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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
決戦に備えて

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大海の獣


攻撃の応酬の過激さは時間をかければかけるだけ激しくなっていった。模擬戦だとか、訓練だとか、修行だとか。

一応、戦いの建前ってのはあるだろ普通?


まぁ、テレネッツァは初めからウチに必要なら見限りを付けるつもりでやってるから、下手なことすりゃぶっ殺されるのは変わってないって言えばそりゃそうなんだが、だからって戦いの中のギアが上がり過ぎるってこたぁ早々無い。


どこまで行っても仲間内での訓練だからだ。怪我は当然だが、それこそ訓練で死んじまったらそりゃ訓練じゃねぇ。


訓練、特訓、修行。これらで死人が出るのは基本的にどこの時代と場所だろうとNGだろうよ。


「良いじゃない!! 良いじゃない!! だいぶやる気になって来たわね!!」


「やらなきゃ死ぬっつーの!!」


「当たり前!!」


ただし、ウチとテレネッツァの戦いはそれを越えつつあった。途中まではあった遠慮というか最低限越えちゃいけないラインってのを越えつつある。


いくら口で迂闊なことをしたらぶっ殺すとは言うものの、それが確かに迂闊なことしたら本当に殺されるだろうな、と思えるくらいの事実があったとしても、それは迂闊なことをしたら、って理由がある。


「こんな楽しい戦い、久々だもの。本気でやらなきゃ損でしょ?」


「この、戦闘狂がよっ」


その理由が破綻して来たとなるとそれはただた純粋な戦闘だ。力比べとかそういうのを飛び越えて、純粋な殺し合い。


笑顔でそれをするヤツなんて戦闘狂以外の何者でもない。『五百重(オンダータ・)波の海斧(ヴォルティチェ)』を振るい、テレネッツァの攻撃をいなしながらこちらも仕掛けて行かざるを得ない。


剥き出しの戦意に対して逃げ腰でやってたら身体がいくらあっても足りねぇからな。こっちから仕掛けて、ねじ伏せるくらいの勢いで行かなきゃこっちが負ける。


この場合の負けってのは死ぬか大怪我の二択だな。何にしたって無しだろ。それが一番あっちゃいけねぇ。


「その言葉、そっくりそのままあなたに返すわよ!!」


「遠慮してぇけどな!!」


拳と二振りの巨斧の応酬が激しく続く。あんま口を開いていると舌を噛みそうだぜ。

高速の乱打戦。防御と言うよりは攻撃を攻撃で相殺して隙を伺っているのような状態。


周りから見たら意味わかんねぇだろうな。普通、1対1の戦いってのは攻撃と防御が入れ替わりながら進むもんだ。

攻撃のターン、防御のターンがある程度交互に来る。戦いが上手い奴ってのはその攻撃と防御の切り替えが上手い。


攻めて良いタイミングと防御しなきゃいけないタイミング。これの切り替えが正確で見逃さないヤツが強いヤツだ。

お互いに攻撃をぶつけながら、倒れた方が負けなんて本来小学生のケンカレベルだよ。


「気付いているでしょう!? 戦いにのめり込めばのめり込むほど、頭の中が冷静になっていくのが!!」


「……っ!!」


右の拳が振りかぶった途中で止まり、防ごうと反応した左の斧が空を切る。それを叩いて、地面に軌道を逸らしたテレネッツァが跳躍しながら回転。

身体の影から左の回し蹴り。ただし、恐らく大量の水が纏った状態で。


リーチはわからねぇ。魔法でいくらでも変えられる。身体の影に隠れてるせいで分からない以上、下手な防御はリスク。


すぐに左の斧を手放して、後ろに後退。その時、左右の斧を繋ぐ鎖をぐんっと勢いよく引っ張り上げる。

テレネッツァが地面に叩きつけた左の斧が鎖に引っ張られて凄まじい勢いでウチの手元に戻って来る。


もちろん、戻って来る時にテレネッツァを狙う。リスクケアをしながら体勢の立て直しと反撃。


テレネッツァの言う通り、最初とは打って変わっている。自分でも驚くくらい冷静で頭が回ってる。

考えるより先に身体が動いてる。完全に全盛期の頃の勘が戻っている感じがあった。


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戦闘狂… 碧「ひ〜ん(泣)そんなふうに言われたくないぃぃぃ!」←本音(笑)
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