無駄とは言えぬかの。最期は我の手により、自らの技で死ぬのだから(笑)」とか? 「万策尽きて、力尽き、失禁しなが…
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