第28話 寝ている弟にイタズラ
今回は、華穂視点の話です。
「トントントン、トントントン」
「ふうっ」
包丁を持つ手を一旦止めた。
今日の朝もまた、いつも通り、お弁当の用意をしている。
「はあ〜っ」
不意に、アクビが出てきた。
昨日は、カナリ遅くまで勉強していたから、眠気がまだ残っている。
眠気が残る目を擦りながら、時計を見る。
もうそろそろ、起こす時間だね。
そう思うと、私は早速、ゆうくんの部屋へと向かった。
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「コンコンコン」
部屋のドアをノックする、返事が無いようだ。
そう判断すると、部屋のドアを開け、中に入る。
中に入って見ると、やはり、ゆうくんはまだ眠っている。
それから、ゆうくんを起こす為に、ベッドに近づく。
ゆうくんを起こそうとした、その瞬間、ゆうくんの安らかな顔を見て、一旦、起こすのを止めた。
「もう少し、ゆうくんの寝顔を眺めてみよう♡」
まだ充分時間もあるのだし、
そう思うと、腰を下ろして、カーペットの上に座った。
すると、ベッドに寝ている、ゆうくんの寝顔が間近に見える。
ゆうくんは、パッと見、地味だけど、よく見るとイケメンだ、それも可愛い系の。
その上、名前通り優しいし、物腰も柔らかい。
まあ確かに、大人しめの娘に、人気があるのも分かるなあ。
そんな事を思いながら、ゆうくんを眺めていた。
ゆうくんを眺めている内に、何となくゆうくんに触れてみたくなり。
おもむろに、ゆうくんの頬を指で突いてみた。
「うんん〜」
そうすると、ゆうくんが反応した。
その事が面白くなり、しばらくゆうくんを突いて遊んでいた。
しばらく、ゆうくんで遊んでいたが、なんだか可愛そうになり、今度は、ゆうくんの頬を撫でてみた。
ゆうくんの頬は、男の子とは思えない程、滑らかでツルツルしている。
その感触が気持ち良いので、ゆうくんの頬を撫でていた。
・・・
しばらく、ゆうくんの頬を撫でていたけど。
頬だけでは飽き足らず、視線を、ゆうくんの胸元に移した。
ここ最近は、ゆうくんとは受験勉強で、別々に寝ているから。
ゆうくんの感触が、不足気味である。
なので、ゆうくんにスリスリしたくて、たまらないのである。
なんとなく、ムラムラした私は、体をゆうくんの胸元に移動して。
それから、ゆうくんの胸板に、頬を乗せると、ゆうくんの胸にスリスリしだした。
「気持ち良いよぉ」
ゆうくんの胸の感触に、すっかりトロけてしまった。
いつの間にか、私はスリスリする事に夢中にになっていた。
そうして、スリスリしてと、突然、頭を撫でられた。
顔を上げると、ゆうくんが頭を起こしながら、微笑んでいる。
「姉さん、朝からイタズラはダメだよ」
ゆうくんは、微笑みながら、そう言った。
そうして、私の顎の下や、耳の後ろを指先で撫で出した。
「ちょっとぉ、私は猫じゃないよ〜」
「猫だよ、それもイタズラな」
そう言って、私の顎の下や、耳の後ろを指先で撫でつづけた。
だけど、その感触が意外と心地良く、思わず目を細めてしまった。
「ほら、やっぱり猫だね」
そう言うと今度は、私の頭を自分の胸に押し当てると、私の頭を撫で出した。
頭を撫でる、その感触に、またトロけてしまった私は、無意識の内にスリスリを再開させてしまった。
「ゆうくん、気持ち良いよ〜」
そう言いながら、私はひたすらスリスリしている。
結局、遅刻する寸前まで、私は、スリスリを繰り返していたのであった。




