190話 ゆりえ、驚く
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
僕は芽衣さんに部屋を借りて、小説を書いてる。
デジマスを超える……凄い小説を……!
「だめだあぁああああああああああ!」
僕は会議室で一人、叫ぶ。
だめだ。こんなんじゃ……ぜんぜん……。
書き始めて数時間が経過した。
でも……ぜんぜん上手く行かない。
「どうしよう……」
たしかに、タイムリミットはもうけてない。
みちるは優しいから、僕の返事をずっと待っている。
……でも、でも!
みちるをずっと待たせっぱなしにしたくない!
……なのに、僕はデジマス以上の作品を書けないでいる。
くそっ。
と、そのときだ。
コンコン……。
「芽依さん……?」
がちゃっ。
「勇太君! 差し入れにきたよぅ!」 「由梨恵!」
カノジョの一人、駒ヶ根由梨恵が、両手にビニール袋を持って現れたのだ!
行き詰まりを感じていたとこだった。
そこへ、由梨恵の登場。彼女の明るい笑顔が、僕の心のもやを、少し取り払ってくれた。
「芽依さんから聞いたよ! 小説書いてるんだって!」
「うん、みちるに読んでもらうために……でも上手く行かなくって」
「そうなんだ……ねえ、読ませてくれない? 未完成でいいからさ」
みちる以外の人の意見も聞いておこうかな。
僕は由梨恵にパソコンを見せる。
「えっと……ねえ勇太君。私、目ぇおかしくなっちゃったのかな?」
「うん? どうしたの?」
由梨恵が恐る恐る、パソコンのモニターを指さす。
「モニターにいっぱい、ワードファイルがあるんだけど……20……いや、30かな?」
うん、30個あるね。
「まさか……これ全部勇太君が書いたの?」
「え、うん。そうだけど?」
それがどうしたんだろう……。
由梨恵が冷や汗書きながら言う。
「あ、あー! そっか、冒頭1ページとか書いて、書き捨てたみたいな。あれでしょ、昔の文豪さんがよくやっていた、これじゃだめだー! って、途中で投げ出すあれでしょ! そっか!」
「え? そのファイル、全部、書き上げた小説のファイルだけど?」
「……………………」
かちかち、と由梨恵がファイルを開く。
文字数が表示される。
全部10万文字。
「えと……30個ファイルあるよね? で、1ファイル10万文字。つまり、300万文字書いたんだよね?」
「そうだね。それが?」
「どれくらいで?」
「芽依さんにこの部屋借りてからだから……3時間くらい?」
「!?!?!?!?」
由梨恵が宇宙猫みたいな顔になっていた。
え、どうしたんだろう……?
「1時間で……100万文字……? 10冊分書いたの……?」
「うん。どうしたの?」
由梨恵が我に返ると、納得したようにうなずく。
「そうだよね、勇太君ならこれくらい……できるもんね! さすが勇太君!」
いつもの由梨恵に戻った。よかった。
「じゃあ、これ読ませてもらうね。そんで、意見言ってみます!」
「ありがとう! ごめんね、僕とみちるの問題に、君も巻き込んで」
「何言ってるの? 勇太君とみちるんは、わたしの家族じゃん! 家族のピンチには、駆けつける! それが、家族ってもんだ! ……って、家族いいすぎかな、てへへ♡」
由梨恵……。
君は、すごい人気の声優だ。きっと、頑張って時間を作ってくれたんだろう。
僕とみちる……家族のために。
「ありがとう、由梨恵。大好きだよ……」
嘘じゃない。ほんとうだ。
由梨恵も、みんなも、僕は大好きなのだ。
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