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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
決戦に備えて

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青くて碧い


「ええ公園やん。街のど真ん中にこんな立派な公園あるなんて贅沢やなぁ」


やって来たのは街の中心部にある公園だ。昔っからある公園で、隣には神社と役所があってマジで街の中心。


公園の敷地内には体育館、陸上競技場、屋内プール、野球場、弓道場、野外ステージとかまぁ色々ある結構デカい公園だ。


街のイベントは大体ここでやるから常に人がいる感じだな。ランニングコースもあるし、遊具もあって子供から大人まで遊べる。

池もあって水鳥なんかもいたりする。最初はノンをここの池で飼うって案もあったらしいが、流石に街中過ぎて却下になったって話も聞いたことがある。


「別にそんな大げさに言うほどでもないだろ。たかが広い公園だぜ?」


「アホ言ったらアカンで。今じゃ都会は人が増えすぎて歴史のある公園ですら潰して行かなきゃならんくらいなんやで? 役所の真ん前がこんだけデカい公園なんてホンマ贅沢やわぁ」


にしったって大げさに騒ぐ鼓にウチはツッコミを入れるが、都会の住居問題は思っている以上に深刻らしい。


魔獣被害が出る前から都会ってのは人が集まり過ぎてるのが問題だったらしいけど、それは今でも変わんねぇんだとか。


いや、むしろここ数年魔獣被害が落ち着いて来た事で尋常じゃない人が地方から都市部になだれ込んでるらしいな。


やっぱ都会の方が仕事があるし給料も良いからな。大手企業の本社があるのもやっぱ都会の方が多いし、諸星グループ発祥の地がこの街でも、本社やグループ会社の大半は東京だ。


そうなりゃ、割の良い仕事を求めて東京に行くだけで20万近く吹っ飛んでいく飛行機での移動でも多少の無理をしてでも行くヤツが増えてる、らしい。


「大阪も酷いもんやで。関西のあっちこっちから人が集まって来てな。外に広げるにも対魔獣用のバリケードを外に広げるのはそう簡単やない」


「成程な。今まで自分達を守っていた物が邪魔してんのか」


「せやからって壊すわけにもいかんやろ? 魔獣被害が減った言うても0になったワケやない。バリケートの外はまだ魔獣達の領域や。昔の、人間が覇権を握ってた頃の土地の使い方は出来へん」


魔獣被害が出るようになって、人間の生存圏は相当に減った。そしてこれ以上襲われないように作った魔獣用のバリケードで都市部の人口が圧迫されてるなんて皮肉にも感じるぜ。


飼育場に箱詰めにして鶏を肥育するブロイラーみたいにも見えるな。何にしてもそんだけ人口がひっ迫したら問題が山ほど出て来る。


公園を潰してでも家やマンションを建てなきゃなんねぇんだろうな。


「都会も大変だなぁ」


「せやからこの状況は羨ましい限りやで。このままじゃ田舎の街はどんどん廃れて自衛もムズなる。そうなったら人類は自滅や。魔獣被害どころの話やない」


てか公園の中の整備された道を歩きながらなんつー話してんだよ、と我に返る。少なくとも成也やみなもがいる時にする話じゃねぇだろ。


いや、大事な話だけどよ。だからと言って魔法少女でどうにかなる話でもないし、どっちかと言えば政治家がどうにかする話だ。


今ここでウチと鼓が熱く語り合うことでもない。そういうのは少なくともオフの今に話すことじゃねぇや。


「せやった。すまんすまん。うちも大概やったなぁ。職業病やわ」


「偉くなるのも考えもんだな。遊べって豪語したやつが結局仕事の話してんだからよ」


「返す言葉も無いわ。チビちゃん達もすまんなぁ。お姉ちゃんと遊ぼうや」


「「わーい!!」」


真面目な話をしていることに気が付いていたチビ2人はすっかり大人しくなっていたのを、鼓がひったくるように小脇に抱えて遊具のあるエリアへと走って行く。


きゃっきゃと喜ぶ成也とみなもを見ながら鼓がコケることだけは無いように願っておく。ケガさせたら許さねぇからな。


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― 新着の感想 ―
古代の城塞都市みたいに、見張り番を立てて外壁(結界)を造り、壁が完成したら内側になった元外壁を外して整地する感じかも。 それでも非常時の予備結界は残しておかないといけないから、都市部の拡張工事が大変だ…
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