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セシャトのWeb小説文庫2019  作者: 古書店ふしぎのくに
第七章 『Spirit of the Darkness あの日、僕は妹の命と引き換えに世界を滅ぼした 箸・黒崎光』
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大衆受けするキャラクターを造形すると似る

まだ梅雨が続いているみたいですね^^ でももうじき夏休みがやってくるんじゃないでしょうか? そう思うと曇天もなかなかに楽しみでもありますね!

「なななななな! なんなん!」



 ヘカはぐるぐると目を回す。ヘカがそう言った相手は、来客があるので店へと戻り、ヘカは『Spirit of the Darkness あの日、僕は妹の命と引き換えに世界を滅ぼした 著・黒崎 光』のページを見るが、全く内容は入って来ない。

 フロンティアの行動理念が少しばかり狂っているように感じるシーンですらヘカは全然入ってこない。

 それは全て店に出ている少年、石川を意識してしまっているが故。ヘカがビクっと反応する。母屋に入室。

 その人物を見てヘカは安堵する。



「欄ちゃん、何してるん?」

「いやぁ、差し入れっすよ! しかし、今どき珍しい好少年っすね。はい、国技館の焼き鳥っす」



 両国国技館の伝統的なお土産を見せるとヘカはそれをあけて、つくねに齧りつく。



「うまいん!」



 もむもむと焼き鳥を食べるヘカが読んでいる作品を見て欄が鋭い目をしてみせた。



「この作品っすか? SFとして随分やばい領域のお話を書いてるっすよね? 十次元、なんなら十一次元くらいはフロンティアと人間の世界で証明がついてしまうかもしれねーっす」



 欄の語る意味をヘカは1ミリすら理解しないのに、タレの皮を食べてから頷く。



「欄ちゃん、よく分かったんな?」

「いや、絶対ヘカ先生分かってないっすよね?」

「いいから話すん」



 欄はこのニューロデバイスと、意識の保管に関して、弦理論が使える事を語った。その弦理論という物が簡単に言えば一次元より下はないという考えである。

 そう、情報という世界からすれば世界は解明できるという事を欄は同じく焼き鳥を食べながら語った。



「恐るべきは、独立した意識プログラムが独立した世界を構築して、さらには現実への干渉が可能であるという事なんすよね。それはもう十一次元云々の話じゃねーんすよ。ネメシス一つとってもこれ程まで有用な侵略兵器はねーっすよ」



 ヘカとは別の領域からそれを読み取る欄は、あきれ果てる。何故なら、読み用によってはこの技術が確立すれば黙示録を人の手で、午後のティータイムの片手間に行えてしまう程度の事は記載されている。



「実体とそうじゃない幼馴染。こんな夢想のような関係をよくここまで表現してみせたんな? 永久の実現とでも表現すべきなん? ヘカはSFは苦手だから分からないんけど、この作品はSFという枠で収めておくのは勿体ないんな?」



 欄はうっとりと響生とアイの会話シーンをヘカが読んでいる中、少しばかり悪い顔をしていた。彼女は今の自分の知識と技能で彼らと電子戦をしたら実に面白いだろうなと、少しばかりよからぬ事。長く一緒にいるヘカは呆れる。



「欄ちゃんは勝てるん?」

「そうっすねぇ、情報伝達速度がどう見積もっても異常っすからね。さしずめ神に挑むような無謀さはあるっすね。それ故、面白そうっすけど」



 よくSF等で、地球と宇宙を巡行している船等の電話やメールのやりとりに非常に大きなズレがある描写がされていると思う。

 あれは通信速度を距離が越えてしまっているが故に起こる現象。それを本作は恐らくほぼ誤差無しでやってのけているのだ。



「じゃあ勝ち目ないんな?」

「どうっすかね? ソ連の監視衛星観測基地を潰した時は、電池とラジオ、テスターだけしか道具なかったんすけどね」



 ヘカは焼き鳥を二本手に持つと大きく口をあけてそれを一気食いする。ゆっくり咀嚼してごくんと飲み込む。



「災難な基地なんな」

「それにしても、百倍に引き延ばされた体感時間って、アリアさんが飲まされていたスピーダーが泣いて逃げ出す異常性っすね」



 スピーダーとは、去年の紹介小説で登場したアリアが飲んでいた認識域と動体及び思考速度を飛躍的に上げる薬、体感時間を3倍から4倍程に引き上げる事ができる。

 それを元に響生の機体が放った銃撃あるいは砲撃の表現に関して欄は呆れる。百倍に体感時間が引き延ばされた状態でその砲撃の弾道すら見えないという。



「ある種の魔法の確立っすよ。だいたい秒速10キロ以上の初速で発射されていると考えていいっすね。音速で言えばマッハ30以上っす」



 まばたきする暇もないとはよく言うが、これだと、自分が撃たれた事すらも感じられないだろう。



「欄ちゃんはいつも夢のない事を言うんな? それでよく同化する事ができるん」

「そうでもないっすよ! 物語としても楽しんでるっす。響生さんに支給される兵器は多分、何かしらの意図を感じるっすけど、それを文句言うもんじゃねーっすね。自分なんて、現地獲得ばっかでしたから、あるだけマシっすよ」



 その結果が国際指名手配。ヘカのマンションに居候と……実に波乱万丈な事だなとヘカは最後の焼き鳥を食べてから二箱目に手を伸ばそうとしてやめた。



「石川にとっておいてやるん」

「なんすか? あの少年に気があるんすか?」

「違うん! セシャトさんがいない間はヘカがここの責任者なんっ! ヘカは従業員に優しいんな!」



 慌てるヘカに欄はケラケラと笑いながら、タブレットの画面を見ながら言った。



「ヘカ先生がねぇ、ウケるっす! あはは」

「欄ちゃん! 笑うのを止めるんっ!」



 あははと笑う欄は一つ面白い描写を見た。生身の少女を響生が保護するシーン。この状態のまま仮想領域に瞬時にダイブさせた。

 ようやく、世界が理論上の研究をはじめたこれら技術が惜しみなく投入されている。この作品は気が遠くなる程の未来で、未来予知をしていたと言われるかもしれないと一人でそんな事を考える。

 そして、ヘカも弱そうなこの描写に関して話を振ってみた。



「美鈴さん、乙女っすねぇ。こういう環境でも遺伝子(コード)の配合は恥ずかしいものなんすかね? ヴァーチャルセックス。ここに極まれりっすか?」

「欄ちゃん! 言い方なん!」



 ペロりと舌を出して欄は悪戯っぽく笑う。



「女の武器は色っすよ? まぁヘカ先生の身体じゃあ……案外マニア向けしそうっすね。あの少年とヘカ先生も」

「馬鹿なん? 欄ちゃんは馬鹿なん? そんな経験欄ちゃんはあるん?」



 ヘカのその慌てようを愉しみながら、欄はペットボトルのおーいお茶を飲むとなまめかしい表情を作ってからこう言った。



「秘密っす」

「普通に、非処女っぽいん」

「どうっすかね? 乙女と言えば、アイさんもそうですし、響生さんも健全な少年っすね。不思議な事になろう作者さんはエロスに対する宗教的禁忌みたいな信仰があるっすからね。勿体ねーっすよ」



 それは単純にバンされかねないからという事もあるのだ。ぐいぐい攻めてみて当方の紹介小説もいつバンされるかは分からないが、出来る限りの表現の自由に挑戦しようとは思っている。



「さすがに夢が壊れるんよ。こんなところで響生がエロゲの主人公よろしくな行動し始めたらびっくりなんな?」



 ヘカのあたりまえの返答に欄は頷きながらアイの容姿についてヘカに聞いてみた。



「アイさんってセシャトさんの色違いみたいな感じっすね」

「どちらかといえばセシャトさんが2Pカラーなんな? 基本的なヒロインの容姿は大体何パターンかに分かれるんよ。だからどうしても別作品でも似通ったキャラクターが出てくるん。これはある意味で、王道なんかもしれないんね」



 セシャトさんは神様により作られた。大衆的で、大衆受けをしやすく、親しみやすいキャラクター。



「じゃあヘカ先生は?」

「シークレットなんな」



 ヘカはまさにアイ達のような存在にだいぶ近い。本来レギュラーとして存在しえなかった彼女だが、フォロワーの方が姿をくれた。そしてそれが公式化するというイレギュラー。



「ならヘカ先生を解析すれば、フロンティアと戦争できるかもしれないっすね!」

「欄ちゃんは馬鹿なんね! ヘカはフロンティア側につくんよ!」

「馬鹿は私じゃなくて、ヘカ先生っすよぉ!」

「馬鹿じゃないん! ヘカなんっ!」



 馬鹿の言い合う中だが、飛び込み盾となった響生は優しい馬鹿という言葉をもらう。ヘカは人類に仇名し、死霊と呼ばれるフロンティア側につくという。魔女と死霊が手を組むというのは中々洒落ているなと欄は思う。



「じゃあ、自分もフロンティア側っすねぇ。でもそうなったら人類最高の頭脳がフロンティアにつくっすから、地上は滅ぶっすね」



 仮想世界と思い、響生を傷つけた少女への説明の描写は中々ぐっとくる。戦争とはいつだって理不尽であり、意思疎通ができなかった時に起こる理不尽な人災なのだ。

 そして、それは戦争を始めた連中ではなく、いつだって一般人が被害者となる。



「人間は戦争が好きっすね。天国が確立されても始めてるんすから、この作品はわりと絶望の未来を見せてくれていながら、実のところリアルなんすかね?」



 神話や宗教の教えを見ても分かるとおり永劫の平和が訪れた事が無い。それどころか、作り物である神話や宗教書ですら戦争描写があったりする。

 二人がくつろいでいる母屋へ石川が入って頭を下げる。



「ヘカさん、お疲れ様です! お先失礼します」

「石川、お疲れ様なん!」

「おっ、好青年。どうやってウチのヘカ先生を口説いたんすか?」



 怒るヘカに、困る石川。



「ヘカさん、明日の出勤ですが少し遅れるかもしれません。よろしいですか?」

「しかたがないんな? 欄ちゃんに店番させるから大丈夫なんよ?」



 欄はまた勝手な約束をされたなと呆れながら了承。石川は、両国国技館の焼き鳥を土産にそのまま帰宅していく。再び作品を読もうかと思った時、ヘカの腹の音が鳴る。



「何か喰いに行くっす? それともウーバーイーツでなんか頼むっすか?」



 スマホを見た欄は、緊急速報で怪盗・五右衛門の予告状が届いた事がトップニュースで流れていた。

『Spirit of the Darkness あの日、僕は妹の命と引き換えに世界を滅ぼした 著・黒崎 光』本作の紹介に私は出ないんですね……最初の第一話のちょっとだけですか……そうですか。最近、ヘカさんの人気が上昇中ですので、ヘカのWeb小説文庫みたいになってますよね^^ でも、私もヘカさんと欄さんが出てくる回は楽しませてもらっていますよぅ!

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