表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】高校生WEB作家のモテ生活 「あんたが神作家なわけないでしょ」と僕を振った幼馴染が後悔してるけどもう遅い  作者: 茨木野
第2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/236

77話 編集さん来訪



 お祭りの翌朝、僕が8時くらいに起きて作業していると、玄関でチャイムが鳴った。


「だれだろ?」


 僕は2階の自室から1階へ降りていき、玄関を開ける。


「はーい……って、芽依めいさん」


 僕の担当編集、佐久平さくだいら 芽依めいさんがそこにいた。


 朝から暑いというのに、半袖シャツにタイトスカートというカッチリとした格好だ。


「やっ、先生おはよう! 今日も暑いね~」


 芽依さんは汗をかいていた。

 ふわりと甘い大人の匂いが鼻腔をくすぐりどきどきする。


「中に入ってください。お茶いれますので」

「あ、ごめんね! ありがとー! 暑くってねー!」


 芽依さんは段ボールを抱えていた。


 なんだろう?


 麦茶を入れてリビングへ行き、お茶を出す。


 ごきゅごきゅっ、とすごい勢いで芽依さんが麦茶を飲み干す。


「ありがと、先生! おいしかったー!」


 ちらちら、と芽依さんが僕に目配せをする。


「あ、えっと……おかわり……」

「いる!!」


 結局3杯くらい飲んで、芽依さんはホッと一息つく。


 冷房の効いたリビングにて。


「先生、朝早いね」

「6時には起きてますので」


「6時!? なんでそんな早くに起きてるの?」

「え、小説書いてますけど……」


 僕は起きたらまず、更新用のネット小説を書く。


 で、書けたらその日のうちに投稿する。


「なるほど……さすが神作家。朝活を日常の一部にいれてるとは……」


「それで、芽依さんはどんな用事? 父さんですか? 昨日は母さんと一緒に外に泊まってますよ?」


 父さんと母さんはデートして、帰りは今日の朝と連絡が来ていた。


「仲が良い夫婦ですね」

「うん。結構頻繁にデートしてるよ」


 むふふ、と芽依さんが楽しそうに笑う。


「これは3人目も近いか?」

「なっ、何言ってるんですか、あり得ないですよ」


 ややあって。


「で、今日来たのは……じゃーん! 見本誌です! SR文庫の!」


 SR文庫とは、父さんが立ち上げた新レーベル【STAR RISE文庫】の略称だ。


「出来たばかりの見本誌、先生に見せたくって!」


「わざわざ持ってきてくれてありがとうございます! 言ってくれれば取りに行ったのに」


「あはは! 神作家を見本誌のためだけに召喚なんてできないよー」


 神作家って……なんか久しぶりに言われたような気がするなぁ。


 まああんまり好きな呼ばれ方じゃないのでいいんだけど。


「ちなみに白馬先生と黒姫先生の見本誌も出来てます。いる?」


「いる!」


 どちらも僕と一緒にSR文庫の創刊ラインナップになっている。


「はいじゃこれ。ちょいおトイレかりまーす」


 白馬先生のハイファンタジー……面白そう!


 黒姫先生……エリオちゃんのSF……こっちも!


「ふむふむ……うん! やっぱりどっちも面白いや!」


「え?」


 戻ってきた芽依さんが、目を丸くする。


「も、もしかして……もう読み終わったの? 2冊とも?」


「え、うん」


「い、いや……あたし、トイレ行って、麦茶とってきて……って10分もかかってないけど?」


「え、10分もあれば文庫本2冊くらい、余裕で読めるよね?」


 ぽかんと口を開く芽依さん。

 だがすぐにはぁ……とため息をついて言う。


「さすが神作家。読むスピードも書くスピード同様に尋常じゃ無いわ」


 僕は大事にふたりの見本誌のページを閉じる。


「ふたりとも売れますねこれ」

「ねー。そしてカミマツ先生の新刊も、これめっちゃ売れますよ! 絶対!」


 今回ラブコメに初挑戦した。


 結構苦戦したけど……でも最終的には良い感じに書けた。


「創刊レーベルどれも大ヒット間違いなし! ありがとう、カミマツ先生!」


「あはは、お役に立てたら何よりです」


 と、そのときだった。


「ふぁー……勇太くんおふぁよー……」


 眠い目をこすりながら、由梨恵が2階から降りてくる。


「え……?」


 ぽかん……と芽依さんが目を丸くする。


 し、しまった……!


「せ、声優の……こ、駒ヶ根こまがね由梨恵ゆりえ……さん? なんで……先生の家に、パジャマで?」


 びっくりしている芽依さん。

 やばいこれはまずい! と思うまもなく、ぞろぞろと美少女達が降りてくる。


 アリッサ・洗馬せば、みさやまこう。、そして……大桑おおくわみちる。


 みんな眠たそうで、パジャマ姿。

 お祭りの後みんな泊まったのである。


「…………先生。ちょーっと事情聴取、してもいい?」


 がしっ、と芽依さんが僕の肩を掴む。


 怒ってる……のか? それとも……びっくりしてる、のか。両方……かな。


「美少女クリエイターたちと、ナニをしたのかな? 昨晩。ん? お姉さんに教えてみ? ん?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

★新連載です★



↓タイトル押すと作品サイトに飛びます↓



『キャンピングカーではじめる、追放聖女の気ままな異世界旅行』

― 新着の感想 ―
[一言] えっと、誤字報告です。 メイさんのセリフで、「さすが神作家。読むスピードも欠くスピード同様に尋常じゃ無いわ」とありますが、欠くは書く、もしくは描くの間違いだと思います。そしてこれは違うかもし…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ