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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
決戦に備えて

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星の道導


真白お姉ちゃんがやるというのなら、そういう風やるんだという安心感はある。きっと、本当に最小限の被害で戦いを終わらせるつもりでいるし、そのために手も頭もそして周りの人も全力で動いているハズ。


でも、それでも私が納得できる答えじゃない。それはこの戦いは戦争じゃないっていう方便でしかない。


真白お姉ちゃんが自分にそう言い聞かせているだけとも言える。物は言いよう、見方が変われば印象は変わる。本質が変わらなくてもだ。


「私が聞きたいのは――」


【こういうのじゃない、でしょ? 分かってるわよ。さっきのは建前、はちょっと違うわね……。本質の部分かしらね。敵はあくまでショルシエだけ、っていう説明でしかない。墨亜が聞きたいのは『私が戦争をする理由』】


『私が戦争をする理由』。真白お姉ちゃんが敢えて誇張した言い方をする。真白お姉ちゃんは別に戦争をするつもりはないって言うのはさっき聞いた通り。


それでもなお、わざとらしく戦争をする理由って言うのは私がそれを聞きたがっているから。


【うーん、まぁ、そうね。まずは個人的な理由から言うわ】


口にしにくい、というか真白お姉ちゃん自身にしか分からなくて良い部分だからわざわざ言語化してないんだと思う。


本人の中で漠然とある感情を敢えて言語化するのって難しいよね。普通ってそこは感情の赴くままにというか、自分の感性に従って行動する部分だし、他人に説明するのって難しいと思う。


私で例えるなら、手持無沙汰になった時に銃の整備を始めるのはなんでなのか? って問われているのと似たようなものかな。


そんなの、なんでって聞かれても手癖だから理由なんて無いんだよね。わざわざそれを言語化してない。ただのクセにどうして?って聞かれても答えるのに困る。


いつもやってるからやってるだけ、理由はない。それに近い雰囲気がある。


【ショルシエがムカつくからね】


「思ったよりドストレート」


【そりゃそうでしょ。倒したと思ったらまた出て来て、高みの見物で好き放題決め込んでる】


それはそう。本当にショルシエのしつこさというか、しぶとさというか。絶対にこっちを格下と決め込んでる様子なのもムカつくし、腹立たしい。


何より害悪極まりない。諸悪の根源は間違いなくショルシエでアレがいなくなるだけで大体の事は丸く収まるんだから、倒した方が良いに決まってる。


【……何より、パッシオに好き勝手やってくれたのは絶対に許さないわ。安全圏でほくそ笑んでるあの顔に蹴りの100発はぶち込むと決めてる】


「ひゅっ」


あ、これ開けちゃいけない釜の蓋だったかも。と気が付いたのは真白お姉ちゃんの口からは聞いたことも無いドスの効いた低い声を聞いてからだ。


周りにそう悟らせてないだけで、真白お姉ちゃんは私達の想像の10倍くらいブチギレている。

受話器越しでもわかるくらいだから、もし目の前で見ていたら私が震えあがることになっていたのは間違いない。


同じ部屋で真白お姉ちゃんのお世話をしている美弥子さんが心配になる。チビってなきゃいいけど。


【あのクソアマを必ず引きずり出してやるわ。そのためには手段を選ばない】


「う、うん。そうだね」


高みの見物を決め込んでいるショルシエを表舞台に引きずり出してボコボコにしてやると息巻く真白お姉ちゃん。

もう阿修羅のそれだと思う。怖すぎてそれ以上聞けない。


本質の部分は私の男に手を出したクソ女絶対にぶっ殺す、なんだけどそんな茶々入れたら私がぶっ飛ばされる気すらするもん。


そんなことされないのは頭ではわかってるけど、そのくらいの怒ってることだけは伝わって来る。


ショルシエをぶっ飛ばすためには戦う以外の選択肢はない。どのみち戦うのなら最短ルートを選ぶ。真白お姉ちゃんの心境としては、もうなりふり構わずぶん殴りに行くとかそういう気概なんだろうなっていうのはよく分かった。


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― 新着の感想 ―
ショルシエの顔に蹴りを百発はぶち込む… まあ、親の仇だし。 国を滅ぼされた上にパートナーに手を出されたり、分体を使われて、モグラ叩き状態で苛つくから、骨の一欠片すら残さないように滅ぼすつもりですね。 …
???「どれ程の性能差だろうと···今日の私は、阿修羅すら凌駕する存在だ!!!」
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