表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
決戦に備えて

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1554/1723

星の道導


「魔法も科学も何かを起こすには世界に決められたルールに則って発現する」


「『繋がりの力』はそういうのを無視した能力だから、神様よりの力ってこと?」


「一般的な世界のルールを無視して、と言うよりは妖精の王の血族だけに許された特別なルールってところなんだと僕は解釈している。なんでもかんでも出来るわけじゃないからね。あくまで『繋がりの力』というルールの中で出来ることが普通のルールから逸脱してる」


なるほど。妖精の王にだけ許された特別ルール。それが『繋がりの力』。だから神様の力じゃなくて、神様に近い力って表現なわけね。


あくまで、私達に出来ないことが出来るってだけでそれ以上のことが出来るわけじゃない。それは確かに真白お姉ちゃんを見ていればその通りだと思う。


『繋がりの力』があるからって真白お姉ちゃんの普段出来ることはあくまで私達でも想像が出来る範囲に留まっている。


想像が出来るだけで、実際には出来ない事を天才的な魔法操作能力で熟して来るのは文字通り真白お姉ちゃんの天才的な才能の部分であって、別に真白お姉ちゃんにしか出来ないことではないと思う。


「初代妖精の王から脈々と受け継がれたこの能力には間違いなく意味がある。意味がないなら早々に失われているはずだからね」


「『繋がりの力』こそが妖精の王である証明ってことになるのかな。失われちゃいけない特性だったから消えずに残っているってことだもんね」


「その通り。初代妖精の王が『獣の王』を二柱の神と共に追い払うために神から賜った特殊能力だと仮定して、その時だけの能力なら既に神によって取り上げられているハズ」


確かにそうだ。本来、人や妖精が持っていない特別な力を神が与えたとして、与えたモノは神様なら取り上げることもそう難しくはなさそうだ。


そういうことが出来るから神様なんだしさ。私達の尺度で測れない、何を出来るのか想像することすら難しいから神様って呼ばれるんだと思うし。


仮に、世界を創ってそれを運用するのが神様の仕事であるなら、自分達が作ったルールから逸脱した特別ルールを持っている存在ってそれだけでリスクのある存在だから、与えたとしても用が済んだら速やかに取り上げると思う。


そうした方が安全だもん。残す理由があるから残したって考える方が自然かな。


「それが為されず、代々受け継がれたってことは、恐らく初代妖精の王や二柱の神は今起きている事態を予想していたんじゃないかな」


「『獣の王』がまた妖精界を襲って来るってこと?」


「追い払ったって記載がある時点でそういう意図があると思えない? 後世に残す美談や神話にするなら追い払ったなんて中途半端な表現じゃなくて、事実を多少捻じ曲げても倒したとか封印したとか、そういう表現をすると思う」


歴史とは勝者の都合の良いように改変されるものである、なんてことは何度か聞かされた話でもある。


確かに妖精界側が『獣の王』に勝ったという事実をより誇張して後世に残すなら勝利の印象を更に強くするために倒したって書くと思う。

追い払ったじゃ、ちょっと弱い。明確に勝ったというよりはギリギリ何とかなったって印象かな。


負けなかったけど、明確に勝ったという訳でもない。痛み分け、判定勝ち。そんな感じだよね。


「だから、この伝承は後世に『獣の王』との戦いに勝利したという美談じゃなくて、『獣の王』は未だに何処かで生きてこの世界を狙っているっていう警告の伝承だと思うんだ。そう考えれば、『繋がりの力』が現代まで受け継がれていることにも納得がいく」


「『繋がりの力』は『獣の王』に対する特攻能力であって、『獣の王』が討たれていない以上は受け継がれ続ける力、ってこと?」


「予想だけどね。少なくとも『獣の力』に支配された妖精を元の状態に戻す力があることは真白さんとパッシオさんが証明してくれた。あとはこれをより広域に広げられるのか、別のアプローチがあるのかが分かれば良いんだけど……」


そこは王家に伝わる秘伝書的な、あるいは王にだけ代々口伝とか? あ、でもそれならリアンシさんが知ってるハズだよね。

ってことは途中で口伝が途切れた? だとしたら厄介だよねぇ。


「一番最悪なのはまさにそれ。旧王国はプリムラ姉さんが亡くなってしまったからわからないし、帝国はショルシエがいるから論外。残るは公国なんだけど、もし公国でそういう言い伝えとかが失われてた場合、僕達は『繋がりの力』について詳しく知る術を失うことになるんだ」


完全に無意味ではないけど、無意味になってしまう可能性はある。それだけは何としてでも避けたい。


せめて、旧王国の資料とかを誰かが残してくれてたらな。


……んんん?


「あーーーーーーっ!!!!!!」


そこまで考えて、資料が残ってそうな場所に一つ心当たりがあることを思い出して、私は思わず大声を上げた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ふっふっふっ。 そういえば、伏線がありましたね(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ