表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/105

第69話 ねえ、どうかな?

 ちょうど、その頃。



 今、僕は、由衣先輩と二人きりである。


 姉さんと蓮先輩は、推薦試験の説明で職員室に行っているのだ。


 瑞希先輩はと言うと、



 ”私も、チョット用事があるから、行くね”



 そう言って、席を立った。


 何だか、二人きりになるように、狙ったみたいである。


 そんな訳で、屋上のベンチので二人きりで座ってた。



 「(ニコニコニコ)」



 由衣先輩が、何が良いのか、機嫌よく笑っている。


 以前と違い、凄く綺麗になった先輩が、こちらを見て微笑んでいると、どうしても緊張してしまう。



 「ねえ、優くん」



 僕が緊張していると、先輩が声を掛けてきた。



 「私、どうかな? イメチェンしたんだけど」



 そう言ってきた先輩に、僕は、逆に尋ねてみた。



 「どうしたんですか、急に変わってしまって、何かあったのですか?」



 そんな、僕の問いに対して、先輩が、




 「優くん、海に行ったときに言ってくれたよね、私の事、可愛いって(第60話参照)。

それで、私、自信を持てるようになれたし、だから、優くんの為に綺麗になりたいって思ったのよ。

お願い、優くん、私は綺麗になれたの、優くんの口から直接聞いてみたいのよ」




 先輩が、ベンチを立ち上がって一歩近づくと、真剣な瞳で僕の目を見詰めながら、尋ねてきた。


 その真剣な先輩の瞳に、射抜かれた僕はたじろいだけど、正直に今の気持ちを答える。



 「はい・・・、先輩、とても綺麗になって、とってもビックリしました。

でも、まるで別人の様に、自信に(あふ)れていて、最初気付きませんでした」



 そうすると、先輩が更に近づき、前かがみになりながら顔を接近させると。



 「ふふふっ、さっきも言った通り、優くんが私に可愛いと言ってくれたから、私は、こんなに変われるくらいに、自信を持てるようになったの」



 顔を近づけたまま、先輩が視線を緩めるが、相変わらず僕の顔をジッと見詰めていたので、次第に僕の顔が熱くなりだした。




 「あれ〜、優くん、顔が赤いよ♪」


 「だって、美人に顔を近づけてこられたら、誰だって・・・」


 「・・・ありがとう」




 先輩がそう言うと、僕の頬を両手で挟んだ。


 

 「優くんの頬、ホントに熱いね・・・」



 そんな言いつつ、先輩が僕の頬を撫でる。


 柔らかくて、姉さんより更にヒンヤリした手が僕の頬を滑って行く。


 そうやって、しばらくの間、先輩が僕の頬を撫でていたのであった。


 ・・・




 *****************




 ・・・


 もうそろそろ、予鈴が鳴る頃合いになってから。



 「ねえ、そろそろ戻りましょうか」



 と先輩が言ってきた。


 先輩の言葉を受けて、僕が立ち上がりながら、



 「でも、先輩、茶目っ気も出てきて、何だか、姉さんに似てきたね」



 僕がそう言うと、先輩が一瞬、暗い顔になるが、一転して笑顔になり。



 「うふふ、優くんの好みになったと、思うことにするね」



 そんな意味深な事を言った。




 「ねえ、ほら、早く行かないと遅れるよ」


 「あ〜、先輩、引っ張らないで〜」




 先輩が僕の手を引いて、校舎に戻る。


 ”女の子は、変われば変わるものだな”と、先輩に引っ張られながら、心の中でそう思っていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品同様、姉弟のイチャイチャした作品です。
砂糖づけ姉弟
こちらも姉弟のイチャイチャした、星空文庫の読み切り作品です。
猫姉と犬弟
新年のコタツの中で〜寝ている姉にいたずらする〜
寒い冬の夜の出来事〜弟の布団に姉が無断侵入〜
あと、もう少しだから……
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ