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第28話 寝ている弟にイタズラ

今回は、華穂視点の話です。

 「トントントン、トントントン」


 「ふうっ」



 包丁を持つ手を一旦止めた。


 今日の朝もまた、いつも通り、お弁当の用意をしている。



 「はあ〜っ」



 不意に、アクビが出てきた。


 昨日は、カナリ遅くまで勉強していたから、眠気がまだ残っている。


 眠気が残る目を擦りながら、時計を見る。


 もうそろそろ、起こす時間だね。


 そう思うと、私は早速、ゆうくんの部屋へと向かった。





 ***************




 「コンコンコン」



 部屋のドアをノックする、返事が無いようだ。


 そう判断すると、部屋のドアを開け、中に入る。


 中に入って見ると、やはり、ゆうくんはまだ眠っている。


 それから、ゆうくんを起こす為に、ベッドに近づく。


 ゆうくんを起こそうとした、その瞬間、ゆうくんの安らかな顔を見て、一旦、起こすのを止めた。



 「もう少し、ゆうくんの寝顔を眺めてみよう♡」



 まだ充分時間もあるのだし、


 そう思うと、腰を下ろして、カーペットの上に座った。


 すると、ベッドに寝ている、ゆうくんの寝顔が間近に見える。


 ゆうくんは、パッと見、地味だけど、よく見るとイケメンだ、それも可愛い系の。


 その上、名前通り優しいし、物腰も柔らかい。


 まあ確かに、大人しめの娘に、人気があるのも分かるなあ。


 そんな事を思いながら、ゆうくんを眺めていた。


 ゆうくんを眺めている内に、何となくゆうくんに触れてみたくなり。

おもむろに、ゆうくんの頬を指で突いてみた。



 「うんん〜」



 そうすると、ゆうくんが反応した。


 その事が面白くなり、しばらくゆうくんを突いて遊んでいた。


 しばらく、ゆうくんで遊んでいたが、なんだか可愛そうになり、今度は、ゆうくんの頬を撫でてみた。


 ゆうくんの頬は、男の子とは思えない程、滑らかでツルツルしている。


 その感触が気持ち良いので、ゆうくんの頬を撫でていた。



 ・・・



 しばらく、ゆうくんの頬を撫でていたけど。

頬だけでは飽き足らず、視線を、ゆうくんの胸元に移した。


 ここ最近は、ゆうくんとは受験勉強で、別々に寝ているから。

ゆうくんの感触が、不足気味である。


 なので、ゆうくんにスリスリしたくて、たまらないのである。


 なんとなく、ムラムラした私は、体をゆうくんの胸元に移動して。


 それから、ゆうくんの胸板に、頬を乗せると、ゆうくんの胸にスリスリしだした。



 「気持ち良いよぉ」



 ゆうくんの胸の感触に、すっかりトロけてしまった。


 いつの間にか、私はスリスリする事に夢中にになっていた。


 そうして、スリスリしてと、突然、頭を撫でられた。


 顔を上げると、ゆうくんが頭を起こしながら、微笑んでいる。



 「姉さん、朝からイタズラはダメだよ」



 ゆうくんは、微笑みながら、そう言った。


 そうして、私の顎の下や、耳の後ろを指先で撫で出した。




 「ちょっとぉ、私は猫じゃないよ〜」


 「猫だよ、それもイタズラな」




 そう言って、私の顎の下や、耳の後ろを指先で撫でつづけた。


 だけど、その感触が意外と心地良く、思わず目を細めてしまった。



 「ほら、やっぱり猫だね」



 そう言うと今度は、私の頭を自分の胸に押し当てると、私の頭を撫で出した。


 頭を撫でる、その感触に、またトロけてしまった私は、無意識の内にスリスリを再開させてしまった。



 「ゆうくん、気持ち良いよ〜」



 そう言いながら、私はひたすらスリスリしている。


 結局、遅刻する寸前まで、私は、スリスリを繰り返していたのであった。



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