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セシャトのWeb小説文庫2019  作者: 古書店ふしぎのくに
第八章 『双竜は藤瑠璃の夢を見るか 著・結城星乃』
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神様キャンプへようこそ

ここ最近図書館で読書会を開いておりますよぅ! 執筆されたい方は自習室にて執筆をしたり、コーヒーを飲めるスペースがあったりする図書館もあります。交通費を除けばお金の全然かからないのに素敵な夏休み、図書館めぐりはどうでしょうか?

(深呼吸、落ち着きましょう。神様が神々しくお煎餅を食べている姿に見とれてしまいました)



 トトは涼しい顔で神様が煎餅をただ齧っている姿を見つめていた。



「さてと、天妖は何に惹かれたのやら気になるのぉ。それにしても中世風の中華、和風の城下町は活気があってよいの! なんというか、温泉街みたいだの?」



 そう言って神様が指をパチンと鳴らす。

 そこは一面、麗国の城下町、紅麗を映し出す。トトは何度も見ても神様のこの奇跡と呼べる力に感激する。



「楽しそうですね! 神様」

「そうだの。しかし、あの焼き鳥みたいな串物が手に取って食べられんというのは閉口するの」



 そう言う神様の前にトトはシェフのような帽子をかぶって神様の前にBBQスタイルの焼き鳥串を差し出した。



「ダッカルビを串に刺して焼いた物にチーズを絡めて軽く揚げています」



 神様の好物三連打として神様は頬を染めてむしゃむしゃと食べる。そして見た目に反してこう言った。



「ビールを飲みたくなるのぉ」



 プシュという音とともにグラスにビールを注ぐと神様に差し出す。それを神様は満足げに受け取るとごきゅごきゅうと飲み干した。



「そう! この喉ごしの良いくらい。この作品は読みやすいであろ? 一話の量が適量だの、しかしこやつら面白い事を言いよるの。言葉は力を持つとな? その通りだ。特に大人が何気ない言葉で子供を傷つける事は一生残ったりするものの」



 子供は大人が思う程、子供ではなく。大人が思う程、器用ではない。幼少期にかけられる言葉のそれが子供の出来不出来に左右されてしまう事を親も教育者達も知らない。神様の言葉に対してトトは歌でも歌うテンションで語る。



「僕は神様にかけられた言葉全てを感謝として受け取っています」

「本当に貴様はできた子だの」



 神様に褒められて、トトは普段絶対お客様や汐緒には見せない幼い表情を見せた。それを見た事があるのは神様とバストくらいだろう。



「しかし、私たちは大きな力を持っていなくてよかったの……書にかかわる事以外は私たちは人外でも無能な部類に入る。こやつら力を持つ者はただそれだけで奇異の目を向けられたりするのかもの……得てして面白く世界はできておる」



 神様はトトが作った素麺をちゅるちゅる食べながらそう呟く。神様は力のない者と自らや古書店『ふしぎのくに』のメンバーを評した。

 Web小説にかかわる事以外は確かに普通の人間となんら変わらない。だからこそ、トトは人としてのスキルを沢山磨いている。磨けば磨くほど、人というものが分からなくなってきたのは誰にも言えない秘密でもあった。



「しかし、トト。貴様は春画とか見るかの? 今風に言えばエロ本か、まさかベットの下に隠していたりせんだろうの?」



 意外とトトは少し考えてからとんでもない事を返した。



「そうですね。美術としての春画には興味がありますが、ポルノ雑誌はあまり興味がないですね。ベットの下には神様の写真集があります」



 ぶほっ! と神様は素麺を吹き出す。



「マジかの?」

「はい! マジです」

「……うむ。育て方を間違えたかの、まぁ構わんが、なんというか素麺とは食べ始めるとうまいのだが、数回で飽きるの」



 トトは、お皿に綺麗に盛った薬味、そして鯖缶と梅干を差し出した。いわゆる味変えというもの。



「山形名物の素麺の食べ方ですよ! もし、また飽きがきましたら、沖縄風にチャンプルにします! あと、神様の春宵画があれば僕が全て買い占めますね」



 神様に性別はない。ある者は少年だと思い。ある者は少女だと思う。そういう風にできているのだ。神様の姿を知る方がいればどちらに見えるだろうか? それは貴方、あるいは貴女の深層心理を映す鏡。


 世の中にはいわゆる両刀使いや、同性愛を趣向とする方々もいる。香彩には申し訳ないが、彼はそういった眼鏡にかなったという事なんだろう。トトは療の怒る気持ちが少しばかり分かりながら、神様が大きな口をあけて自分の料理をおいしそうに食べている姿に満悦だった。



「ふふ、叶。こやつとはいい酒が飲めそうよの!」



 ケケケと笑いながら神様は、桜のチップでいぶした6Pチーズに八重歯を入れる。神様が作品世界における高位の存在と言える叶の事を呟くので、トトは少しばかり面白くなかった。そんなトトに神様は話しかける。



「この作品に出てくる心真礼、しかと覚えておけよ? もしかしたら近々使う事になるやもしれんからの。しかし、この作品の風俗描写は面白いの、栄える町はだいたい色町があるものよ。これも世界中で規制が厳しくなっておるけどの、ところでトト、貴様とバストは普段、二人でどんな遊びをしておるんだ?」



 女遊びの一つでもしているのかと神様は興味津々にトトを見つめる。トトはバストの事を思い出して少しばかり紅潮すると言った。



「パンケーキ店のはしごとかでしょうか?」

「女子か貴様ら!」



 神様が呆れていると、トトはダッチオーブンでパイを焼き始めていた。神様はそれを横目に夏とはいえ、山の夜は少し冷える。それがちょうどよく目を瞑って舟をこぐ。



「こやつらは、子供という事だの。心をさらしすぎだの」



 神様は紅麗の色町のドンに上手く事を進められている事に少しばかりバツが悪そうな態度を神様は目を瞑って楽しんでいた。

 文章を映像として読み取ってしまうセシャト達。そんな中でも神様は周囲の者にまでそれを及ぼす。

 トトは紅茶を淹れながら、神様の見ている情景に見とれていた。麗しい少年達の困り顔がまたなんとも言えない。



「天妖、魔妖を統べる王と記載がありますが、よくそんな得体のしれない者が人間と契約をしてくれたものですね」



 トトは白い手袋をすると、ダッチオーブンの加減を見に行く。いい感じにベリーパイが焼きあがっているので、それを切って神様の元に戻った。



「神様、夜のオヤツですよ!」

「おぉ! 気が利くのぉ!」

「えへへ、沢山のベリーを使ったパイです。はい、あーん!」



 トトのお店では女性客が、してほしくてたまらないトトに食べさせてもらうという行為。それを神様はいつでも受ける事ができる。神様は大きく口を開けるのでその中に大き目に切り分けたそれを入れてやる。



「うまい! 腕を上げたなトトよ! そうだの、作中にも書いておろう? 人間は弱い生き物だとの。弱い生き物は時として怖い生き物となる。人間、魔妖。それらの半妖がおるという事は、少なくとも共存できるという事だの……人間の怖さ、それは経験した者しか分からんがな」



 神様はトトの持ってきた紅茶のカップを取るとそれをぐびぐびと飲み干す。そして再び口を大きくあける。

 トトはそんな神様に再びパイを入れる。むぐむぐとおいしそうに咀嚼を決めてから神様は飲み込む。



「こんな月の綺麗な日は、不思議な事の一つや二つ起きても良いのだがの」



 トトは、そんな不思議な事は起きなくていいので、神様との時間を少しでも長くいたいなと思い自分で作ったパイと紅茶を食べて少しばかり自画自賛していた。

 ぴょんと神様が椅子から飛び降りると片目を開けてからトトに言う。



「嵐がくるぞ」

「えっ? でも、月が出るくらい晴れてますし……どういう事ですか? もし、寒いようであればテントの方へ」



 トトの呼びかけに神様は薄ら笑いを浮かべてその場を動かない。神様は焼酎を麦茶で割った物を口に含む。



「神様飲みすぎですよ?」



 神様は、神を名乗るだけあって酒を好む。されど、お世辞にも強いとは言えない。何度か二日酔いでトトのマンションに朝方帰ってきた事もあり、トトは神様のお酒の管理は厳しい。神様が持ち込んだ焼酎の瓶を神様の横からひょいと取り上げる。



「爆弾ハナタレって凄い名前ですね」

「まったく、トト。貴様は小姑か? そういえばいくつになったのだ?」

「今年の十一月で1歳ですよ」



 そう言えばそうだったなと神様は閉口する。この成りで、そして信じられない女たらしで、1歳かと……



「竜紅人は100歳越えておって、子供らしいのにの。月の光が栄養か、太陽は強すぎるからの、そういえば最近は月もあまり直視するなと言われておるよの?」

「それは、出鱈目だったみたいですよ! 光が随分弱いので大丈夫だとか?」



 トトにそう言われて、神様はグラスに麦茶のみを注ぐとそれをくいっと飲む。そして八重歯を見せて大あくび。



「神様、そろそろお休みになられますか?」

「香茶でも飲みたいものよの」



 香茶、所謂ハーブティーに関してはトトの専売特許。沢山小瓶を見せて神様にどれがいいか尋ねようとした時。



「嵐だの」



 それは本当に一瞬。瞬く間もない程の時間、突風、雨、雷が過ぎ去っていた。そんなヴィジョンを見ただけかと思ったが、神様とトトの服が濡れている事。そして神様のただでさえ癖毛がとんでもない事になっているのを見てトトはすぐに手櫛で神様の髪型を整える。



「今のなんだったんですか?」

「香彩が感じ見た物はなんだったかの? トト、貴様は何を見た?」



 まさかとトトは思った。そんなハズはないと……だが、瞬間トトの記憶の中には大きな目に見つめられた記憶が綺麗に残っていた。



「……まさか、ド」



 トトが何か言いかけていた時に、おーいと声がする。それはちゃんとしたタキシードに身を包んだブックカフェ『ふしぎのくに』店長代理の汐緒。そして、やっぱりメイド服のままやってきた少年。大友。

 そんな二人が来た事にトトは少しばかり面白くない顔をしてから、二人に営業スマイル。



「お二人とも、神様キャンプにようこそ」

こちらを、トトさん組と神様が読み込んでいく事になりますよぅ! 汐緒さんと大友さん、度々でてきますよね! 実は東京に大友さんのモデルの方、汐緒さんのモデルの方がいるそうです。男の娘って本当に女の子と見間違える方がいらっしゃいますよね!

 さて、そんな女の子と見まごう綺麗な男の子達の成長と運命の物語、『双竜は藤瑠璃の夢を見るか 著・結城星乃』是非ぜひ一緒に楽しみましょうね!

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