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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
合流

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獣道


そうやってお姉様の上昇志向をどうやって刺激するかを考えながらサンティエの街を歩いていて、私は1つ自分の中の変化に気が付きました。


以前はこうやってお姉様のことを考えると心がざわついていました。


お姉様の評価が高くなっていかないことに憤慨しているのは変わりません。

ですが、少し前の私ならきっともっと心がささくれ立ち、もっとピリピリしていたと思うのです。


「そういえば、お姉様に直接指導を受けているスバルさん達を見ても、特に何とも思わなかったですね……」


少し前なら、ズルいだとか何だとかそんなことを思っていたに違いありません。


ですが、今はそんな感情よりもスバルさん達の努力に感嘆するのです。


特にスバルさん本人の努力は並ではありません。合流して日が浅いというのにその努力は急速に実り、レジスタンスの新人程度なら圧倒出来る程度の戦闘能力を既に有しています。


才能、と一言で片付けるのは簡単ですが、才能よりも凄いのはその心の強さでしょう。


根性、とも言い換えられます。諦めの悪さなら私達の中でもトップクラスなのではないかとすら思わされるその姿に私自身ももっと頑張らなければと思わされるのです。


「まるでいるだけで周りを奮起させてくれるような人ですね。私とは絶対に反りが合わないと思ったくらいなのに」


私個人のスバルさんの最初の印象はあまり良くありませんでした。


ワガママを言う人だと、そんなにこの仕事は甘くないと。あの底抜けに明るいという雰囲気を振り撒いているのも気に入らない要素です。


「スバルさん自身も、仄暗い気持ちのひとつやふたつ、絶対に抱えているはずなんですけどね」


これは勘です。スバルさんのあの明るく振る舞っている様子は半ば演技であると。

周りを誤魔化すというより、自分を誤魔化すための立ち振る舞いでしょう。


自分は底抜けに明るいバカなのだと、自分に暗示をかけているわけですね。


あまり良い方法ではないと思いますが……。同じようなことをしている私に言う権利は無いでしょう。


それに、私自身が彼女に影響を受けています。『光』のメモリーを持っていると聞いていますし、彼女自身が暗い闇のようなものを祓ってくれているようにも思います。


「こうして、心が軽くなっているのもスバルさんと付き合いが出来てからですしね」


もしかすると、そういう特殊な能力を持っているのかもしれません。もちろん、これは冗談ですが。


さて、ひとりでブツブツ言っていると私が通報されてしまいますね。仕事に集中しましょう。


「目下、気になるのはテニトーレ氏とドゥーシマン氏ですか……。彼らはどうして路地裏のような人目を避けるような場所に……」


テニトーレ氏は近道をしようとして迷い込んでしまった、とのことですが字面通りに受け取って良いのやら。


それよりもドゥーシマン氏の方は理由も分かりませんし、どうしたものか。

真白姫様達を含めた指示役の方々は二国間会議の方に注力しているので、こちらに指示を出したりするのも難しいでしょう。


「あ、……成る程。そのためのお姉様なのですね」


そこまで考えて、ようやくお姉様が会議に参加しない理由に納得がいきました。


我ながら間抜けなものです。ちょっと考えればわかるというのに、個人の感情に振り回されるなんて。


やはり修行が足りませんね。もっともっと成長しなければ。


よしっと意気込んで、路地裏に入り込んで行くような怪しい輩がいないかを特に目を配っていくことにしましょう。


今のところ、テニトーレ氏は向かいの通りで露店を開いているのは見えますが、ドゥーシマン氏の姿は見えません。


まずは彼の動向を探ることにしましょう。今怪しい動きをしているのは彼ですからね。

夏の暑さと仕事の忙しさなどで頭が回らなかったので少し休ませてもらいました。


今日から再開します。よろしくお願いします。

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