表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺、ヒーローなんだけど   作者: くま太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/59

コカソンイエロー?

新しいパソコンで書きました。

 不幸中の幸いで、体育館にいる人の視線は仮面の男とユースファイブに集まっている。結界の効果もあるし、俺がいなくなっても誰も気付かないと思う。

 足音と気配を消して、体育館を後にする。

 そのまま変身用に確保された第三保健室に移動。


「吾郎です。ポーチャーの気配がしたので、俺も出ます。それと人を包める様な大きい布……シーツとか借りられませんか?」

 ドアを閉めると同時に変身。今は一刻を争う状況なのだ。


「救護班が持ってきたシーツがあります。それよりポーチャーの気配って、本当ですか?」

 保健室の空気が一変する。城宮ここにポーチャーがいるって事はハザーズが繋がっている可能性が高いって事だ。そして城宮のハザーズは人化の術を持っている。

 これは、かなりまずいパターンなのだ。


「何回か遭遇しているので、間違いありません。念の為にバーディアンの関係者に連絡を入れておいて下さい」

 俺がポーチャーを倒しまくると、バーディアンの面子を潰しかねない。きちんと仁義を通しておいてこそ、安定したヒーロー活動を送れるのだ。


「分かりました。このシーツを使って下さい」

 職員さんからシーツを受け取り、体育館へと向かう。


「ユースファイブは初戦闘なので、周囲を確認しないで浄化技を使う可能性があります。その場合は被害者かめんのおとこの救護を最優先でお願いします」

ユースファイブが体育館で浄化技を使ったら、仮面の男は皆の前で元の生徒に戻ってしまう。そうなれば、その人は校内で居場所をなくして退学するしかなくなる。

仮面の男はハザーズに唆された被害者の可能性が高い。それだけは絶対に防がなきゃいけないのだ。


「避難する生徒に気を付けて下さいね」

 職員の忠告に親指を立てて応える。

ハザーズが現れた瞬間は茫然自失となり、固まってしまう。しかし、我に返るとパニックになり我先に逃げようとするのだ。

 しかし、コカトイエローを見たら安心する筈。

 そうしたら落ち着いて避難する様に諭すのだ。これぞ上級ヒーローの鏡である。


  廊下に出たら誰もいませんでした。皆様、避難が早いですね。いや、仕事が少なくなって嬉しいんだけどね。

 今、廊下にいるのは、でかいシーツを持った俺だけ。このシーツは、大怪我をした被害者を包む為の物……ぶっちゃけ邪魔です。


そして今回の目標


目標一・体育館にいる人達の安全確保。特に健也はまだコートにいる可能性があるので、確実に保護したい。


目標二・仮面の男の保護。間違って倒したら、それこそハザーズの思う壺だ。

闇の力が増大して、危険度が増す。なにより人化の術を持っているハザーズにパワーアップされたら大変な事になってしまう。


目標三・ユースファイブに経験を積ませる。贅沢を言えば、浄化技を使ってもらい仮面の呪縛から解放して欲しい。新規の解呪って地味に大変なんです。


目標四・ポーチャーを倒す。出来たらハザーズ同士が繋がっている証拠をつかみたい。


今回の努力目標・月山が自慢出来る格好いいヒーローになる事。元カノさん?に自慢できるレベルなら復縁のアシストになるかもしれない……もし、ドン引きさせたらラーメンでもおごろう。


(それじゃ気合を入れていきますか)

 俺はヒーロー……甲二級ヒーローコカトイエロー。皆の安全を守るのが、俺の使命だ。

(シーツは四つ折りにしてマントみたく首に巻けば良いか)

 気合を入れ直して体育館に突入した。


 体育館に入った途端歓声に包まれた。ただし……。

「いけー!エースレッド。あれ、城宮うちの生徒だよな?凄くね」

「チャラブルー、格好いい。仮面の男を倒せー」

「ギャルピンク、スタイル良くね?何年だろ。皆、応援しようぜ」

「ドクモホワイトか。うちの学校読モしいている子、多いからなー。ドクモホワイト、頑張れ」

 ユースファイブへの歓声でした。それとモブイエローの事を忘れないで上げて下さい。

(すげー気まずい。今、乱入したら空気読めないヒーロー扱いされないか?)

 仮面の男をかっさらたら、横取り野郎扱いされるだろうな。

 今は観察に徹底するのが得策だ。その為には……。


 月山満と中野小夜は家が隣同士で生まれた時からの幼馴染みだった。小中と同じクラスで何をするのも一緒。自然に恋仲になり中一の時に付き合い始めた。

 相思相愛、しかもお互いの両親公認。まさに順風満帆な恋愛であった。

 しかし中二の時に小夜がスカウトされてアイドル中秋小夜になった事で状況は一変する。

 最初は黙認していた事務所も小夜の人気が上がるに連れて、満に別れる様に迫った。

 満自身も幼い頃からの小夜の夢であったアイドルを応援する為に、身を引いたのだ。

 その為にあえて小夜とは違う高校へ進学し、吾郎と健也に出会い親友になった。


吾郎あいつは、何をしているんだ?」

 その親友ごろうがシーツに身を包みながら、反対側の電光掲示板に身を隠していたのだ。正確は電光掲示板が設置されている壁にしがみついていた。

 観客はユースファイブと仮面の男に注目しているので、会場で気付いているのは満だけである。

 そして目があった瞬間、こっちを見るなとアイコンタクトを送ってきた。


「大酉君って、コカトイエローだったの?一回戦っている所見た事あるけど、凄く強いんだよね?……あそこで何しているのかな」

 小夜が小声で話し掛ける。吾郎への心配りもあるが、一番は大事な恋人との時間を邪魔されない為だ。人気アイドルの小夜は忙しく、満と満足に連絡を取れない事もある。

 そんな小夜が満と並んで過ごせる時間を過ごせるのは、奇跡に近い物なのだ。


「強いけど、あいつ窮屈な位に色んな事に気を使っているんだよ。ヒーローだからって威張らないし、力も振りかざさない。今も何かに気を使っているんだと思うぞ。まったく、損な性格だよな」

 そう言って嬉しそうにため息を漏らす満を小夜は嬉しそうに見ていた。


「大酉君と仲が良いんだね……ねえ、みっ君、皆の様子がおかしくない?」

 小夜が怯えた様に周囲を見渡す。小夜の言う通り、館内は異様な熱気に包まれていた。


「まだ倒せないのか?」

「役立たずヒーロー」

「早くそいつを殺せ」

 口々に汚い言葉を投げかける観客。その目には狂気が宿り始めていた。


「大丈夫、何かあっても吾郎が……いや、俺が守ってやる。なんか仮面の男でかくなってないか?」

 満のいう通り仮面の男は館内に充満しつつある闇の力を吸収して体を大きくしていた。


 やばい。仮面の男がパワーアップしている。それと完全に出るタイミングを逃しました。

(ユースファイブは慣れない戦闘で決定打を打てずにいる。それに観客が狂気に呑まれかけている)

 何よりこれ以上闇の力が注がれたら、仮面の男は人間に戻れなくなってしまう。

 ……打開策はある。でも、俺が一番損な役割なんだよな。

 でも、時間がない訳で……仕方ない。やるしかしかないか。

 壁から飛び降りて、仮面の男の背後に移動。


「ユースファイブ、俺がこいつを抑えているから浄化技を使え」

 そのまま仮面の男を羽交締めにして、ユースファイブに指示を送る。


「あれはコカトイエロー?なんで、こんな所に」

 モブイエロー、今は疑問に思わないで。勢いって大事よ。


「偶然通りかかったんだ。早くしないと、抑えきれなくなる」

 まだ余裕だけど、嘘も方便。早く浄化技を使わせないと。

(それでも人に技を放つのはためらうよな。もうひと押ししないと)

 何か渋い台詞がないか考える。


「分かりました。皆、行くぞ」

 レ、レッド君。いくら何でも早くない?


「俺ちゃんも同意だ。一気に勝負を決めようぜ」

 ブルー、一回は反対するのがセオリーだと思うけどな。


「あたいも賛成。このままじゃらちあかないし」

 ピンクさんも賛成なんですか?俺の見せ場消えるの?


「皆の意見は一緒だね。それじゃ皆力を合わせるよ」

 ホワイトさん、意見合うのが早くないです?もっと議論しましようよ。


「「「「「秘技ブルーシャイン」」」」」

 次の瞬間、何の躊躇いもなく仮面の男と俺を爽やかな青い光が包んだ。

(身体的ダメージはなし……でも、これは心に来る)

 秘技を喰らってユースファイブの本質が分かった。確かにこれなら仮面の呪いも解けると思う。


パソコン新しくなったの良いけど、変換候補が全消えです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
浄化技って物理的ダメージを与えない物、みたいなイメージがあるし 時と場合を選ばずにぶっ放すイメージがあるw
ブルーシャインで積極的に…ならないんだろうなぁ…それもよき
主人公も作者様もドンマイよ〜!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ